高等学校学習指導要領からの抜粋

平成11年3月に、高等学校の新学習指導要領が告示されました。2002年度からの移行は、小中学校と同じですが、小中学校では一気に導入されるのに対して、高等学校では段階的に導入されていきます。

第1章の総則と第4章の特別活動については、採用試験に特によく出題されます。教育原理のなかで特に注意すべき範囲だと思います。

学習指導要領をお持ちでない人は、必ず購入してください。大きな書店や教育系大学の書籍部にはきっとあるでしょう。また、政府の刊行物を専門とする書店もあります。


大学生のみなさんへ

教員を目指す大学生のみなさん、学習指導要領は確実に理解しておいてくださいね。教員採用試験に頻出というだけでなく、現場の教員が何を基準に、学校での指導を進めているのかがぼんやりとは見えてくるでしょう。学校にLL教室があったり、コンピュータが導入されたりするのは、何もその学校独自の判断、つまり先生たちが「あるといいねぇ、ほしいねぇ」とつぶやいたから予算が出た、などというものでは決してないのです。体育祭や修学旅行といったものが、生徒の息抜きや楽しみのためだけにあると考えていた方は、じっくりと学習指導要領をながめてください。きっと学校の1年というものを見る目がかわってくることでしょう。

また、教育基本法、学校教育法といった法律に比べ、ほぼ10年に1度改訂される学習指導要領は、その時々の時代のニーズに応えやすいといった性格ももっています。例えば、最近の小学生は自然体験が足りないなぁ、と社会的に問題視されるようになれば、そのあたりを盛り込むこともできますね。(実際、盛り込まれています。)もちろん、改訂よりも前に、そういった取り組みをしていた小学校などがテレビなどでも取り上げられていましたが、学習指導要領に記載されることによって、日本全国の学校での取り組みが期待されるわけです。

みなさんは、インターネットを経験したことがありますか。そんな問いかけをするのは、何もからかってしているのではありません。現在、全国の学校で情報教育についての取り組みが行われています。コンピュータの導入のみならす、「2001年度中には全ての、小・中・高校がインターネットに接続できるようにする」という通達があります。私の勤めている高校もこの秋からインターネットに接続します。これらも学習指導要領などによるものなのですが、実際にそれを用いて、授業をするというのは私に関しては来年以降と考えています。試行錯誤にともなう準備期間が必要です。

みなさんの頭の中は、生徒指導や学校運営よりも、専門教科の指導のことでいっぱいでしょう。教える喜びというのは、やはり、専門の授業の中にある、と私も感じていますが、その教科・科目の指導の柱になる教科書も、この学習指導要領に沿って作製されています。(教科書の著作権ってどこにあるのか、ご存じですか?)

どうですか、ほんのちょっとかも知れませんが、学習指導要領が学校や教員の動きを大きく方向づけていることがわかっていただけましたか。


高等学校学習指導要領 抜粋

第1章 総則

第1款 教育課程編成の一般方針

キーワード 生きる力・自ら学び自ら考える力・基礎基本の定着・総合的な学習の時間

       昨今の教育現場・社会の状況から道徳教育の比重が高くなっている

1 各学校においては、法令及びこの章以下に示すところに従い、生徒の人間として調和のとれた育成を目指し、地域や学校の実態、課程や学科の特色、生徒の心身の発達段階及び特性等を十分考慮して、適切な教育課程を編成するものとする。

 学校の教育活動を進めるに当たっては、各学校において、生徒に生きる力をはぐくむことを目指し、創意工夫を生かし特色ある教育活動を展開する中で、自ら学び自ら考える力の育成を図るとともに、基礎的・基本的な内容の確実な定着を図り、個性を生かす教育の充実に努めなければならない。

2 学校における道徳教育は、生徒が自己探求と自己実現に努め国家・社会の一員としての自覚に基づき行為しうる発達段階にあることを考慮し人間としての在り方生き方に関する教育を学校の教育活動全体を通じて行うことにより、その充実を図るものとし、各教科に属する科目、特別活動及び総合的な学習の時間のそれぞれの特質に応じて適切な指導を行わなければならない。

道徳教育は、教育基本法及び学校教育法に定められた教育の根本精神に基づき、人間尊重の精神と生命に対する畏敬の念を家庭、学校、その他社会における具体的な生活の中に生かし、豊かな心をもち、個性豊かな文化の創造と民主的な社会及び国家の発展に努め、進んで平和的な国際社会に貢献し未来を拓く主体性のある日本人を育成するため、その基盤としての道徳性を養うことを目標とする。

