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古井 由吉
Yoshikichi Hurui(1937.11.19〜)
 東京都荏原区(現・品川区)に生まれ、東大にて独文学を学び、
修士の学位を取得後、1962年、金沢大助手ドイツ語教官となり、
小鳥屋橋筋(旧並木町裏通り)に下宿しながら三年間を金沢市で過ごす。
 小論、翻訳等を執筆したのち、精力的な創作活動を続けている。

『杳子(ようこ)』(1970)第64回芥川賞を受賞。
2
February

2...

Twin
Towers


1111

その数字を
見ていると、
それは、
まるで、

Twin
Towers
★『羊をめぐる冒険』?本の坩堝さ。 きみの眼、
きみの手、
きみの乳房・・・・・・
きみはひとりの
ふた子だ。


from.
「二つのもの 作家の生活」
詩人瀧口修造(1903〜1979)が
画家ホアン・ミロのために書いた
『手作り諺(ことわざ)』より。
瀧口修造の1966年
6月、ビートルズ東京公演。
8月、第1回千円札裁判公判
(東京地裁)で意見陳述する。
9月28日アンドレ・ブルトン没。
同月、展覧会のため来日した
ホアン・ミロと初めて会う。

1986年に作曲家の武満徹が、
新曲『ジェモー(ふたご座)』を
初演する直前の講演で朗読。
古今亭志ん朝
2001年10月1日
(月曜日)
午前10時50分に、
肝臓で死す。
享年63歳。
バイバイ師匠。
←この接点の
まったく
なさそーな
二人の巨人
ツイン・タワーズ→
★おお古井由吉!Yoshikichi Hurui(1937.11.19〜)★本の坩堝。 古井 由吉
Yoshikichi
Hurui
(1937.11.19〜)
小説家
パラパラ・・・『杳子・妻隠』古井由吉(新潮社)
★NY戦争を語る。 2001年。NY911の衝撃がまだ生々しい10月1日に古今亭志ん朝が死んだ。
その直後に日本経済新聞紙上にて古井由吉が「志ん朝とは同じ高校の同級生であった」ことを
声をひそめたかのようなエッセイでカミングアウトしていた。
高校1年生のある日、昼休みに隣の4組の美濃部君が、いきなり当時流行の「You Belong To Me 」を歌いにきた。
それが後の、古今亭志ん朝なのだ。なんでも「この学校で本格的にドイツ語を学んだのは
志ん朝師匠のほうであり、ドイツ文学の影響が濃くて難解な作家との評判を取る私のほうは、第二外国語として、かじった程度であった」そうだ。
10年も前から朗読会を主催していた古井は、2001年からは酒場にて落語を朗読しているらしい。
観念的かつ難解な文体として知られている古井が、落語の朗読に興味を持っていることに多くの読者は驚いたことであろう。
しかし、そこに同級生、志ん朝の影をみることは両者のファンである私にとっては魅力的な空想なのよん。

John & Yoko★Give Peace A Chance ! 古井はニューヨークのツインタワーの北棟が完成した1970年に小説「杳子」と「妻隠」を発表している。
「杳子」は翌年、芥川賞を受賞し今でも彼の代表作として毎度あげられる。
 「杳子」は「ヨーコ」と読む。1970年のヨーコと言えば、オノ・ヨーコ
単行本の表紙は腰を超えるストレート・ヘアーの女性のイラスト。なおさら、オノ・ヨーコを思い出させる。
もっとも、ハリウッド版『ザ・リング』も目出度く大ヒットした今日、このオドロオドロシイ絵は貞子を連想させるね(笑)。
それにしても、全国の教室で貞子さんはイジメにあっていないだろーか・と、オジサンは心配なのである。

 さて、「杳子」のストーリーは神経を病んでいる女子大生の杳子と、その恋人Sの物語。
二人はデパートで買い物をしたり、海に行ったり、ラブホでエッチをしたりと、やっていることはフツーの学生カップル。
ところが神経を病んでいる杳子は、デパートで強迫観念に駆られたり、海で風景が急に違って見えたり、
エッチの感覚がぶっ飛んでいたりと、ぜんぜんフツーじゃあない。
 物語は起伏もなく、作者が二人を色んな環境に置くことにより、体験することを卓越した文章力で記録してゆく。
時には杳子のあまりに突拍子もない行動にホラーを通り抜けて笑っちゃうケースもある。そんな時に作者の落語好きを思い出すのは失礼かな?

