霞拳志郎もびっくりの魔都上海と北京ダックその29

     九日目〜ジェニファーに行こう〜
最終更新日
2003/5/25
 
 朝、例によってパカシュートイレ(その23参照)で用を済ませ、ボロ屋が目立つ車窓の風景を眺める。
 この国にとって「都市」という物はやはり特別な存在のようだ。それもそうだろう。この国の都市は元々城の中に作られた「城市」だと言うことを考えれば(たぶん)、都市と農村の果てしない違いがあってもおかしくはない。こう考えると、都市も裕福さも、何もかも平等の日本とはやはり違うようだ。集中の原理の典型のようだ。
 





 

 朝というか昼近くになって上海駅に到着。このまま上海駅周辺を練り歩いてもいいのだが、疲れたので寮に帰ってまたーりすることにする。荷物(北京ダック)もあるし。なんと言っても北京ダックが邪魔だ。しかもこんな上海の都会で北京ダックを持ち歩くのはヘンだ



 とりあえず寮に帰り、一息つく。あ〜、やっと帰ってきたよ(たった二日しか経っていないけど)。

 寮に帰ると、北京ダックを何匹も買った我々はヒーローである(違う意味で)。そんな我々に驚きながら(やや引きながら)ししょうは今日は「ジェニファー」に行くと告げて出かける。ジェニファーというのは写真館の名前で、そこではウェディングドレスの他、チャイナドレスなどを借りて、メイクして、写真を撮ると言うところだが、留学生たちには女装写真のメッカとして知られているらしい(ホントか?)。
 かのマハししょうドラ吉もここで女装写真をノリノリで撮り(ホントか?)、ドラ吉大変美人だったということだ。

 は〜、なるほど。また女装しに行くのか・・・・

 と勝手に想像するが、そこは別に女装写真館ではなく、男が勝手にレンタルの女性用民族衣装などを着て写真を撮っているだけなので、そこへ女の子らが普通の写真を撮りに行くのだそうだ(でも別にいけないわけではない)。


 そこでししょう「tkiyoto君も女装したら結構イケるんちゃう?」などと勧めてくるが、女装体験ゼロの私はどーもピンとこない上にお値段が結構高いから渋る。横でマスターが高校の時に女装して撮った写真が担任の教師のデスクマットの下に大事にかざされているというエピソードを語る。・・・・・それはヤだな(本音)。


 まぁ、とりあえずマハ「行けたら行く(※1)」と行く気満々、私を女装させる気満々で返事をしていた

 タカちんも着いた初日にいった徐家匯(シュージャーホイ)のメトロシティでアンプが激安だったとかで、もう一度見に行きたいと言っていたので、それじゃぁ、ということでやる気ない系のマスターはジェニファーも徐家匯にあるなら(ただし、駅からちょっと歩くから、徐家匯の地区になるのかどうか不明だ)一緒に行って、そこから自由行動にしよう、という事になる(あくまでも顔出しであって女装しに行くわけではない)。



 とはいえ、まだ昼食も摂っていないので、マハが「安くてそこそこうまい」という寮の飯を食べることにする。しかし、なぜかマハが以前来たときとは様子が違うらしく、ちょっとどこなのか悩み時間をかける(単なる記憶違いかもしれないが)。
 時間が2時ということもあり、食べている人は誰もいない。しかも、片づけをしているらしく、「ランチ食べたい」といったら、厨房の中に案内されて「好きなの選びな」とばかりに釜や櫃(ひつ)からご飯やらおかずやらを取らされる・・・・・思いっきり残りもんの処理だな。これならタダにしてくれてもいいような感じもするが、そうもいかない。


 ほどほどに腹を満たし、いつもの通りバスで中山公園に行ってから地下鉄で徐家匯に行く。まず着いてから向かったのは「ジェニファー」。まずはどんな様子かを見に行く。すると、すでに遣唐使の女の子が2人、中国の男の民族衣装を着てメイクをしている。おお、男装もOKなのか(※2)。遣唐使軍団は総勢7人ぐらいで来ていた。


 で、「せっかく着たんだからやれば?」という狙っていたかのようなマハの発言を矢継ぎ早に繰り返す。マスターは全然抵抗がないが、タカちんは抵抗する。タカちんはそれよりもアンプの方がいいらしい・・・・賢い選択だ(笑)。タカちんはそのままの勢いでメトロシティへ行く。

 で、かなり渋る私。当然だ、プライドが許さない・・・・と言うことは全然ない。ただ、キャラが違うだろ!?とは思ったりするが、それもちょっとどうでも良かったりする。一番重要なのは、かなり高いことだ!
 料金は、2着180元、3着250元(?)・・・となっており、チャーハンが50杯近く食べられる量に料金なのにかなり躊躇する。金がかからないと言うから来たのに、こんなバカげたことに金を払っていいものか・・・・私の頭の中にはこんなワンシーンが浮かぶ・・・・・

※1:我々がどこへ行くか決めかねていたからである。その都合によって行かないことも考えてくれるようなことも行っていたが、何より(特に私を)女装をさせたい思いが強かったのがありありとしている。












※2:女装が出来るなら男装も出来るのは当たり前だが、この時はマハやししょうやドラ吉などの女装話ばかり聞かされていたのでそういうイメージがつきまとっていた。









ハンサムウーマン1巻 (鎌田洋次/小学館)より

”教育に金をかける”というユダヤ哲学を実践し、私を分不相応な名門校に入学させた。当時から私は、法律家をめざしていてね・・・



・・・私には法律家になる夢と、私同様にいわれなき差別に苦しむ人々を救う使命がある。

というシーンで。

まったくその通りだ。
 ・・・・・いや、ホントに。私は大学で何をやっていたのか・・・・。


 そんなこんなで、ショボい大学にて大志を忘れてしまった「裕福な国」に生まれた貧乏人は、果たして女装する(させられる)のか?次回、こうご期待!
   

《参考》今回使用したお金(円換算は14円にしました)
 バス:1+1元(28円)
 電車:2元(28円)
 昼食:6元(84円)ぐらいかなぁ?
 地下鉄:3元(42円)
 
 
 
 
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