坂本順子
★ マテリアルとの共犯の領域
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2007年3月2日 金曜日 午前1時55分←■去年もらった線香に火をつける、か。
↑ ■寺から出たら、買ったばかりの新車に、某天才美少女画家と、某ステー ション・ワゴンねぇさんによるコラボレーションのボディ・ペインティングをされました。がくっ。 ■添付写真の状態で、午後7時まで札幌市内の画廊めぐりをしていたわけですが、さすがの私も超☆恥ずかしかったのですが、 なんせ某天才美少女画家&某初めて会ったのに、めちゃ気さく(?)なマダムの作品なもので消すこともできなかったのです。 その時、天から雨が降ってきました。みるみる内に、新車のボディは元の腹黒い姿に戻ってゆきました。 どんなに借金を踏み倒しても、天から守ってくれている竜馬夫人に改めて感謝 申し上げたしだいです。
▲法要パーティには、ホテルのハウス・ワイン(左)と、若林博士の「シャトーす ずめの学校ぶどうジュース(がくっ)」(右)が登場! 竜馬「おかしいなぁ、みんな博士のが美味しいって言ってるぞ(笑)。」 ▲『共犯新聞』愛読者であれば、お見通しの通り、たいした話はしていません(が くっ)。
■っーコトで、1階に降りて門馬さんがコーヒーを淹れてくださった。
「門馬さん、実は今日は、坂本順子さんの49日だったんです。今、その帰りなんですよ。」 「ああ、そうなの。私も昨日、札幌芸術の森美術館で坂本さんのご主人にお会いしたのよ。」 そして話題は自然に坂本順子画伯の思い出話に。 渡辺画伯は、「私は坂本順子さんのこと、あまり知らなかったんですよ。家内から順子さんの作品の写真を見せられただけでは、あまりピンとこなかったんです が、 一昨年の門馬ギャラリーでの個展で実物を観て、いっぺんにファンになったんですよ。 それで、昨年の私が館長をしている深川市の東州館で個展を是非してくれと、順子さんにお願いに行ったんです。」と、かみしめるようにおっしゃられた。 嗚呼!私が本田クンの個展が観たいからと偶然、連れてきた渡辺画伯と、ここのオーナーの門馬画伯、 実は一昨年から続く『坂本順子個展』の札幌展、深川展のそれぞれの会場主催者だったのだ! なんとまぁ、偶然にも、もっとも正しい「坂本順子49日」巡礼をしたことになっていた!
■「みなさん、午後6時からF.H.C.のライブもありますから、楽しんでいってく
ださいね。」
そして門馬さんは少し声を小さくして、「なんせ、ライブも無料ですから。」と、ニヤッと笑う。 このチャーミングさも、門馬さんのたまらない魅力だ。世代を超えた多くのアーティストが、ここ門馬ギャラリーをサロンのように愛している。 「ここで私も谷川俊太郎の息子さんのライブも聴いたし、絵だけではなくて、本当に魅力的な空間ですよね。」と、 深川市で夫婦でそれぞれに美術館を持つ渡辺画伯は本当にうらやましそうに言う。 「でも、広いから掃除はたいへんでしょ?」と、久保の話題はアート的ではない。がくっ。 「ここの掃除は全部、私が朝の5時に起きてやっているのよ。」 「ええっ!お一人で!?」と、一番驚いたのが主婦でもあられる渡辺夫人画伯(笑)。 「ほらな、掃除は大事だよ。」と、夫でもあられる渡辺貞之画伯が、妻でもあられる渡辺通子画伯に、まるで美術論のよーに言う(笑)。 「ええ。そのかわり10時には寝ますもの。その代わり、何かパーティがあれば、40人ぐらい、ここに若い人が集まり、朝までカラオケをしたりして騒いで、 しまいには皆さん、自由に布団をひいて寝ていかれるんですよ。 もちろん、私は皆さんに失礼して、いつものように午後10時にはお先に寝ちゃうんですがね。あはは。楽しいのよ〜♪」 「門馬さんの作品は、サイズがかなり大きくて全道展でもいつも話題になっていたんだよ。素晴らしい作品だったなぁ〜、いつも。 門馬さんが全道展をやめられてから、なにか淋しくなったね。」と、 渡辺画伯がニコニコしながら私や千夏さんに解説してくれる。 「へぇ〜。回顧展、是非、観てみたいですねぇ。」 「それで、2階の絵の展示コーナーに並べてあった着物は…?」と、久保がたずねると、
