霞拳志郎もびっくりの魔都上海と北京ダックその23

     七日目〜北京は一体どんな街?〜
最終更新日
2003/3/10

 ※お食事中の方はお食事を済ませてからお読みください。

 さぁ、今日から北京だ、とすごんでもまだ列車の中。到着予定は10時らしい。今は6時前・・・・寝るか。14時間乗って行くと言っても寝てばかりなのであっという間だ。


ボロボロの赤土造りの家が並ぶ村が所々に

 とはいえ北京に入ったらまず、ウワサのはらっち(とその彼女)に会い、一泊するホテルを探し、万里の長城へ行き、北京ダックを食べなければならない(義務)という大忙しのスケジュールが待っているので、列車に乗ってるうちにやっておかなければならないことがある。それは何かというと・・・・大だ(お食事中の方すみません)。てなワケで世間がざわめきだしたので起きてトイレへ。


 すがすがしい朝、ゴトゴトとレールの上を走る音が聞こえ、きれいな壁に囲まれてなぜかピューピューと風の音がするトイレで用を足す。実にイイですな(そうか?)、揺れますが。

 しかししかしだ、ブツを流そうと足でボタンを踏むと・・・・
パカッ(蓋の開く音)
シュゴー(吸い込まれる音)
ビュー(風の音)
パタッ(蓋の閉まる音)
ガタンゴトン(線路の音)
 ・・・・・っていうか地面が見えるんですが隊長!

 なんと線路に垂れ流しです(※1)。

 ビックリです。ビックリを通り越して、「いいのだろうか、それで」と思ってしまいます。昨日は夜だったのでそれに気がつかずやけにスゴイ音がするなー、って思っていたんですが、なんのことはないフタがあいているときに外の(レールと風の)音が聞こえていたのです。壊れているというような感じもしません(壊れてこうなるような設計も困るし)

 こりゃーすげー、ってことでみんなに報告。半信半疑のみんなだが、見に行って納得。マスターが一言、「これじゃスタンドバイミー(※2)できんな・・・・」

 外見だけはきれいにして、肝心なことを忘れているのが今の中国の状況のようです。まぁ排泄物が肥料になる、という考えを継続して持っているのかもしれません。まぁその考えでメタンガス利用(※3)というのならいいのですが、垂れ流しは紙も一緒に流す(落とす)のでかなり問題だと思います。溶ける紙だからという問題でもないでしょう。
 ・・・ひょっとして駅で使えなかったのはこういった作りになっているからなのか??


 ボロボロの家に住む田舎の人々とこのトイレがこの国の国家の現状を表しているようだ、などと柄にもなく考えながらも北京に到着。降りる前にカードを切符に交換してくれる(させられる)。



 などと北京に着く前からこんなにも書くものだとは思わなかったが、気を取り直して北京駅到着。さすがに巨大な駅です(北京西駅の方が大きいらしい)。やや古さを感じますが、多くの人が行き交います。この駅前にてはらっちたちと待ち合わせしている、とマハが言う(※4)。デカイからすぐわかる、とのこと。
 辺りはホテルの客引きばかり。ここは世界的にも有名な街の中央駅(?)であるにもかかわらず、おばちゃんたちの強烈な客引きには中国人の商売根性を垣間見た感じがしますが振り切ります。

 辺りを見回して背の高い日本人は、と・・・・・はらっち登場!なるほど180cmぐらいですか。まさかそれよりデカイ3人が待っているなどとは思っていないはらっちはややビックリしている模様。彼女は日本語学科だったらしく、かなり達者だ。てっきりはらっちが中国語ペラペラなのかと思ったが、彼女が日本語ペラペラのようだ。かるく自己紹介をし、明日上海へ帰る分のチケットを買い、まず地下鉄へ。


 地下鉄の切符を買うときからすでにはらっちの彼女(名前聞いていない)の手を借りる。ここ北京の切符は、なんとだ。上海のような電磁式でもない。そのため、買うのが窓口で行わなければならない(人数を言えば済むのだが)。改札も当然人間の手によるものだ。・・・・人海戦術だ。
 北京の地下鉄は歴史があるせいかやや古い面もちを持つが、天井が広く、思いのほか清潔である。しかもあまり混んでいないので乗りやすい。なにより北京の人たちは割り込みをせずきちんと並んでくれるし、イスにも整然と腰掛けるという感じなので気楽に乗れる。しかも車内も静かにしている。
 横入りは当たり前、の上海とはエライ違いだ。横入りといえば関西でもスゴイらしいが、北京と上海はちょうど東京と大阪のような感じに相当するのかもしれない、とちょっと思ったりもする。関西の人は怒るかもしれないが。


