深紫’S ROOM 2 



瞬間の連なり

投稿日: 2月 3日(土)16時18分26秒

ふとした瞬間に黙り込んで
空白の時間が連なっていく

時間は手と手を繋ぎ合って
どこまで続いていくんだろう

朝が来て昼過ぎて夜が又訪れて
どこまでも沈黙の瞬間が連なる

行く先を見届ける勇気もなく
立ち尽くして目を伏せる


関係連鎖

投稿日: 2月 3日(土)16時11分36秒

たどたどしい言葉でぽつりぽつりと綴る
詩とも呼べないもの

そういうものでしか繋がれない

電源を落とせば暗闇
そういうものでしか繋がれない

どうして、とも言えない関係
望んでも返る事のない関係

そういうものしか与えられない

電源を落とせば暗闇だけが友達
部屋中が静まり返る関係


ドアの前

投稿日: 2月 3日(土)16時05分52秒

ドアの前で泣いている
鍵のないドア
開ける術もなくて

どこもかしこも
閉じられたドアばかり

名前もなくて
途方に暮れるのは何時もの事

立ち尽くすドアの前で
泣いているだけの私


小鳥の時間

投稿日: 1月28日(日)16時35分53秒

万両千両啄む小鳥
足跡残す庭の片隅

ひっそりと赤い実
訪れる小さな啄み

来年の冬も又ねと
名残りの足跡眺め
緑濃くなった庭に


後悔させる人

投稿日: 1月27日(土)17時00分04秒

言わなければ良かったと後悔する
近付きたいと思うと
遠ざかる人に

心の内を明かせば明かす程
言わなければ良かったと後悔する

何時迄経っても近付けない

拒まれているのに馬鹿だよね
わかっているのに馬鹿だよね

言いたい事も言えない距離
何の意味があるのかと
思えば思う程

言わなければ良かったと後悔する


幻は幻

投稿日: 1月27日(土)16時51分16秒

小さな嘘を重ねてもっともらしく
積み木の家を築いている

窓はここ ドアはここ

小さな嘘が砂の城を夢の城に
少しの風で崩れてしまう夢

何のために 誰のために

小さな嘘が折り重なって
もっともらしく輝いている

輝きに目を伏せて
何のために 誰のために
重い頭を抱えて座り込む

見飽きた嘘 聞き飽きた嘘
積み木のレンガで砂の城

見下ろす私はため息で凍りつく

誰のための
何のための

聞きたいけれど聞けない言葉
飲み込み続ける言葉


オブザーバーの鏡

投稿日: 1月27日(土)16時41分04秒

居ても居なくても同じ
眺めているだけの人

居る意味が見出せない
眺められているだけの人

現と幻想入り乱れて
マーブル模様を描く

明りを消して息を殺して
私という存在を消してしまう

眺めているだけの人に
暗闇の鏡を差し出すために


三行半の酒

投稿日: 1月 1日(月)01時50分07秒

とろりとろりの酒
グラスの中で揺れる

沈むとろり
回るとろり

舌の上でゆっくりと滑る
とろりとろりと滑る

言葉はゆるりゆるりと
置いて行かれる

とろりとろりの酒に
三行半の言葉が置いて行かれる


強さ

投稿日: 1月 1日(月)01時46分07秒

哀しみを踏み台にして
届かなくても手を伸ばそう

何かを掴めなくても手を伸ばす
そういう強さを掴みたい

捨てられても
それがどうした位の強さを
掴みたい

そうありたいと望む
強さはそこから生まれる

振り向かないで
哀しみを踏み台にする位の
強さに届くように手を伸ばす


新しい年

投稿日:12月29日(金)15時04分43秒

不安ばっかりの夜にさよなら
新しい年になるから
そう決めたんだ

いつもいつも不安で
何もないままで

私の気持ちなんか
少しも考えてくれない

新しい年になるからこそ
決めたんだ

もう君には現実は期待しない
いつもいつも取り残されて
悲しい思いばかり

そんな思いはもうたくさん
だから決めたんだ


この数日ではっきり解った
君にとって
こんな事すらどうでも良い事

君は何処へでも行けるんだから