ギャラリーどらーる 札幌市北4西17 HOTEL DORAL 1F渡辺画伯は「あれも、作品なんでしょ?着物もアートですから。」と、予想を告げたけれど、 門馬画伯による正解発表は驚くべき、「正解」だった。 「ああ。あはは。あの着物、売っているんです。」 「え?ええ?えええええー?」 「実は、私、50歳までお茶をやっていたんですよ。」 「裏ですか?表ですか?」と、知ったかぶりの久保が聞く。 「裏です。裏千家で、ほら、この奥にも茶室がありまして、炉が切ってあるんですよ。」 「なるほど。ギャラリーって、いわば、現代の茶道ですもね。」 「はぁ?」 「ほら、お客さんを迎え入れ、もてなし、お互いの美意識の確認を楽しみ、会話を楽しむ。特に門馬ギャラリーなどは、もてなしの最高の形態ですし。」と、 こーゆーコジツケ反射神経(だけ)は得意な、久保。 「もう着物は着ないの?」と、渡辺夫人。 「それが、50歳で足を悪くして、茶道をあきらめたのよ。それから絵を描き始めて、今ではもう、86歳よ。あははは。」 「!」86歳という年齢を初めて知った千夏画伯は目を丸くして驚く。確かに、すでに知っている私でも、このバイタリティの前には信じられない年齢だ。 門馬画伯は、つい最近も四国へ美術館めぐりの旅行に行き、私たち4人以上に精力的に勉強し、 そこで観て来た絵や美術館そのものの魅力をまるで女学生のように目を輝かせて、みずみずしくも正確な表現の言葉で私たちに報告してくれましたし。 「そ、それで、なんで着物を売るんですか?」 「この着物を売って作ったお金で、今年の11月に北海道近代美術館で展覧会を開くのよ。」 「ゲェエエエエ〜!ギョエェェエエー!すっ、すげぇ。」 「私の着物は一枚一枚が思い出なのよ。だけど、本当は一番この着物たちを着たかった今の年齢になったら足が悪くなって着れなくなっちゃって。 だからこそ、今、私が一番したいこと、北海道で一番大きい美術館に素晴らしい画家を十数人集めて、インスタレーションをしたいのよ。 それを実現するために、今まで大切にためた着物を売るのよ。それならば、私の長い人生の 意味が再生されるでしょ?うふふ。」 時々、つまらないことで虚無的になる自分が恥ずかしくなるぐらいに「希望」が、アタリマエのように次から次へと元気良く語られてゆく。 素晴らしい大先輩を持つ北海道美術界に、私は少し羨望すら感じました。 ↓ 2006年11月10日(金)〜11月19日(日) ■『FIX・MIX・MAX! アートのフロントライン(最前線) / FIX・MIX・MAX!:Contemporary Art Exhibition 』 「質・表現ともに急速に拡張する現代 アートの世界。その動向を全国的・世界的に活躍する作家たちを通し、ライブ感覚で検証します。」 入場料;一般 500円、高大生 300円、小中生 無料 ■『外山 ムツ子 展』 2006年4月1日(土)〜30日(日) 年中無休&24時間公開 ここでまたコーヒーをご馳走になり、ふかふかの椅子に体を沈めながら、4人で美術談義。 私以外の3人は画家だ。 もうすぐ彼らが所属する全 道展が始まる。 何もかも、終わってはいないのだ。 |
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これは、何なのだろう。どうして、みんな、集まっているの? ▲2006年3月6日 8Pm 坂本順子さん「通夜」、終了。
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▲12Pm 15分ほど歩いて、ビストロ「ル・プラ」へ。 実はもう、閉店時間。 「もう、ダメっすよね〜。」と、顔を出すと、「あらら、久保さんなら、いいわよ。」 と、マダム。 ここで、午前5時まで(!)赤ワイン。 がくっ。
10Am 坂本順子 葬式。 ▲棺に花を入れる喪主。空夢の『絵日記「あ・ら・た」』も、この中へ。 それを見つめているジーンズ正装は、先日、アトリエが全焼になった高橋英生画伯夫妻。 この世の中には、何種類の悲しみがあるのだろうか。 『高橋 英生 ★ 上勇知の炎』参照のこと。
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あかりをつけましょ ぼんぼりに お花をあげましょ 桃の花