 途中、私は馴染みが全くない大手百貨店「そごう」北京店(※5)のある駅(宣武門駅)でおりて、中国銀行へ行く。両替するためだ。銀行で現金一万円を両替して、とりあえず北京でのお金を確保する。たかちんはクレジットカードによる引き落としが出来ないということで苦戦する。やはり欧米などとは全然勝手が異なるらしい。
 銀行へ来るためだけによった駅からまた地下鉄に乗り、はらっちの彼女が働くホテル(たぶん西直門駅だったと記憶する)へ行き、彼女の用事を済ませる。
 その間ホテルの前で待ち、街並みを眺めるが、日本とそう変わらないなぁ〜(右写真)。車を見てると、上海より運転マナーは良さそうだ。ホテルの前で警察がビシーッとした格好で警備しているのを観察しながら暇をつぶす。

 次に、そこからバスに乗り、はらっちの彼女の住んでいる(半同棲です)地区へ行く。結構遠いなぁ、それなのに来てくれたのか、とちょっと感動。遣唐使関係の人は世話好きなのか、そうなったのかよくわからないが大変ありがたいことである。おかげでまったくガイドブックなどで学習しないのが我々の悪いところだが


 バスの到着点から歩いてすぐのところにあるホテル、裕京大厦に入る。一日ツインで一人60元(約840円)というらしいので、まぁそんなもんだろ、ということで入る。部屋はシャワー、トイレ付きだが、シャワーとトイレが近いのでちょっと浴びづらい感じもする。荷物(リュックだけ)をおいて、トイレで小を済ませているとなぜかメイドさんにガラッと引き扉を開けられ・・・・・・メイドさん逃げる・・・私も逃げたいが・・・・。ここのトイレには鍵がないので心しておこう(なんで入ってきたのかは不明)。

 ホテルのロビーには電光掲示板があり一泊のお値段と今日の気温が表示されるのだが、こんな機能よりもトイレに鍵を付けておくれ、ともいいたい気もするが、トイレに扉がないところが平気である国らしいので多分無駄だろう。扉がついているだけありがたいと思いな、と言われそうだ。

 ちなみに今日の予想最高気温は、最高が8℃、最低が−11℃。とのこと。
 ・・・・−11?3月だろ?さすがは寒いと評判の北京、予想以上の寒さです(上海よりは寒い)。話によると、今日は特別寒いらしい。・・・・我々が来たから、と言うことではないだろう、たぶん。


 フロントで待っていたはらっちたちと表に出て、万里の長城に行くのにはタクシーで言った方が楽だし、そう高くないというのでホテル前に待機しているいかにも無認可の黒タクシーとはらっちの彼女が交渉を始める。交渉の結果、ここから一番近い万里の長城、八達嶺長城まで行ってもらい、その後北京の中心繁華街の王府井(ワンフーチン)まで行ってくれるようにしてもらった。はらっちたちとはここで一時分かれ(今もPM1時)、ワンフーチンで再会して一緒に食事(北京ダック)をする予定だ。


 それにしても、はらっちに助けてもらうというよりも、はらっちの彼女にかなりお世話になっている感が否めないのは私だけだろうか?はらっちのしゃべる中国語を聞いていない・・・・。いや、もちろんお世話になっているのだが。




※1:正確には線路と線路で挟まれた場所に当たるので、石積みの道床と枕木に垂れ流し。





※2:映画、スタンドバイミーで4人の少年が線路の上を歩くシーンがある。汚物だらけでは出来ないよな、という意味。

※3:排泄物を発酵させると生じるガス。引火性アリ。埋立地からの転用により発電にも利用可能なグリーンエネルギーの一つ。海底にもたくさんあるらしい。イメージ的にはちっともグリーンエネルギーという感じはないが。





※4:電話にてそんな約束を取り付けたらしい。





























※5:なんでも国内最大級の売り場面積があるとか言う話。でも用はないので行くわけもない。


《参考》今回使用したお金(円換算は14円にしました)
 北京⇒上海深夜特急券:317元(4438円)下のベッドだから少し高い
 地下鉄:3+3元(84円)
 バス:(たぶん)2.5元(35円)
 朝・昼飯:・・・食べてないぞ
 ホテル一泊(裕京大厦):60元(840円)
 タクシー(ホテル→八達嶺長城→王府井):250元÷4人=62.5元(875円)ぐらい?
 
 
 
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