霞拳志郎もびっくりの魔都上海と北京ダックその37 十二日目〜さらば、未来のある魔都上海!〜 |
最終更新日 2004/3/31 |
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いよいよこの日がやってきた、上海、中国に別れを告げる日だ。 ・・・・といっても特に感慨深いこともなく、最後だからって何するわけでもなく、とりあえず朝飯がてら裏門の商店街へ行く。小吃(シャオチー※)を食べながら、この味ともお別れか、とやっと食い物ぐらいで少しだけ感慨にふける。 最後に食べた、屋台のワンタンスープはデカ鍋に入ったスープの中にパックの小さなワンタンを入れただけだがかなりウマかった。もの凄い熱くて大変だったが。 |
※:その28で解説。屋台で売っているような小腹を満たす食べ物ですよ。 |
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そういえば今日の予定をいっていなかったが、今日、タカちん、マスター、私の3人は昼発の船(鑑真号)で上海を発つ。この旅の首謀者であるマハはししょうと一緒に上海に残り、まだ上海を満喫するらしい。で、飛行機で帰ってくるのだそうだ。 タカちんとマスターは大学院へ行くことが決まっているので、やることが色々あってこれ以上上海にいられないという理由があるのだが、大学卒業してプ→になる私は暇なはずなのになぜ一緒に残らなかったのかというと、マハが私に気兼ねなくエンジョイできるようにという気を利かせたからだ。 ・・・・ゴメン、大嘘。飛行機で返ってくるお金がないからです(※2)。 そんなわけで(どんなわけだ)、このバカみたいに安かった留学生寮(その8参照。)に別れを告げ、港へと向かいます。もちろん、案内役であるマハもついてきます。 |
※2:今回の旅程で予算がギリギリだったのだ。なんでだろうねぇ。とてもじゃないが卒業旅行にドイツなどいけなかった。 |
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大学から(たしか)タクシーに乗り、一路国際フェリーターミナルへ。 まだ受付してないらしいので、しばらく待ってから入る。他の旅行客も来るが、行きの人数よりは少なそうだ。どうも、今回は家族連れの中国人やら、いかにも旅行者風の西洋人などもちらほら見かける。行きに見た日本人の「中国文化交流サークル」みたいな人がいない。春休みいっぱい(※3)いるつもりだからだろうか? マハと別れ、言葉が英語が通じるようなのでタカちんを先頭にして、X線検査して、受付して出国準備完了。来るときに比べると実にあっさりだ(空港よりはどのみちあっさりだが)。カバンの奥に隠していた北京ダック(その27参照)は検閲に引っかからないようだし(※4)。真空パック万歳、ですな。 出国手続きをしたら、バスに乗ってフェリーまで。少しの距離なのにわざわざ送ってくれるのか(※5)。 いや、何にも面白いことがないな。実にすんなり乗船できてしまった。 部屋に荷物置いて、一息つく。昨日夜遊びしていたタカちんは眠りに入る。マスターと私は、「出航するならやっぱ甲板に行かないと・・・」と甲板に行く。 そこで見たものは・・・・・ たった一人で見送っているマハ! |
※3:この日は3/10。大学生の春休みは、どの学生の春休みよりも長い上に課題もない(ある所もある)。ここでどうするかによって今後の人生は大きく左右される・・・と言う人もままいる。 ※4:帰ってきたときに荷物開けられる検査があったが、「何も持ってません」と言ったので念入りに調べられなかった(それもどうかと)。マハも飛行機で持って帰ってきたしね。 ※5:別にフェリーでは結構普通らしいことをその後の旅行で知る。行きは、バスを待たなければいけないので、旅っぽく歩いてみた。徒歩3分ほどの距離だ。 |
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ポツーン |
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帰ってなかったのか!・・・つーか我々が船に入ってまったりしている間彼は何をしていたのか?思いもよらない熱烈な見送りにちょっとだけ感激した振りをする二人。それどころか、周りには作業員以外誰もいないのに見送りに来ている光景に不謹慎ながらも笑う我々。 そして出航。ブォーッという汽笛が鳴る。 甲板には我々以外にも多くの日本人が出ている。やっぱ出港時には甲板で旅情を感じたい人が多いのだろう。いや、陸地を離れる、というところを見ておきたい人もいるのだろう。 そして船が岸から離れ出すと、マハは右手を挙げ、大きく手を振る。感動的なシーンだ。 ・・・・なのに手を振らない我ら二人。 つーかね、 他の人がマハに手を振ってるよ! あんたら誰だよ! あんたらの見送りの人はいないだろ! ひょっとして、作業員が手を振ってると思っているのだろうか? それとも、みんな、手を振ってくれる相手を探していたのだろうか? なぜか見送っている相手は手を振らないのに、見ず知らずの連中(しかも全員)に手を振られるマハ。我々が振ってくれないからだろうか、遂には両手で振り出した。彼の心中はいかほどだろう?なかなか出来ない体験であることは間違いない。 そんな面白い光景を笑いながら眺めているマスターと私。 船は回頭し、進行方向を向く。 それに合わせて、移動し、まだマハに手を振る他の人たち。 「これならきっと、世界中が友達になれるよ」 などとテレビの幕引きのようなナレーションを入れて、手の動きまでは見えなくなったのをいいことに、他の方向を見る我々。 ここに友情はあるのだろうか? (たぶんあるよ、たぶんな※6) |
※6:私のガイドブックをマハに貸してきたし。その分、帰ってから旅日記書く気もなくなったが(いいわけ)。 | ||||
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・・・これから長い船旅だぜ。例によって丸二日。 まだ旅行気分を味わっていられると思うか、まだまだ帰れないと思うかは人それぞれだろうが、時間はたっぷりある。それぞれの時間を人は、どのように使うのだろうか? 色々な思いを込めて船は日本へ...。 そして今日は大したことが無く一日これで終わる。 いやね、ホントに、することないのよ。 てなわけでポカポカする甲板で日記を書いてみたりするも、まぶしすぎて書く気が起きず(※7)、ゴローンと寝転がったりしてまったりする。やっぱりまったりするぐらいしか出来ないよね、酔っちゃうもん。夜になったらなったで飯食ってワンダースワン(※8)でゲームをやって、しかもクリアしちゃったりね。イヤー困った。 |
※7:ノートが白いから見事に反射するのだ!青空授業をするときはわら半紙で! ※8:携帯ゲーム機。やっていたゲームはスーパーロボット大戦コンパクト。 |
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甲板で寝る私。 ・・・でもこれもまぶしすぎてすぐやめた。 ちなみに左下のサンダルは、船の部屋にあるもの。 「あれは・・・いいモノだーっ!」(マ・クベ風に※9) |
※9:機動戦士ガンダムに登場の策士キャラ。部下に「(その壺が)いいモノなのですか?」といわれていたことに対する、だーいぶ経ってから、しかも死に際に言ったセリフ。 | ||||
・・・・えっ、まだ続くの? |
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《参考》今回使用したお金(円換算は14円にしました) 朝食:全部で5元(60円)ぐらい? タクシー:不明(おそらく30元ぐらいの1/4=105円?) 昼食:そういや食ってないような 夕食:食ったよ、船の中の高い奴!もちろんシェアで。800円ぐらい。 つーか中国人家族とか大丈夫か?これで。 |
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