道徳教育を進めるに当たっては、特に、道徳的実践力を高めるとともに、自律の精神や社会連帯の精神及び義務を果たし責任を重んずる態度や人権を尊重し差別のないよりよい社会を実現しようとする態度を養うための指導が適切に行われるよう配慮しなければならない。

3 学校における体育・健康に関する指導は、学校の教育活動全体を通じて適切に行うものとする。特に、体力の向上及び心身の健康の保持増進に関する指導については、「体育」及び「保健」の時間はもとより、特別活動などにおいてもそれぞれの特質に応じて適切に行うよう努めることとする。また、それらの指導を通して、家庭や地域社会との連携を図りながら、日常生活において適切な体育・健康に関する活動の実践を促し、生涯を通じて健康・安全である生活を送るための基礎が培われるよう配慮しなければならない。

4 学校においては、地域や学校の実態等に応じて、就業やボランティアにかかわる体験的な学習の指導を適切に行うようにし、勤労の尊さや創造することの喜びを体得させ、望ましい勤労観、職業観の育成や社会奉仕の精神の涵養に資するものとする。

第2款 各教科・科目及び単数等

1 卒業までに履修させる単位数等

  各学校においては、卒業までに履修させる下記2から5までに示す各教科に属する科目及びその単位数、特別活動及びそれらの授業時数並びに卒業までに行う総合的な学習の時間の授業時数及び単位数に関する事項を定めるものとする。この場合、各教科に属する科目(以下「各教科・科目」という。)及び総合的な学習の時間の単位数の計は、第3款の1、2及び3の(1)に掲げる各教科・科目の単位数並びに総合的な学習の時間の単位数を含めて74単位以上とする。

 単位については、1単位時間を50分とし、35単位時間の授業を1単位として計算することを標準とする。ただし、通信制の課程においては、第8款の定めるところによるものとする。

第3款 各教科・科目の履修等

第4款 総合的な学習の時間  

1 総合的な学習の時間においては、各学校は、地域や学校、生徒の実態に応じて、横断的・総合的な学習や生徒の興味・関心等に基づく学習など創意工夫を生かした教育活動を行うものとする。

2 総合的な学習の時間においては、次のようなねらいをもって指導を行うものとする。

 (1)自ら課題を見付け、自ら学び、自ら考え、主体的に判断し、よりよく問題を解決する資質や能力を育てること。

 (2)学び方やものの考え方を身に付け、問題の解決や探究活動に主体的、創造的に取り組む態度を育て、自己の在り方生き方を考えることができるようにすること。

3 各学校においては、上記2に示すねらいを踏まえ、地域や学校の特色、生徒の特性等に応じ、例えば、次のような学習活動などを行うものとする。

  ア 国際理解、情報、環境、福祉・健康などの横断的・総合的な課題についての学習活動

  イ 生徒が興味・関心、進路等に応じて設定した課題について、知識や技能の深化、統合化を図る学習活動

  ウ 自己の在り方生き方や進路について考察する学習活動

4 各学校における総合的な学習の時間の名称については、各学校において適切に定めるものとする。

5 総合的な学習の時間の学習活動を行うに当たっては、次の事項に配慮するものとする。

 (1)自然体験やボランティア活動、就業体験などの社会体験、観察・実験・実習、調査・研究、発表や討論、ものづくりや生産活動など体験的な学習、問題解決的な学習を積極的に取り入れること。

 (2)グループ活動や個人研究などの多様な学習形態、地域の人々の協力も得つつ全教師が一体となって指導に当たるなどの指導体制、地域の教材や学習環境の積極的な活用などについて工夫すること。

 (3)総合学科においては、総合的な学習の時間における学習活動として、原則として上記3のイに示す活動を含むこと。

6 職業教育を主とする学科においては・・・

第5款 各教科・科目、特別活動及び総合的な学習の時間の授業時数等

1 全日制の課程における各教科・科目、ホームルーム活動の授業は、年間35週行うことを標準とし、必要がある場合には、各教科・科目の授業を特定の学期または期間に行うことができる。

