深紫’S ROOM 3 





投稿日: 2月10日(土)03時50分51秒

ひとつ追われて知る幻
ふたつ追われて知る錯覚

誰かを愛おしいと思う自覚と
誰かに愛されているかもという錯覚
混ぜ合わせば長い曖昧な時間

糸を切られた凧のように
くるくる回って地上へと落ちていく

ばらばらになった欠片を拾い集める時間

ひとつ追われてわかる幻
ふたつ追われてわかる幻が見せた錯覚

追われ追われて地上を目指す凧のように
舞い上がれるものは何もない


ゴミ箱行

投稿日: 2月 9日(金)00時36分57秒

いらなくなったおもちゃを捨てるように
用無しになれば心だっていとも簡単に捨てられる

誰かの心を踏み台にして新しい世界へ旅立って行く

君にとってはたったそれだけの事
いらなくなったおもちゃのように
簡単に捨ててしまえる程でしかなかった

細い細い1本しかない糸を簡単に切ってしまう君
君にとってはたったそれだけでしかない事


明日

投稿日: 2月 4日(日)11時19分53秒

しばらくはこのままで
何時も通りの毎日

信じたものはそのまま
抱えていく

変わらないものは変わらない
気持ちをそのまま
抱えていく

どんな明日でも陽は昇ると
信じて

何処かで又会えると
信じて


漂流信号

投稿日: 2月 4日(日)04時38分51秒

切なさを寂しさを言葉に変えて
漂っていよう
この広い海の上で

たどり着ける島があるかも知れない

遠く旅する鳥に会えるかも知れない

行き交う信号溢れる海の上で
明日を夢見て漂っていよう


夢の檻

投稿日: 2月 3日(土)23時51分36秒

誰かの隣に並ぶにはそぐわない自分
そんな事わかっている筈

現実的な誰かは殊更即物的で
損になる事を選ぶ訳がない

夢の中だけで許されて
夢の檻の住人は夢で死んで行く

幾度も乗り越えて来たけれど
何処にももう居場所は残されていない


正直でいる事

投稿日: 2月 3日(土)23時44分39秒

正直でいる事は辛い事ばかりで
何時も泣くはめになるんだ

だからと言って嘘がつける筈もなく
繰り返す愚かさに自分を責める他ない

躓いても転んでも
やっぱり自分に他人に嘘はつけない

でも正直でいる事は辛い事ばかりで
最後は泣くはめになるんだ


笑い話

投稿日: 2月 3日(土)23時37分51秒

消えていく月の明りに
雲が応えて闇を呼び込んでくる

明りを見たのは幻だったと
言い聞かせて窓を閉めるけれど
聞き分けのない手はカーテンを
開けて夜の闇を手探りしてしまう

落ちて来た雫に驚いて
慌てて手を引っ込めると
それは自分の涙だった

笑えない話に笑う誰かが居るだろう


落ちる夢

投稿日: 2月 3日(土)23時28分49秒

心の自殺ってあるだろうか

高いビルから身投げする夢
現の身体は落ちる事ないけれど
もうこれまでかと心が落ちていく夢

もしかして飛べるかも知れないと
儚い期待を抱いてみる

まっ逆さまに落ちる感覚は
それすら許してはくれなかった

あまりにリアルで夢と現実が
混ざり合って寝られなかった夜


涙の数

投稿日: 2月 3日(土)23時21分51秒

私が泣いたからって何がどうなる訳でもない

誰かが哀れんでくれる訳でもないし
誰かが慰めてくれる訳でもない
誰かが同情してくれる筈もないし
誰かが一緒に泣いてくれる訳でもない

流した涙の分だけ自分が乾涸びていく

まして誰かの為に泣いている訳でもない
所詮は自分が自分の為に泣いているだけの事

そうして流した涙の分だけ乾涸びていく


漂い続ける海

投稿日: 2月 3日(土)16時25分56秒

疑問を問いかける事も出来なくて
胸に納めてみるけれど

折り畳んで来た時間
広げてみても答は見つからない

嘘だと思っていても
少しの期待を抱いてしまう
この愚かさに罰が待っている

何時でも罰が降り注いでくる

君を好きになってしまった罰
許される事もない

宙ぶらりんで漂い続けなければ
許されない罪

もがいて苦しんで抜け出す事も
許されない罰

答のない海で漂い続ける今夜もこの先も