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パラパラ・・・Literary Criticism
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・・・それは、翻訳としてのダンス音楽。
Jazzzzzzzzz!! クールの意味を知りたくて。Ornette Coleman
Live in ★札幌コンサートホールKitara”キタラ”!! 駐車場が無いんだよなぁー!札幌コンサートホールKitara”キタラ”(中島公園内,011-520-2000)
★作る、壊す。それの違いは?
Ornette Coleman (alto sax, tp, vln)
「伝説」のヒトを語ろうとすると、どうしても陳腐な決まり文句になってしまう。
しかし、それを恐れずに恥を忍んで言えば、オーネット・コールマンとは、フリー・ジャズの創始者である。
1930年3月9日、テキサス州フォート・ワースに生まれ。14歳でアルト・サックスを独学で学び始める。
デビューからいきなりリーダー作を発表し、シーンに登場。
テンポを設定せず、コードやモードに捕われない、小節数も関係ない、
といった従来の音楽的な取り決めを全く無視することで、演奏上の自由を最大限に獲得するという
全く新しい発想にもとづいた演奏スタイルは「フリー・ジャズ」あるいは「アヴァンギャルド・ジャズ」と
呼ばれることになる。コールマンの革新的な演奏は衝撃を与え、多くのミュージシャンに影響を与えた。
ジョン・コルトレーンは彼とのセッションを通して、自らの新しい音楽性を模索し教えを請うた。
そして、「伝説」は終わらない。最近でも、天才ギタリスト“パット・メセニー”との共同名義作『ソングX』が、
2005年9月、未発表曲を加えて再発され話題となっている。このタイミングでの来日である。偉大な76歳
★息子に、伝える?

日本公演 共犯者
〜 幻の“ツイン・ベース・カルテット”編成での来日公演が遂に実現! 〜
★Tony Falanga !
Tony Falanga (bass) ベース;トニー・ファランガ
マンハッタン&ジュリアードでクラシック、バークリーでジャズを学んだ。
★Greg Cohen  !
Greg Cohen (bass) ベース;グレッグ・コーエン
★もしなんならORNETTE COLEMANと「LONELY WOMAN」〜「HONKEY TONK WOMEN」メドレーでも。 ジョン・ゾーンなどとの共演でも
有名な人気ベーシスト。

ハル・ウィルナー『weird nightmare〜
meditations on mingus』(1992年)で、
なんとローリング・ストーンズの
キース・リチャーズ、
チャーリー・ワッツとも共演
来日公演もダブったし、飛び入りも!?
★Denardo Coleman !
Denardo Coleman (drums) ドラムス;デナード・コールマン(息子!)
★10歳の新人ドラマー! 1956年生まれ。今年で50才。
しかし、
今年レコード・デビュー40周年の
もはや大ベテラン。
1966年、
父のLP『The Empty Foxhole』に、
10歳で参加。
♪ピアニストをリスペクト!
山下洋輔(ピアノ)
このオッチャンが「前座」なんだから、ねぇ。
すごいことですよ、もう。

正しいダンス音楽
text by. 久保AB-ST元宏 (2006年4月4日)
これは、「正しいダンス音楽だ。」と、感じながら
私はステージから押し寄せる音に全身をゆだねていた。

「ダンス音楽」と言っても、もちろん、
ディスコ(笑)でも、クラブ・ミュージック(?)でも、パラパラ(がくっ)でもない。
むしろ、「踊りにくい」音楽の種類に入るのかもしれない。
つまり、ポリ・リズムをポリ・バケツに入れて客席にバラまきながら、
まるで魚をなでるかのように神経をさかなでする繊細な音をからめてゆくのだ。
一定のリズムの繰り返しと、
キャッチーなリフがダンス・ミュージックであると思っている向きには、
そう、「ノー・ダンス・ミュージック」なのである。

ん?
「一定のリズムの繰り返し」と、「キャッチーなリフ」……。
おおお。その王道って、ザ・ローリング・ストーンズ!?

3月29日に札幌ドームにて、
3m前の等身大(!)のストーンズを目に前にして少年のように(笑)踊り狂った、
その3日後のオーネット・コールマン。
もちろん、今も、これからも私に染み付いた2006年3月26日の3m前の
ストーンズ・インフルエンザは永遠に消えることは無いだろう。
だからこそ、その3日後にストーンズに対抗しうる唯一のワクチン
私には必要だったのかもしれない。

こーゆー言い方もできるかもしれない。
オーネット・コールマンは、ローリング・ストーンズの欠落部分を埋めるのに
最もふさわしい、と。
★ポスターも神々しい。

★試合開始直前。
札幌公演、開始直前。山下洋輔のピアノがまずは中央でかまえていた。
オーネット・コールマンは、
ブライアン・ジョーンズが最晩年に
情熱を傾けたモロッコのジャジューカと
共演をしているのだ。

オーネット・コールマン70年代の
名作『DANCING IN YOUR HEAD』
中に収録された「Midnight Sunrise」という
4分ほどの曲がある。
オーネットがモロッコに赴き、
ジャジューカの音楽家と共演している。
オーネットはジャジューカの音楽について
次のように語っている。
 

これは、人類の音楽だ。
これは、生命の状態を伝えているのであって、
女に逃げられたとか、戻って来てくれとか、
おまえなしに過ごす夜は耐えられない
といったようなこととは関係がない。全く違う。
はるかに深い音楽なのだ。
<『裸のランチ/オリジナル・サウンド・トラック盤』
(ビクター)の解説より引用>

★激しい!

