HiddenPlace2002年ベスト!  

 小説部門 ※順不同

 「聖なる黒夜」柴田よしき 角川書店
 これはもう超大作なので。完成に敬意を表して。
 シリーズものの番外編みたいな位置付けにあると思うのですが、
 やはりこれ単品でも読めるし、ストーリー構成にも圧倒させられます。
 いやーなんともいえぬ切なさが・・
 山内練という人物を生み出してくれただけでも、柴田よしきという作家に
 感謝!って感じです。

 「ひと呼んでミツコ」姫野カオルコ 集英社文庫
 これは本当に面白かった。高校の時に著者の本を1冊読んで、
 それきりになっていたのが悔やまれました。
 2003年は姫野さんの本を読破しようと今から鼻息荒いです。ふんー!

 「雪の断章」佐々木丸美 講談社文庫 ※絶版
 2002年のベストに絶版本を載せるのもなんなんですが・・
 これは皆様、図書館などで探して読んで頂きたいです。
 まだ他の作品を読んでいないので、(というかもう新作がでない作家かと思うと
 勿体無くて手が出せなかったのです・・)2003年はまた読んでいきたいです。
 文章が、お話が非常に魅力的。今いないタイプの作家だと思います。
 逆に新鮮です。

 「国境」 黒川博行 講談社
 関西弁がたまらんこの作品。いやもう純粋に面白かったですこれは。
 続編が出てくれると非常に嬉しい。未読の方は「疫病神」からどうぞ。
 文庫で出てます。

 「君の夢はもう見ない」 五條瑛 集英社
 この作家は短篇うまいと思います。雑誌掲載時の短編を、単行本に
 したときに、連作としてのストーリーに構成してたところがなかなか
 面白かった。 同じ短篇集なら「夢の中の魚」もお薦め。
 

 他、横溝作品に着手しはじめたことなどが収穫。
 しかし、こうあげてみると純文系が殆どない。今年はエンタメ系が印象深い
 年だったのかしら?
 2003年は、古井由吉の長編に着手するのが野望。
 (短編だけしか読んでないので、ここに挙げるのは止めときました)



 エッセイ部門 (て、読んだやつ全部じゃん!笑)

 「しをんのしおり」三浦しをん 新潮社 

 うーん、この人のエッセイは面白い!まだ新しい作家さんなのですが、
 注目株!と思われます。(まだ小説は2作しか読んでないのですが・・)

 「海馬が耳から駆けてゆく」4 菅野彰 新書館
 あまりメジャーではないかもしれませんが、文章がうまいなーと
 思わされる人。 とにかく笑えます。
 (ちなみに著者は本業小説家ということですが、どなたか読まれたことの
 ある方いらっしゃいますか?いらっしゃったら感想聞きたいなー。
 →他力本願)

 割と軽めのものを読んでた様子。こうなると反動でごっつ重たそうなのを
 選びそうな気がするなあ・・>2003年。


 
 漫画部門

 「黄色い本」 高野文子 講談社
 これは本を・・「読書」という行為を愛する人全てに読んで頂きたい・・
 素晴らしい作品です。
 サイトに感想UPしてないのにベストに持ってくるという力技・・。(う)

 「根こそぎフランケン」 押川雲太郎 竹書房
 またしてもサイトにあげてない本をもってくるという力技・・(もーええって)
 これはですねー、アドレナリン全っ開!!!になる麻雀漫画です!!
 いやもうほんとにおもろい。いっき読み。続き買うために本屋回った
 あの日を思い出す・・。
 勝負の世界で生きていくしかない、いやそこでしか生きられない男達の話。
 登場人物もみな魅力的でたまらんです。現在「ダイナマイトダンディ」
 (竹書房)にて、キャラたちは引き続き麻雀やってますが、
 フランケンはいないのだ・・(涙) 帰ってきてくれないのかな・・もう・・
 ああ、麻雀覚えたい(知らんのかい!)。
 や、ルール知らんでもおもしろいとこがこの作品の素晴らしさを
 表しているのだ!とにかくおすすめ。

 「ホライズン」 藤たまき 徳間書店
 ああ、やっと2002年刊行の本が・・(それはどうか)
 これはジャンルが特殊なので、手にとりづらい方が多いとは思うのですが、
 ジャンル云々で読まないのは勿体無い作家です。
 2002年に見つけた掘り出し物の作家さんでしたv
 感性が研ぎ澄まされた作品群。非常に魅力的です。
 「ホライズン」は是非「シーナ」読んでから読んで欲しいなー。

 「神戸在住」 木村紺 講談社
 人様にすすめていただいたのですが、これが大当たりー!
 ほのぼの〜とした、なんともいえない作風。絵も素朴さが魅力的。
 読むと神戸に行きたくなるはずー。

 「ハチミツとクローバー」 羽海野チカ 集英社(1巻は宝島社版もあり)
 もうめちゃくちゃ可愛い絵とお話。この作品がデビュー作らしいのですが、
 とても新人さんとは思えない!もう全てが魅力に満ち溢れとる!
 カット一つ一つがもおたまりまへん。かわいすぎる。ごっついときめきまふ。
 ダ・ヴィンチで知ったんですが、キャラクターデザインの仕事を
 されてたとか。私はあの自画像クマさんのグッズがこの世に存在するなら
 ぜってえ買う。(いやないけど)
 お話、切なめの話で、こんな俺様でもきゅんきゅんしっぱなし。
 脈絡がないが、私はこの作者さん、絶対めちゃくちゃ性格いいと思う。
 (謎のきめつけ)
 
 「ピューと吹く!ジャガー」 うすた京介 集英社
 今年はうすた京介との出会いの年でした・・これを薦めてくれたのが
 普段漫画を全然読まない子だったのがイマイチよく分からんが・・。
 これほんと最高です。笑いすぎで喉痛めたのは実話です。まじで。
 この作家、マサルさん読んだときにはなんて絵の汚い漫画だ!
 と思ったんですが、じつは絵うまいことに気付いた今日この頃。

 「グーグーだって猫である」2 大島弓子 角川書店
 もはや、新刊が出れば無条件でランクインの作家。大島さんも、
 2002年から本格的に読み出したのですが、素晴らしすぎます。
 朝日ソノラマから出てる全集全部欲しい。
 グーグーでは、出てくる猫が擬人化されてないのをみて、
 やはり大島さんにとってサバは、特別だったんだと・・
 そのことが胸にせまってきてほんと、なんともいえん感じでした・・ 

 この他、特筆すべきは鈴木翁二、ジョージ朝倉との出会い。
 ジョージ朝倉には少女漫画の可能性を見たわ!
 「少年少女ロマンス」はおすすめです。
 あと「エロイカより愛をこめて」という古典作品(今も現役ですが)
 に触れたのも記念すべきことかしら。いやーあれは面白かった。
 食わず嫌いはいけんのう・・と思った作品でした。


全体的に、2002年は新旧良いバランスで読めたなーと思う年でした。
そして収穫の年でもありました。多分、自分でも書評サイトをはじめたので、
いろんな本に出会うきっかけが増えたからでは・・。
ここのサイトは殆ど個人的読書記録のために作ったものでしたが、それによって新しい
本との出会いも得られたのがとても嬉しいことでした。

これから先もぼちぼちと続けていくつもりですので、皆様宜しくお願い致します・・v