【恐怖、オリザラ縛り!】


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 今回の大戦では、少々実験的な試みを行ってみた。それは、お松との打ち合わせ の最中に、「オリザラってホンマに釣れるんかいな?」 という、メンバーの大半が、思っていても口に出せなかった長年の疑問を、実際に大戦で使用 し、その威力を試してみようというものであった。

 しかし、ただの実験では面白くないので、「全員がオリザラから始め、バスをキャッチ できた者から、好きなプラグにチェンジして良し」という、 「オリザラ縛り」を実施することにした。

 よって、ある者は、1本しか所有していないオリザラのスペア購入に走り、ある者は、 フックを日本製の鋭い物に交換、ある者は、フッキング向上の為、バーブレスフックに 交換したり、スプリットリングを使用し、フックの自由度を上げたりと、様々な工夫が なされた。メンバー内では、どんちゃん以外、オリザラでバスを釣った経験を持って いる人間がいなかったので、「オリザラ童貞」達は、 実は結構プレッシャーを感じていたのであった。

 当日は、明石チームより、朝4時に合流を指示された。相当気合が入っているのかと 思えば、「オリザラ縛り」にハマって、オイシイ時間帯をオリザラと心中するのを避け たい一心での、早期開催指定であった。おかげで前日は、ロクに睡眠時間を確保でき なかった…。(僅か2時間くらい)

 さて、お松が選択した実験の場…もとい、オープニングステージは、 「諭鶴羽ダム(ゆずるはダム)」という、 「第2次バス釣り大戦」のオープニングステージと同じダム湖が選択された。ここは、 ダムサイトから延々と500m程、釣り歩ける広大なシャローを有しているので、 今回の実験(?)には、うってつけのステージであった。徳島チームが、のんびりと 準備を始めている間、明石チームは、早々に水際に降りて行った。 (ヤル気満々ですな)

 少し遅れて、フィールドに行くと、お松、ケンちゃん共に既に1バイトずつあった そうだが、共にフッキングまでは至らなかったとのこと。結構活性が高そうなので、 早々に「オリザラ縛り」から解放されるかもしれないと、その時点では楽観的に構えて いた。

 で、いざキャストしようと、ポイントを見回したが、周囲はまだ真っ暗で、どこからが 水面なのかも区別がつかない。これでは岸際などといった、気の効いたポイントは狙え そうにないので、沖に向かっての「ノーカンキャスト」となった。着水しているところ も見えないので、サミングもおぼつかない…。

 「ツチャ…チャッ…」と、オリザラがターンする際に生じる水音だけが聞こえてくる。 しかし、期待に反して、数投しても反応は無い。お松と一緒に、どんどんダムサイトの 方に移動し、ポイントを探して行った。

 「おお〜い、釣ったで〜」と、ケンちゃんの声が 微かに聞こえてきた。我々とは反対方向に進んでいたので、かなり離れている。 「釣ったんか〜?」との、お松の問いにも、なかなか 返事が無い。でも、どうやら釣ったようである。まず、ケンちゃんが 「いちぬけ」だ。

 ダムサイトの近くまで来た頃には、周囲がうっすらと見えるくらいになってきたが、 まだまだ遠方のポイントを見極めるだけの明るさでは無い。無闇にポイントを荒らす より、もう少し明るくなるのを待った方が良いと考え、ボートの立ち入りを禁止する 為に張られたブイを超えて、手を止めていたら、そのブイ横にキャストした、 お松にヒット! (しまった〜、そこが一級ポイントだったのね!)

パロットに出た1匹目!
O-matu's 1st BASS!
 あっという間に抜き上げられたバスは、小ぶりではあったが、お松は会心の笑みを 浮かべている。「にぬけやな…」と、ニヤリとこちらを 見る。ヤバイ、早いとこ1匹釣っておかないと、とんでも無いことになりそうだ!

 せっせと、崖際にキャストを繰り返していたが、焦る気持ちとは裏腹に、全然反応が無い。 既に日は昇って、視界は十分良好であった。キャストしているポイントも申し分無い。 「やはりオリザラではダメなのだろうか?」と思った時、

「ゴボッ!」

 と、バスのアタックがあった。しかし、焦っていた為、 「すっぽ抜け」させてしまった。 「何年バス釣りやってんだ!」と、情けなくなった。 しかし、手を止めている場合では無い。少なくとも反応があったのだから、状況と しては良くなっているはずだ…。

「グイッ!」

 直後のキャスト後、ドッグウオーク中のオリザラを、ひったくるような強烈な バイトがあった!バスに勢いがあった分、こちらからアワせるまでも無く、易々と フッキングに成功した。 連続でバイトすることから、どうやら、「時合い」が ハマってきたようだ。(ここでホッとする)サイズの 方は、イマイチのようだが、なんとか「オリザラ縛り」から解放されそうである。 油断して、一気に抜き上げ、お松に見せようとした…ら、フックからバスが外れ、 地面に落ちた!