2 全日制の課程(単位制による課程を除く。)における週当たりの授業時数は、30単位時間を標準とする。

3 定時制の課程における授業日数の季節的配分又は週若しくは1日当たりの授業時数については、生徒の勤労状況と地域の諸事情等を考慮して、適切に定めるものとする。

4 ホームルーム活動の授業時数については、原則として、年間35単位時間以上とするものとする。

5 定時制の課程において、特別の事情がある場合には、ホームルーム活動の授業時数の一部を減ずることができる。

6 生徒会活動及び学校行事については、学校の実態に応じて、それぞれ適切な授業時数を充てるものとする。

7 総合的な学習の時間の授業時数については、学校の実態に応じて、それぞれ適切な授業時数を充てるものとする。

8 各教科・科目、特別活動及び総合的な学習の時間(以下「各教科・科目等」という。)のそれぞれの授業の1単位時間は、各学校において、各教科・科目等の授業時数を確保しつつ、生徒の実態及び各教科・科目等の特質を考慮して適切に定めるものとする。

第6款 教育課程の編成・実施に当たって配慮すべき事項

5 教育課程の実施等に当たって配慮すべき事項

(1)学校生活全体を通じて、言語に対する関心や理解を深め、言語環境を整え、生徒の言語活動が適正に行われるようにすること。

(2)学校の教育活動全体を通じて、個々の生徒の特性等の的確な把握に努め、その伸長を図ること。また、生徒が適切な各教科・科目や類型を選択し学校やホームルームでの生活によりよく適応するとともに、現在及び将来の生き方を考え行動する態度や能力を育成することができるよう、ガイダンスの機能の充実を図ること。

(3)教師と生徒の信頼関係及び生徒相互の好ましい人間関係を育てるとともに生徒理解を深め、生徒が主体的に判断、行動し積極的に自己を生かしていくことができるよう、生徒指導の充実を図ること。

(4)生徒が自己の在り方生き方を考え、主体的に進路を選択することができるよう、学校の教育活動全体を通じ、計画的、組織的な進路指導を行うこと。

(5)〜(7)省略

(8)各教科・科目等の指導に当たっては、生徒がコンピュータや情報通信ネットワークなどの情報手段を積極的に活用できるようにするための学習活動の充実に努めるとともに、視聴覚教材や教育機器などの教材・教具の適切な活用を図ること。

(9)学校図書館を計画的に利用しその機能の活用を図り、生徒の主体的、意欲的な学習活動や読書活動を充実すること。

(10)(11)省略

第7款 単位の修得及び卒業の認定

2 卒業までに修得させる単位数

  学校においては、卒業までに修得させる単位数を定め、校長は、当該単位数を修得した者で、特別活動の成果がその目標からみて満足できると認められるものについて、高等学校の全課程の修了を認定するものとする。この場合、卒業までに修得させる単位数は、74単位以上とする。なお、普通科においては、学校設定科目及び学校設定教科に関する科目に係る修得単位数は、合わせて20単位までを卒業までに修得させる単位数に含めることができる。

第8款 通信制の課程における教育課程の特例


第2章 普通教育に関する各教科

第8節 外国語

第1款 目標

 外国語を通じて、言語や文化に対する理解を深め、積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度の育成を図り、情報や相手の意向などを理解したり自分の考えなどを表現したりする実践的コミュニケーション能力を養う。

第2款 各教科

第1 オーラル・コミュニケーションⅠ

1 目標

 日常生活の身近な話題について、英語を聞いたり話したりして、情報や考えなどを理解し、伝える基礎的な能力を養うとともに、積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度を育てる。

2 内容

(1)言語活動

 生徒が情報や考えなどの受け手や送り手になるように具体的な言語の使用場面を設定して、次のようなコミュニケーション活動を行う。

ア 英語を聞いてその内容を理解するとともに、場面や目的に応じて適切に反応する。

イ 関心のあることについて相手に質問したり、相手の質問に答えたりする。

ウ 情報や考えなどを、場面や目的に応じて適切に伝える。

エ 聞いたり読んだりして得た情報や自分の考えなどをまとめ、発表する。また、発表されたものを理解する。

(2)言語活動の取り扱い

ア 指導上の配慮事項

  (1)に示すコミュニケーション活動を効果的に行うために、必要に応じて、次のような指導をするよう配慮するものとする。

(ア)リズムやイントネーションなど英語の音声的な特徴に注意しながら、発音すること。

(イ)コミュニケーション活動に必要となる基本的な文型や文法事項などを理解し、実際に活用すること。

(ウ)繰り返しを求めたり、言い換えたりするときなどに必要となる表現を活用すること。

(エ)ジェスチャーなどの非言語的手段の役割を理解し、場面や目的に応じて効果的に用いること。

第2 オーラル・コミュニケーションⅡ

1 目標

 幅広い話題について、情報や考えなどを整理して英語で発表したり、話し合ったりする能力を伸ばすとともに、積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度を育てる。

