*色辞典*    最新号:2003/04/07


色名簿

*参考資料*

『日本の伝統色−色の小事典』(日本色彩研究所編/福田邦夫著)読売新聞社

『草木染 日本色名辞典』(山崎青樹著)株・美術出版社

『色々な色 』(近江源太郎監修/ネイチャープロ編集室)光琳社出版

『原色染織大辞典』(板倉寿郎監修/他)株・淡交社

『色のイメージ辞典』(岡部慶三監修/同朋社編集・制作)同朋社

『色の手帳』(尚学図書編集)株・小学館

『日本色彩辞典』(武井邦彦)

薄紅

うすくれない

うすべに
うすもみ

退紅/褪紅

薄色/聴色

薄紅絹

明るい、又は薄い赤。花の色を連想させる、英語のピンクやローズに相当する。 万葉の時代から,日本人の先祖はピンク系の色を紅のさめた色、退紅、褪紅あるいは薄紅(うすくれない)と呼んでいた。

薄紅(うすべに)は紅花で染めた薄い紅色。江戸時代に使われていて、平安時代には、薄色(うすいろ)、聴色(ゆるしいろ)と呼ばれた。 ただ、薄色には紫の場合と紅の場合がある。(聴色も同じく)

薄紅(うすもみ)は黄色に下染した上に紅花、または蘇芳で染めた黄味の桃色程度の色と思われる。

くれない・ひ

もみ

中紅花/中紅/紅色/紅染め

紅絹/本紅

紅花が中国から日本に渡ってきたことを伝える[呉藍(くれない)]という言葉がある。 この『藍』は呉の国の染料一般を意味しているので、呉の国渡来の染料という訳語がそのまま『くれない=紅』という色名になったという。 万葉の時代は、心に深くしみる思いや 心の内に秘めても外に表れてしまうよう感情などや、人が心移りすることなどを表したりした。

紅(くれない)は紅花で染めた黄味のある赤で、いわゆる紅染めの標準色。

紅(もみ)は鬱金などで黄色に染めた上に紅花で染め重ねた色で、緋色と同色と思われるが、色がやや薄いものと思われる。また紅染めの他に蘇芳染めのものもあった。

さくら 桜花紅

赤みのごく薄い赤紫。桜の花の色に似て、ほんのり紅みを含んだ薄い紅色。ピンク系のなかでは昔からいちばん愛好された色。この呼称は平安時代にできたといわれる。襲色目の種類も多い。

桜色の薄い色を薄桜、薄花桜などといった。

珊瑚

さんご

珊瑚珠

コーラル・ピンク

珊瑚の珠玉の色のような明るく華やかな赤橙色。
珊瑚には白、桃色、赤の三種があり、赤の濃いものは血色とも呼ばれた。一般的には、赤珊瑚の中の色票程度のの色をいう。

英語のコーラル・ピンク(Coral=サンゴ)もギリシャ語に由来する古い色名である。

ピンク pink 桃色

花の色に由来し、「石竹」や「なでしこ」を意味している。花の持つやさしさや、かわいらしさを漂わせる色で、英語では明るい、あるいは薄い赤をさす基本色名のひとつ。

日本では大正7年にその色名が大流行した。

ただし、ヨーロッパではローズの方が伝統的な色。(仏語・独語・伊語など)

風光降り言