 「ありゃりゃりゃ…」と、うろたえている目の前で、 2度3度と地面をバウンドし、まんまと水中へと逃げられてしまった。フッキング性能 を重視した「バーブレスフック」に変えていたのが、裏目に出た形となった…。一応、 こういう事態を防ぐ目的で、「スプリットリング」を介してフックを付け、フックの 自由度を上げていたのだが…軽い魚の場合だと効果は薄いようだ。 (一つ学ばせていただきました…)

プロップダーターにて2匹目!
O-matu's 2nd BASS!
 そんな私を尻目に、「オリザラ縛り」から解放された、お松は、躊躇することなく 「プロップダーター」にチェンジし、僅か数投で 2匹目をゲット! 「よし、これでハクが付いた!次は…」「ホッツィトッツィ(Jr)」にチェンジして、 これまた、早々に3匹目を追加!一人で「フィーバー状態」 を満喫している。特に3匹目などは、 「この着水後のロングポーズの後の1アクション…」 との台詞に合わせるかのように「バシャッ」と出るなど、手が付けられないほどの 「舌好調(?)」振りであった。(クヤシー!)
ホッツィJrにて3匹目!
O-matu's 3rd BASS!


 お松の怒涛のラッシュにメゲそうになりながらも、キャストを繰り返す。釣りたけ れば、キャストし続けるしか方法はないのだ!これは、ここ数年のバス釣り大戦で 学んだ事の一つである。集中して、岩の横をドッグウオークさせながら通過させる。 と、プラグの横に波紋が起こった。「ん、アタックか?」 と、手を止めたら、オリザラが音もなく水中に引き込まれた!

 「今度は逃がさん!」正直、「2度目は無いカモ…」 と諦めかけていた後のバイトだけに、気合を入れてフッキングし、慎重に寄せて無事 キャッチに成功した!やった、初めてオリザラでバスを獲ったぞ!自分でも、ちゃんと 釣れることが証明できた!と、お松に記念写真を撮ってもらおうと振り向いたら、 いつの間にか移動して消えていた。(ガビーン!)

 そして、その後は完全に沈黙されてしまった。状況から判断するに、今回に限っては、 オリザラ云々とかのプラグのサイズとか、カラーではなく、 「時合い」が釣果を支配しているようであった。「時合い」が ハマったときは、連続して、強烈なバイトが有ったが、「時合い」を外したら、ミノー だろうが、ノーシンカーワームだろうが、反応無しであった。

 その後、お松&ケンちゃんの明石チームと合流して、結果を聞いてみたら、共に 3匹釣ったそうである。お松は前述の通りで、ケンちゃんは、オリザラで1匹の後は、 「バズベイト」と「センコー」で1匹づつ獲ったそうだ。2人共、早々に「オリザラ 縛り」から解放されたので、「時合い」がハマった「フィーバータイム」に、色々な プラグを使い、バスの「初期刺激」を上手いこと 誘ったようである。「フィーバータイム」終了間際に釣った私は、バスを追加することが できなかった。「オリザラ縛り」から解放された後も、試しに使用を続けてみたのだが、 さすがに、同じプラグを使用していたのでは、いかに「フィーバータイム」といっても、 見切られてしまうようであった。「時合い」+「初期刺激」 が、朝イチのキーワードとなる…とまとめても良いのではなかろうか? (今回はタメになるな〜)

 ところで、どんちゃんは…というと、一度だけバイトがあったものの、フッキング まで至らないまま、オリザラと共にオープニングステージを終えることとなった。 今回の釣行の為に、たくさんのトップウオータープラグを買ってきていたのに、 一番オイシイ時間帯に使えず仕舞いであった。「オリザラ縛り」は、確実に1名を 毒牙にかけたようだ。我が企画ながら恐ろしや…。
【得点表】

メンバー/ステージ 1st 2nd 3rd 4th Total
お松
 
 
 
ケンちゃん
 
 
 
どんちゃん
 
 
 
タク
 
 
 

●バス=2 ●ブルーギル=1 ●ナマズ=−20000 ●その他:審議

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