第3 英語Ⅰ

1 目標

 日常的な話題について、聞いたことや読んだことを理解し、情報や考えなどを英語で話したり書いたりして伝える基礎的な能力を養うとともに、積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度を育てる。

第4 英語Ⅱ  省略

第5 リーディング

1 目標

 英語を読んで、情報や書き手の意向などを理解する能力を更に伸ばすとともに、この能力を活用して積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度を育てる。

第6 ライティング

1 目標

 情報や考えなどを、場面や目的に応じて英語で書く能力を伸ばすとともに、この能力を活用して積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度を育てる。

第7 英語以外の外国語に関する科目  省略


第3章 専門教育に関する各教科  

第13節 英語

第1款 目標

 英語を通じて、言語や文化に対する理解を深め、積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度の育成を図り、情報や相手の意向などを理解したり自分の考えなどを表現したりする実践的コミュニケーション能力を養う。

第2款 各科目

第1 総合英語

1 目標

 情報や相手の意向などを理解し、情報や考えなどを英語で伝える能力を伸ばすとともに、英語で積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度を育てる。

2 内容

  (1)発音    (2)聞き取り   (3)書き取り  (4)対話

  (5)スピーチ  (6)読解     (7)作文

3 内容の取り扱い

(1)生徒の実態等に応じて、中学校における基礎的な学習事項を整理しそれらの習熟を図りながら、多様な場面での言語使用の経験をさせ、より豊かなコミュニケーション活動を行うようにする。

(2)聞くこと、話すこと、読むこと及び書くことについては、いずれかに偏ることなく、総合的に関連付けた活動を行うようにする。

第2 英語理解

1 目標

 英語を通して情報や相手の意向などを理解する能力を一層伸ばすとともに、この能力を活用して積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度を育てる。

第3 英語表現

1 目標

 英語で情報や考えなどを伝える能力を一層伸ばすとともに、この能力を活用して積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度を育てる。

第4 異文化理解

1 目標

 英語を通して、外国の事情や異文化について理解を深めるとともに、異なる文化をもつ人々と積極的にコミュニケーションを図るための能力や態度の基礎を養う。

第5 生活英語

1 目標

 日常生活に役立つ英語の基礎的な知識を習得し、それを活用する能力を育てる。

2 内容

  (1)掲示、説明書、簡単な手紙などの読解と作成

  (2)ワープロなどによる英文の文書作成

  (3)情報通信ネットワークなどの活用

  (4)その他の日常生活に必要な英語の知識や技能

第6 時事英語

1 目標

 新聞、放送、情報通信ネットワークなどに用いられる英語を理解するとともに、それを活用する基礎的な能力を養う。

2 内容

  (1)新聞や雑誌などの読みとり

  (2)テレビやラジオなどの放送の聞き取り

  (3)ビデオや映画などの理解

  (4)情報通信ネットワークを通じた情報の理解

第7 コンピュータ・LL演習

1 目標

 コンピュータやLLなどを利用することにより、理解力や表現力を高めながら、英語の総合的な運用能力の向上を図る。

 


第4章 特別活動

第1 目標

望ましい集団活動を通して、心身の調和のとれた発達と個性の伸長を図り、集団や社会の一員としてよりよい生活を築こうとする自主的、実践的な態度を育てるとともに、人間としての在り方生き方についての自覚を深め、自己を生かす能力を養う。

第2 内容

A ホームルーム活動

 ホームルーム活動においては、学校における生徒の基礎的な生活集団として編成したホームルームを単位として、ホームルームや学校の生活への適応を図るとともに、その充実と向上、生徒が当面する諸課題への対応及び健全な生活態度の育成に資する活動を行うこと。

