B1-9 ルート #1

Castle Caldwell(コードウェル城)

「B9 コードウェル城奇談」より「コードウェル城の掃討」と「恐怖のダンジョン」を抜粋したものです。B9 と同様に,PC たちはコードウェル氏の依頼を受け彼の城を掃討することになります。

Interlude(幕間)A

コードウェル城を掃討したことによってパーティの名声が高まり,それを聞きつけた商人のハキームが,ジェンラー・テムリンからの依頼の手紙を渡しにやってきます。

The Hall of Rock(巨石のホール)

「B8 偽りの旅路」より,3 つあったルートのうち 1 つが抜粋されています。ハーピィの数が 2 倍になっているので,パーティ全滅の危険性は非常に高くなっています。ハーピィの歌に対してセービング・スローを行うのはプレイヤーなので,手加減もできません。

Interlude(幕間) B

パーティがスレショウルドに戻る途中,杖を持った老人が道で野営しているのを見つけます。もしパーティが話しかけるとその老人は,自分はステファン・カラメイコス公爵に仕えるアントンという密偵だと言います。彼は,ゴブリンが西部の国境に侵入するのをブラック・イーグル男爵がひそかに手助けしているという証拠を探していたのです。彼は陰謀を暴くために,ルルンから東に馬で 1 日行ったところにあるローン・ツリー・ヒルで,決定的な証拠を握っている連絡員に会う予定なのですが,問題が生じてしまいました。ある事情により彼自身が連絡員をスペキュラルムに連れていくことができなくなったのです。そこで彼は手助けを必要としています。この仕事には何の報酬も出ませんが,彼が公爵と相談するときに,公爵がパーティと個人的に親しくなれるよう手配するつもりだと言います。

この話は真っ赤な嘘です。アントンはブラック・イーグル男爵に仕える情報部員で,彼の仕事は男爵を脅かす存在を根絶やしにすることです。実際には,男爵が内密に援助しているゴブリンの軍隊がまもなくルルンを襲撃することになっています。アントンは,パーティをだまして西に行かせ,捕虜にした密偵として男爵の部下に彼らを引き渡そうと思っています。

もしパーティがアントンを無力化した(殺した)なら「ローン・ツリー・ヒル,まもなく会合」という注意書きと印のついた地図を発見します。もし DM がカスケトンの洞窟を作ってあるのなら(つまり,“B1 In Search of The Unknown”をプレイするつもりなら),アントンが持っている地図は洞窟の場所を示しており,「カスケトン? 後ほど調査すること」と記してあります。

これは,NPC を表面的にしか見ないプレイヤーに対する罠です。アントンは彼の話が真実だと証明するような証拠を持っていません。彼は質問には質問で答え,話をそらそうとし,言い逃れをする前に一瞬考え込んだりします。彼の話には説得力に欠ける点があります(彼がスペキュラルムに行けないとしたらどうやって公爵と話すのか,といったような)。ディテクト・イーヴルの呪文は,彼のキャラクターに対する邪悪な意図を明らかにします。もしパーティがアントンに協力することを拒否しても何の問題もなく,彼は別の計画を立てるだけで,彼らを巻き込むことはありません。

もしキャラクターが彼に協力したら(または自分たちだけでルルン周辺を調査することに決めたら),大脱走の冒険に進むことになります。

The Great Escape(大脱走)

ゴブリンがルルン付近にいるという噂の真偽を調べていると,ある夜パーティの野営地がゴブリンの群に奇襲されます(もしアントンの話を信用していたのなら,この奇襲は彼が手引きしたものです)。DM はプレイヤーに,もしキャラクターが抵抗すれば彼らはおそらく死ぬであろうと言ってください。強行突破しようとするプレイヤーのキャラクターは殺すこと(これはちょっとした知能テストで,知能的でないプレイヤーはここでキャラクターを犠牲にすることになります。降伏したキャラクターは殺されることはありません)。もしアントンがそこにいれば,彼は公爵の情報部員を捕らえたということで満足することでしょう。キャラクターは数日のうちに男爵領の前線基地へ連行されます。

プレイヤーたちが,彼らが捕らわれたことが不当であると訴えたら,もし冒険が簡単だったら誰にでもできることになってしまうし,それに手がかりもあったのだ,と穏やかに彼らを諭してください。彼らがうまくプレイすれば,脱出して彼らの装備を取り戻す機会は十二分にあるのですから。

…というわけで「B9 コードウェル城奇談」に収録されていた「大脱走」のアドベンチャーになだれ込みます。パーティは牢屋に入れられる前に,ブラック・イーグル男爵の援助を受けたゴブリンの侵略部隊がまもなくルルンを急襲する予定だと聞かされます。急いで脱出し,そのことを町に知らせなくてはいけません。さもなくばルルンは廃虚と化し,キャラクターはドゥーム要塞の奴隷市場で売られることになるでしょう。

Interlude(幕間) C

もしパーティが前線基地から逃げ出すのに失敗したのなら,荷馬車の中に入れられ,厳重な警備のもとドゥーム要塞への旅が始まります。出発して最初の夜に,荷馬車は待ち伏せしていたルルンの軍隊に襲撃され,キャラクターたちは救出されます。ルルンに戻って警告しようと強行軍が行われますが,先の襲撃で大きな損害が出ているため失敗に終わります。もし PC が前線基地から自分の装備を取り戻したければ,町長のサーシャが彼らに装備を支給します。

パーティが首尾よく前線基地から逃げ出したのなら,攻撃に備えるようルルンに警告するのに間に合います。サーシャと守備隊は待ち伏せの準備をし,ゴブリンたちに大きな損害を与えて撃退します。しかし状況はいぜん緊迫しているため,サーシャはこの情勢について詳しい報告書を作成します。パーティがルルンを離れる準備ができたら,彼女はスペキュラルム守備隊の書記フランツ・ダブロイに報告書を届けてくれるようパーティに頼みます。パーティは旅費の入った袋を受け取り,何の問題もなく伝言を届けることができます。


このページの制作者は焔揺介(ほむら ようすけ)です。ご意見・ご感想など遠慮なくお寄せください。