B1-9 ルート #3

Rahasia(ラハシア)

スレショウルドで「シンダー(Sindar)というエルフの商人が,はるか北のセレニカにいる彼のパートナーのところに荷物を届けたがっている」という話を聞いたパーティがこの仕事を受ければ,ルート 3 の最初の冒険である「B7 ラハシア」へと進むことになります。シンダーは「ラハシア」に登場するメリサ(Merisa)というエルフの少女の父親であり,これについてパーティが質問すると,ついでにラハシアの結婚式の贈り物を届けてくれるようパーティに頼みます。

Interlude G

エルフの村にシンダーの荷物を届けたあと,パーティはデュークス・ロードに戻り,北へ向かいます。退屈な旅のあと彼らはセレニカに到着します。東へと伸びてオルタン・テペ山脈と広大なアラシヤン砂漠を横切る交易路の西の端にあるため,混雑した街路には大公国ではめったに見られないような商品をたくさん売っている行商人たちがいます。パーティは初めての通りにまごついてしまい,シンダーの進む方へついて行こうとしますが迷ってしまいます。

ようやく,彼らがアーナルフ(シンダーのパートナーです)の住居をなんとか見つけ出すと,そこは商人地区の贅沢な大邸宅です。彼らは扉の前で,アーナルフのお高くとまった召し使いプラクシーズに迎えられます。彼は埃と旅の汚れにまみれた冒険者たちを見て,彼らが彼の主人に何かをもたらすことはないだろうと確信します。ロールプレイをしてこの傲慢な召し使いからアーナルフの行方を聞き出そうとするよう,プレイヤーたちを励ましてください。次のうちのどれかが有効でしょう。

  1. 100 gp かそれ以上の賄賂
  2. どこかに部屋を取り,身なりを整え,新しい贅沢な服を着て自己紹介する
  3. 彼らがそれなりに頭がいいと印象づけるような工夫

どこかほかのところで情報を得ようとすると,彼がよくやるように内密に「町を出た」ことと,彼はたぶん商売でどこかに行っているということがわかるだけです。プラクシーズについての情報を求めると,彼がうぬぼれていて,欲が深く,彼の下っ端をぞんざいに扱っているが,とても有能でアーナルフには忠実であることがわかります。これらの情報を手に入れていれば,パーティはうまくやることでしょう。

プラクシーズによると,彼はパーティが到着する前日に商売で旅に出て,ゆっくり進む隊商とともにイラルアムの街へ向かっているということです。彼らの馬が十分に速ければ,彼に追いつくことができるかもしれません。もしパーティが馬を持っていなければ,プラクシーズは速い砂漠ポニーを 1 匹 300 gp で彼らに売ります(彼と交渉すると 1 匹 100 gp まで値下げできます)。

もしパーティがあきらめて大公国に戻るなら,彼らがシンダーに再び会うことはないでしょう。彼らがスペキュラルムに着くと,彼らはアーナルフに会って強盗罪で訴えられます。彼らは無罪を宣告されるでしょうが,裁判の手数料として財産の約 10% を支払わなくてはなりません。

いったん砂漠の旅に出ると,キャラクターはさしたる困難もなしにアーナルフの隊商に追いつきます。アーナルフは,シンダーの贈り物である宝石をちりばめた魔法の鳴き鳥を受け取って大いに喜び,イラルアムの魅惑的な首都まで彼に同行するようパーティに勧めます。彼は隊商の護衛として彼らを 1 人 100 gp プラス必要経費で雇いたいということ,取引がうまくいったら多額の特別手当を出すということを申し出ます。

彼らが引き受けても引き受けなくても,1 日か 2 日後に彼らは砂嵐に巻き込まれ,砂漠で道に迷ってしまい,滅びた都市を発見します。

The Lost City(滅びた都市)

「B4 失われた都市」です。

Interlude H

キャラクターがもう滅びた都市を探検したいとは思わないときは,彼らは道なき荒野を越える旅に備え,文明地にたどりつこうと努力することになります。彼らの準備が十分かどうか注意して,もし彼らが砂漠で生き残る上での問題点について慎重に検討したのなら,特別に経験点を与えてください(非常によい思いつき——マギ・オブ・ユーザミガラスから星座表をもらうといったような——は 100 XP に値しますが,このようなボーナスは各人 200 XP をこえないようにすべきです)。

どんなに念入りに準備しても,彼らがシニディシアの位置を示す地図を見つけることはできないので,彼らが道に迷う可能性は依然として高いままです。

パーティは幸運なことに,砂漠を旅する間は敵にも遭遇せず,頻発する砂嵐に耐えなければいけないということもありません。昼間は燃えるように暑く,夜は身を刺すように寒くなります。

3 日目になって,遠くのほうに小さな点があるのがパーティの目に入り,その点は空中を飛んで急速に近づいてきます。それはアーナルフだとわかります——しかも空飛ぶ絨毯に乗っています! イラルアムでの取引はとてもうまくいったのです。パーティを認めると,彼は大喜びします。彼は,スペキュラルムにいるシンダーに会うつもりで,喜んで彼ら全員を連れていきます。魔法の絨毯は特殊なもので,秘密の言葉によって一行の全員を運べるように大きくなります。

ひとたび飛び上がると,アーナルフは新しいおもちゃを見せびらかしたいという思いを我慢できなくなります。彼は思いつく限りの乱暴な操作で絨毯を飛ばします。キャラクターはコンスティテューションのチェックに成功しないと飛行機酔いになってしまいます。このちょっとした気晴らしがすむとアーナルフは落ちついて,スペキュラルムへとまっしぐらに向かいます——もっとも,機会があれば非友好的なヒューマノイドをかすめて飛ぶにやぶさかではありませんが。一行がスペキュラルムに近づくにつれて,パーティは再び(安全な!)地面に降りることができるということでとても喜ぶはずです。

パーティが絨毯を盗もうとしたとしても,彼らには絨毯をきちんと動作させられないことがわかるでしょう(気まぐれな動き,広げておかないと飛行中に丸まろうとする,などなど)。またアーナルフは,強力な魔術師に頼んで秘密の印を絨毯につけてもらったので,もし盗まれることがあっても捜し出すことができます。

パーティがスペキュラルムに近づくと,アーナルフは街の門の外側にパーティを降ろします。

スペキュラルムでの冒険が,この本で最後の正規の冒険となるので,キャラクターのほとんどは 3 から 4 レベルぐらいになっているはずです。もしそうでないなら,彼らがまだ行ったことがなければですが,イモータルのゼンダラに彼らを銀の王女の宮殿に連れていってもらいたいと思うかもしれません。もしそうなら,Interlude E を見てください。

もしパーティが滅びた都市に戻りたいと思うようなことがあれば,アーナルフが行き方を知っているでしょう。


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