(1)ホームルームや学校の生活の充実と向上に関すること。

 ホームルームや学校における生活上の諸問題の解決、ホームルーム内の組織づくりと自主的な活動、学校における多様な集団の生活の向上など

(2)個人及び社会の一員としての在り方生き方、健康や安全に関すること。

ア 青年期の悩みや課題とその解決、自己及び他者の個性の理解と尊重、社会生活における役割の自覚と自己責任、男女相互の理解と協力、コミュニケーション能力の育成と人間関係の確立、ボランティア活動の意義の理解、国際理解と国際交流など

イ 心身の健康と健全な生活態度や習慣の確立、生命の尊重と安全な生活態度や習慣の確立など

(3) 学業生活の充実、将来の生き方と進路の適切な選択決定に関すること。

 学ぶことの意義の理解、主体的な学習態度の確立と学校図書館の利用、教科・科目の適切な選択、進路適性の理解と進路情報の活用、望ましい職業観・勤労観の確立、主体的な進路の選択決定と将来設計など

B 生徒会活動

生徒会活動においては、学校の全生徒をもって組織する生徒会において、学校生活の充実や改善向上を図る活動、生徒の諸活動についての連絡調整に関する活動、学校行事への協力に関する活動、ボランティア活動などを行うこと。

C 学校行事

学校行事においては、全校若しくは学年又はそれらに準ずる集団を単位として、学校生活に秩序と変化を与え、集団への所属感を深め、学校生活の充実と発展に資する体験的な活動を行うこと。

(1)儀式的行事

 学校生活に有意義な変化や折り目を付け、厳粛で清新な気分を味わい、新しい生活の展開への動機付けとなるような活動を行うこと。

(2)学芸的行事

 平素の学習活動の成果を総合的に生かし、その向上の意欲を一層高めるような活動を行うこと。

(3)健康安全・体育的行事

 心身の健全な発達や健康の保持増進などについての理解を深め、安全な行動や規律ある集団行動の体得、運動に親しむ態度の育成、責任感や連帯感の涵養、体力の向上などに資するような活動を行うこと。

(4)旅行・集団宿泊的行事

 平素と異なる生活環境にあって、見聞を広め、自然や文化などに親しむとともに、集団生活の在り方や公衆道徳などについての望ましい体験を積むことができるような活動を行うこと。

(5)勤労生産・奉仕的行事

 勤労の尊さや創造することの喜びを体得し、職業観の形成や進路の選択決定などに資する体験が得られるようにするとともに、ボランティア活動など社会奉仕の精神を養う体験が得られるような活動を行うこと。

第3 指導計画の作成と内容の取り扱い

1 指導計画の作成に当たっては、次の事項に配慮するものとする。

(1)学校の創意工夫を生かすとともに、学校の実態や生徒の発達段階及び特性等を考慮し、教師の適切な指導の下に、生徒による自主的、実践的な活動が助長されるようにすること。その際、ボランティア活動や、就業体験など勤労にかかわる体験的な活動の機会をできるだけ取り入れるとともに、家庭や地域の人々との連携、社会教育施設等の活用などを工夫すること。

(2)省略

(3)省略

(4)人間としての在り方生き方の指導がホームルーム活動を中心として、特別活動の全体を通じて行われるようにすること。その際、他の教科、特に公民科との関連を図ること。

2 内容の取り扱いについては、次の事項に配慮するものとする。

(1)ホームルーム活動については、学校や生徒の実態に応じて取り上げる指導内容の重点化を図るようにすること。また、個々の生徒についての理解を深め、信頼関係を基礎に指導を行うとともに、指導内容の特質に応じて、教師の適切な指導の下に、生徒の自発的、自治的な活動が助長されるようにすること。

(2)省略

(3)学校行事については、学校や地域及び生徒の実態に応じて、各種類ごとに、行事及びその内容を重点化するとともに、行事間の関連や統合を図るなど精選して実施すること。また、実施に当たっては、幼児、高齢者、障害のある人々などとの触れ合い、自然体験や社会体験などを充実するよう工夫すること。

(4)省略

3 入学式や卒業式などにおいては、その意義を踏まえ、国旗を掲揚するとともに、国家を斉唱するよう指導するものとする。

4 ホームルーム活動については、主としてホームルームごとにホームルーム担任の教師が指導することを原則とし、活動の内容によっては他の教師などの協力を得ることとする。

 

学習指導要領の解説本なんかも、書店で購入できます。

分厚い本ですが、重要と思われるところだけ

重点的に学習するとよいでしょう。

 


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