「謹んで前座を勤めさせていただきます。」と、
合間にスピーチをする、いつもの半分笑い顔の山下洋輔。
なんだか、その言い草が、もーすでに「フリー」ではなく、
「予定調和」の匂いプン&プンで、いやな予感が私の脳味噌を横切った。
まず山下がソロで4曲、披露したが、
それぞれ違うタイプの曲を選んだような印象。
特に3曲目はキース・ジャレット 『ザ・ケルン・コンサート』のような出だしから、
一気に得意のお家芸(?)”ひじ打ち”にまで昇りつめる。
残念ながら、「ああ、またか。」と、感じてしまう残酷な私。
そして&おそらく、その感情は山下本人が一番、感じていることであろう。
★へい、親方、いっちょうイクぜ!
コールマンのライブが始まる。
ドラ息子(がくっ)のバランスが大きすぎるのか、
私が選んだ席がステージの真横の斜め上だったからか、
4ピースの中でドラムが全体をリードしているような印象を持つ。
しかし、そのドラムがたいくつなわけではなく、
むしろ、すごい。
ほとんど同じパターンを二度と見せないかのような想像力溢れるドラミングだ。
このドラマーのリーダー・アルバムが聴きたいなぁ〜。あるのかな?
また、ジョン・ライドンは、こーゆーバンド仲間と出会うべきだ、とも強く感じる。
★誰の字?
ライブ後にロビーに貼りだされた、札幌公演のセット・リスト。

★座りながら踊る。 曲が進むにつれ、私の耳が慣れてきたせいか、
バンドの意思を大きく引っ張っているのが
コールマンである、とゆーアタリマエの大事実が
ガーーン!と、私の体のシンに刺さりこむ。

もー、そーなったら、私、ダメ(笑)。
全身にコールマンのグルーブが乗り移っちゃった。
イスに座りながら、首はぐるん&ぐるん、
足はジタ&バタ、指はスナップ&クラッシュ、
背骨は肉から自由になり、大きくうねる。
★ダンディ&ファンキー

★深く考えているように、躍らせる。 かと言って、コールマンのサックスは、観客のツボにダイレクトにアタックしてくるタイプではない。
むしろ、カタルシスの周辺を、うろ&うろ、ちょろ&ちょろ、気がつかないフリをして歩いている感じ。
マイルス・ディヴィスのように、一気に「ブキィーーーッ!!」と、ヒステリックに叫ばないし、
ジョン・コルトレーンのように、メルト・ダウンの酩酊に誘ってくれもしない。
ある意味、いじわるなジャズだ。
こんなタイプなもんだから、「生ぬるい」とか、「のらり&くらり」とか誤解されたこともあっただろう。
私は、これは彼一流の「ユーモア」なのではないか、とも思っていた。
つまり、「そんなにカンタンにイカせてあげないよーん」ってな感じ。
しかし、初めて彼を生で観て感じたのは、これはかなり「知的」な作業であるという事実だ。
つまり、快感のツボを知っている者のみが避けることができる、知的な作業。
「快感」を当てることを恥ずかしく感じてしまうことが彼の出発であったのではないだろうか?
そう。「快感」という「既成概念」からの逸脱としての、「フリー・ジャズ」
1960年代にフリー・ジャズのブームが盛り上がった時、
フリージャズは新しい快感を体験できる音楽として受け入れられたと思う。
しかし、そうでは無かったのではないか、と、今、私は思う。
オーネット・コールマンが言いたかったのは、
「自分の快感を、疑え。」と、いうことであったよーな気がする私なのであ〜る。

コールマンが不器用にバイオリンを演奏し始めたころ、もう私は自説を固めに入った(笑)。
黒板に爪を立てたような音が震えながら、激しい息子のドラムにかぶさってゆく。
グレッグは古典的な指ベースでハイウェイを疾走して行き、
トニーは弓でベースの新しい音を慎重にさぐりながら金属的な波の音をぶちまける。
4ピースのバンドは、まったく違う作業を同時に行い、しかもエンディングはピタリと決まる。
間違いなく、コールマンの支配の下にあるのだ。

後半、山下洋輔が参加。
すごく、贅沢なステージだ。
しかし、「快感」を探り出すことが目的の山下フリーと、
「快感」を疑うコールマン・フリーには、歴然の差異がある
という確認が繰り返されるだけであった。
★弦が神経を、ざわめかす。

★ライブ会場を背に。
ライブが終わり、ステージに残された楽器を前に、パチリんこ。


今日の一句
その文字を讀ませまいぞと暖簾揺れ
(久保元宏 1999.8)
その指に、ふれてもらい・たい。

★日付をクリックすると、♪好きな時代に行けるわっ♪あん♪アン♪歴史から飛び出せ!
★たとえば→3月19日の歴史★
ふにゃ&ふにゃ。そして、いつも前。
A Happy Birthday to Mr.Ornette Coleman !