 この小説の出だしは登山の途中の「深い谷底」で二人が出会うシーン。
この不思議な空気感覚を文体化しているここの部分は日本文学史に永遠に残る名文だ。
たとえば杳子が自分の不安を説明するのに、「ひとつひとつの岩が垂直の方向ばかり強くて、どぎつくて、水平の方向がとても弱くて、
頼りなくなってしまった」と言う。そして、作者の特殊性は、この一般世間とは明らかに違和感のある(=気が狂っている)感覚を指摘せずに、
ストイックに静物画を描くかのように描写してゆくのである。その描写たるもの、まるでスローモーションかビデオのコマ送りのように、
微に入り細に入りで、丸い部屋をデジタル仕様で四角く掃くよーな感じなのだよ。凄い。

 そんな作者の描写を手伝うのが、恋人Sの感覚だ。杳子の異常さは恋人Sの視線で描写されてゆくワケなんだけど、だんだんと読んでゆくと、
杳子の行動に過敏するほど反応してゆく恋人Sの批評眼の不気味さを私は感じてしまった。つまり、杳子が病んでいるのではなくて、
個性的な杳子の行動を過剰なる言葉で説明してゆく恋人Sのほうが病んでいるのではないのか?ってネ。

たとえば、私はこんな空想もしてしまう。
史上初の精神科医がフロイトであった、と。そして同時に、史上初の精神病患者もフロイトであったのではないのか?と。
つまり、「精神医学」が無ければ、「精神病」も存在しなかったのではないのか?
♪フロイトから逃げ惑う/Freud ●ジークムント・フロイト
(1856〜1939)/
オーストリアの神経病学者。
精神分析の創始者。
★クリックすると、♪脳味噌に行けるわっ♪あん♪アン♪Sigmund Freud★独語&英語


 そして私のその不安は、物語の後半に登場する杳子の姉の存在によって、さらに複雑なものにされてゆく。
★これも、ツイン・タワーズ!古井由吉&島田雅彦!本の坩堝さ。杳子と同居している姉も以前は神経を病んでいたが、今ではフツーの主婦として生活している。
姉が正常に戻ったのと入れ替わるかのように杳子が病み出したというのだ。
 それでも、それまではほとんど登場人物は二人だけであったところに、姉という第三者を介入させることにより、
小説内の秩序が急に組換えさせられてゆく。勢いの付いた文体が目指すのは、
杳子を精神病院に入れることというあまりにも現実的すぎる結論であるのについては、
私は少し不満であるが、杳子が姉がまだ「正常」に戻っていないと説明するシーンの凄さなどは、
病院という現実を配置することによって生まれる物語の緊張感なのであろう。

 この物語は1977年、山口小夜子を主演にして映画化された。今、映画にするのであれば、監督は黒澤清か。
杳子とその姉は、石田ゆり子(1969年生まれ)&ひかり(1972年生まれ)姉妹のビミョーな狂気がいいかもしれない。
問題は杳子の恋人S役である。これは難しい。むしろ、狂っているダケの役の方が簡単なのだから。
 神経を病んでいる恋人を描写する神経を持った若い男優なんて、今、いるんだろーか?

★日付をクリックすると、♪好きな時代に行けるわっ♪あん♪アン♪朝に思ふ 本を片手に 『杳子・妻隠』(古井由吉)を読みながら毎朝、電車でこの本を読む日々を記録した、不思議な文体の日記的感想文。
IconYou Belong To Me
written by Pee Wee King, Redd Stewart & Chilton Price
原曲;ジョー・スタッフォード、パティ・ペイジ(1952年)
訳詩;久保AB-ST元宏
Recorded by Bob Dylan for Oliver Stone's Natural Born Killers.


C Em
See the pyramids along the Nile
ナイル川に沿ってピラミッドを見たり、
F C
Watch the sunrise from a tropic isle
南国の島で日の出を見たりする
F Fm C Am
Just remember, darling all the while
忘れないで、貴方、そんな時でもずっと、
Dm' G7sus4
You belong to me
わたしは貴方に溶け込んでいるのよ



C Em
See the marketplace in old Algiers
古いアルジェの市場を観光で見て回ったり
F C
Send me photographs and souvenirs
メールに写真を添付したり、お土産を私に送ったり、楽しそうだけど
F Fm C /b Am
Just remember when a dream appears
いつか夢がかなうことを、いつまでも忘れないで
Dm' G7sus4 C
You belong to me
わたしは貴方の一部分として溶け込んでいるのよ



C C7 F
I'll be so alone without you
貴方がいなければ、私はとてもさびしいの
D7 G
Maybe you'll be lonesome too
きっと、貴方もラクダの上でさびしいんでしょう
Csus4
And blue
きっとブルー、二人ならブルーズ


Fly the ocean in a silver plane
See the jungle when it's wet with rain
Just remember 'til you're home again
You belong to me
[instrumental verse, as intro]
I'll be so alone without you
Maybe you'll be lonesome too
And blue

