深紫’S ROOM 4 



破れた障子から

投稿日: 2月12日(月)00時35分32秒

構ってもらえない猫が障子を破く

穴から覗ける世界は狭くて

どうしようもなく炬燵へと踵を返す

此処は暖かいから幸せだと嘯いてみる

構ってもらえなくて嘯いてみる

破れた障子から見える星ひとつ

消えようか消えまいか

迷いの呟きを落としてくる


ノータッチ

投稿日: 2月12日(月)00時29分45秒

何事も期待してはいけない

空振り三振

バッターアウト

一塁さえ踏めず撤退する

何事も期待してはいけない

9回裏のバッターボックスで


柔らかな糸

投稿日: 2月11日(日)21時40分35秒

もどかしい柔らかな糸に縛られて
動けない

他の人は右の道へ行った方が良いと
言うだろう
他の人も左の道の方がきっと良いと
言うだろう

だけど柔らかな糸に縛られた足は
前の道を選んでいる

歩きだせそうで歩けないまま
前の道を選んでいる

後ろから続いている道
何があろうとこの道を選んでいる


いちご

投稿日: 2月10日(土)20時31分39秒

赤く熟れた苺の香り
齧れば甘い舌の上

綺麗事は言えないから
一思いに齧る

芯まで赤く染まる
綺麗事は言いたくないから
一思いに頬張る


透明な手

投稿日: 2月10日(土)20時28分28秒

想いのゆりかごを透明な風の手が揺らす

時折思い出したように舞い戻る風
忘れられない想いをゆらゆらと
優しくあやしてくれる

眠りについた朝に戻りたい
想いを思い出にできるなら
どんなに楽だろうか

忘れたい忘れたくない
ゆらゆらと揺られるゆりかごの中で

眠りについた朝は晴れていただろうか

忘れられない忘れたくない
想いのゆりかごを透明な風の手が揺らす


夢の時間

投稿日: 2月10日(土)04時31分29秒

夢のような時間が過ぎたから
後は働き蜂になって何も考えない

何処にも行く所もなくなって
誰もいなくなって

夢のような季節は過ぎてしまった


いけない事

投稿日: 2月10日(土)04時25分43秒

私は幸せになっちゃいけない
欠片でも幸せを口にすると
必ず報いが訪れるから

涙を流して俯いている
それがお似合いなんだろう

薔薇色に笑っちゃいけない
誰かが凍り付いてしまうから

誰の幸せも願っちゃいけない
不幸を贈ってしまうから

黙って下向いて
誰の幸せも願っちゃいけない

私は幸せになっちゃいけない


涙のゆりかご

投稿日: 2月10日(土)04時12分34秒

流した涙で海ができた
しょっぱい苦い水たまり

何時まで経っても報われる事ない

深いの海の底で眠る想いは
浮き上がる事も出来なくて
朽ち果てる時を待つばかり

何時までも報われる事のない想い
涙の海の揺りかごで眠っている

朽ちていくのを待つばかりなのに


春に抱かれたい

投稿日: 2月10日(土)04時00分00秒

落ちてしまった心を拾い上げて
さぁどうしようか

浮き浮きさせてくれるものは
春の季節の彩り

きっとそうだ

空の色も風の匂いも違う
花も緑も違う

きっとそうだ

落ちてしまった心は
春の装いで包んでしまおう

春の色を見つめる事が出来るように
ぽっかり空いた心を抱いて待つ夜の季節


らしい

投稿日: 2月10日(土)03時54分36秒

あの人にはあの人が居ればいい
この人は必要ない

らしい

この人が居ても居なくても
あの人と楽しくよろしくやってる

あの人とあの人で成り立つ世界に
この人は必要ない筈だね