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「平等」って、暴力だ。 ■「FROM 05〜TO 06 展」 会場:さいとうギャラリー 〒060-0061 北海道札幌市中央区南1条西3-1 LA GALLERIA(丸一ビルヂング)5F 電話;011-222-3698 会期:2005年12月20日(火)〜2006年1月8日(日) 休廊:2005年12月26・29・30・31日、2006年1月1日 ■信じたことは、一度も無い。 告白するが、実は私は、(本当の意味で)一度も「約束」をしたことは、ない。 ■ってゆーか、「本当」というコ トバ(=概念)すら、疑っている。 ■坂本順子の新作だ。 まず、「サービス」という概念の置き換え(=位置の確認)が、求められる。 少々まわりくどくなるが、「サービス」は、個のみでは不可能だ。 サービスをしようとした気持ちが、実はサービスをしようとした受け手から、逆に「サービスがで きる」というサービスを受けている・のだ。きっと。 ■坂本の去年の同展の「めでたし」は、思えば、印象的だった。 つまり、重層的な「サービス」が、ある。 ■それを、「気を回す」と受け取 る「安心」の道もある・だろう。 ■しかし、「サービス」の道は、 より重層的であり、深く、不覚、俯角、伏角、不快、深い。 ■「先回り」は、「先回り」で は・ない。 「先回り」しようと準備した瞬間に、「先回り」は「準備」の支配下に陥る。 ■坂本は、作家だ。 彼女の絵画の技術は、知る人ぞ知る。しかし、彼女は絵画ではなく、立体へと、はみ出る。 ■窓枠は、窓から「はみ出る」の が仕事であっても、やはり窓枠も所詮、窓だから、はみ出ることは永遠にできない。 ■窓は、窓だ。 向こうが、見える。 しかし&やはり、窓は窓だから、我々は窓を見ながら、窓に気が付かず、窓の向こう側「だけ」を見ているフリに安心する経験に、「安心」する。 ■「お正月」だから、「お正月」 を見せる。 しかし、それは「お正月」とは、こーゆーモノだ・と思っている受け手側の「お正月」を提示する ことだ。 さらに、「お正月」は、こーゆーモノだ・と、思うことを「あえて」している受け手の、「あえ て」&「こーゆーモノ・だ」という自己暗示を、見せ付ける。 それが、去年の同展の「めでたし」だ・と、仮定してみよう。 ■額縁を持つ「絵」は、多い。 千代紙で作られた薄っぺらい富士山。ピンクにペパーミント・グリーンという、「あえて」の歩み 寄り。 ■窓の外で、マーク・ボランがラ メのスーツを着て、レスポールを腰まで降ろしている。 ■ジョン・レノンが、「どん・れっ・みー・だう ん」と、ひざまずく。 ■ベッドで、千代紙。・・・あが た森魚じゃんか! ■窓を開く。それは、すれちが い。でも、窓を開く者は、窓枠の「すれちがい」に気が付かずに「遠く」を見ている。 それもまた、「窓(たち)」のサービス。 ■それを「愛」と呼ぶのは、たや すい。 しかし。 しかし、だ。 それを、見詰めることは、はたして、たやすい・の・だ・ろう・か。 Text by 久保AB-ST元宏 2005年12月22日 木曜日 午前1時37分
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Text by 久保 空夢
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『坂
本 順子展』 2005年6月17日(金)〜30日(木)
▲北海道深川市内の2ヶ所で、同時開催です!
『坂本 順子展 — 不在の構図 — 』
深
川市アートホール東洲館 (深川市1条9番 深川市経済センターJR深川駅隣)
▲アートホールでは、主に大きな作品を展示しました。 ▲先日、深川東州館で行われた香月 ひとみさんの熱演の写真を添付します。 坂本順子さんの作品に囲まれた中でのパフォーマンスは、 まさしくお2人の魂のコラボレーションではなかったでしょか。(小川氏・撮影&記)
『坂本 順子展 — 彼女の領域 — 』
うなかがめーゆ美術館
休廊;月・金 (深川市9条17番44号 電話;0164-22-3597)▲うなかがめーゆへの(東洲館からの)行き方は、
「駅を背に、駅前の通りをまっすぐ」 「駅から数えて3つめの信号を左折すると片側2車線の太い通りをまっすぐ」 「ラーメン味の時計台・市役所のある交差点を右折」 「日蓮正宗のお寺と消火栓を越えた交差点を左折」 「突きあたる手前、右側角に洋風の白いオーナーの家、その隣」(石川亨信氏・ 記) |
「久
保元宏」の2005
年に買ったモノ
2005年6月16日 木曜日 晴れ 昼間は、著名な画家に混じって展覧会設営のお手伝い。 夜は、すずめの学校「カナダ料理教室」。
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