Fly the ocean in a silver plane
See the jungle when it's wet with rain
Just remember 'til you're home again
You belong to me
Icon映画『ナチュラル・ボーン・キラーズ
NATURAL BORN KILLERS 119分 1994年 アメリカ
監督■オリヴァー・ストーン
原案■クエンティン・タランティーノ
脚本■デヴィッド・ヴェロズ/リチャード・ルトースキー/オリヴァー・ストーン
音楽■トレント・レズナー
出演■ウディ・ハレルソン/ジュリエット・ルイス/ロバート・ダウニー・Jr/
トミー・リー・ジョーンズ/トム・サイズモア/ロドニー・デンジャーフィールド/

新作『キル・ビル』で話題の、
鬼才クエンティン・タランティーノが本を書き、企画をしたのだからスゴイ。
しかも、映画監督はロック伝記映画『ドアーズ』のオリヴァー・ストーン監督!

<ストーリー>
ともに不幸な子供時代を過ごし、
トラウマを抱えるミッキー(ウッディ・ハレルソン)と
マロリー(ジュリエット・ルイス)は運命的に出会う。
互いに血の誓いをし、結婚。
運命共同体の二人はルート666を走りながら、殺戮を繰り返すが、
そんな中メディアによって彼らはヒーローとヒロインに祭り上げられる・・・。

そして、音楽は、ナインインチ・ネイルズのトレント・レズナー
さらに、サントラには、こんなスゴイ、面々も!
4曲目 「Rock'N' Roll Nigger」 Patti Smith
5曲目 「Sweet Jane」 Cowboy Junkies
←●6曲目 「You Belong To Me」 Bob Dylan
7曲目 「The Trembler -」 Duane Eddy
8曲目 「Burn」 Nine Inch Nails
「レディス・エンド・ジェントルメンエンおとっつあん、おっかさん」
★神社で遊んでりゃイイんだよ♪〜PANTAトニー谷特集(DJ大瀧詠一マイセレクション1987.8.26)
トニー谷(1917.10.141987.7.16)さんでお送りいたしましたー。
「レディス・エンド・ジェントルメンエンおとっつあん、おっかさん」
でございました。
えー、実にパチンコカントリーでありますところの日本が産んだ
ザ・メイドイン・ジャパンと。いうカンジが致します。

えー、この曲「ユー・ビロング・トゥー・ミー」というのは、
向こうの曲でして、
オリジナルの歌詞は、
出だしが「She 's a piramid along The Nile」というのがありまして、
例えば
「ナイルのピラミッドをみても、ドコにいても、私のことを思いだしてね。
私はあなたのモノよ」というのが原曲の意味です。

で、原曲の出だしチョット聴いてみましょう
(「You Belong To Me」が女性ボーカルでかかる”シーザピラミド〜♪)

えー、”シーザピラミッド”が出てきましたけれどもね。
そこで、トニー谷さんはどういう風に歌うかというと
しーーざまくらで寝よう」という風に歌うんです。聴いてください。

「シーざま〜くらで寝よう♪」

これがこういう風に説明をしないと非常に分かりにくい。
オリジナルのエー外国曲を知っていないと、
このシャレはわからないというのと、
それから一番最初に、「”シマ”があったら来て」という番組の頭で
下町育ちで「し」と「ひ」の区別が付かない、という話をしましたけれども、
そういう話になってるのでありまして、最初と最後はコレで結びついた。




ナチュラル・ボーン・キラーズ
NATURAL BORN KILLERS 119分 1994年 アメリカ
監督■オリヴァー・ストーン
製作■ジェーン・ハムシャー/ドン・マーフィ/クレイトン・タウンゼント
原案■クエンティン・タランティーノ
脚本■デヴィッド・ヴェロズ/リチャード・ルトースキー/オリヴァー・ストーン
撮影■ロバート・リチャードソン
音楽■トレント・レズナー
出演■ウディ・ハレルソン/ジュリエット・ルイス/ロバート・ダウニー・Jr/トミー・リー・ジョーンズ/トム・サイズモア/ロドニー・デンジャーフィールド/エド・マックラーグ/レイチェル・ティコティン
Natural Born Killers ナチュラル・ボーン・キラーズ 
   
 (1994年アメリカ作品)オリバー・ストーン監督作品。クエンティン・タランティーノが本を書きました。 
それぞれに不幸な子供時代を過ごし、トラウマを抱えるミッキー(ウッディ・ハレルソン)とマロリー(ジュリエット・ルイス)は、運命的な出会いをする。
互いに血の誓いをし、結婚する。
運命共同体の二人はルート666を走りながら、殺戮を繰り返すが、そんな中メディアによって彼らはヒーローとヒロインに祭り上げられる・・・。 
 
track No. title artist 
1 Waiting For The Miracle Leonard Cohen 
2 Shitlist L7 
3 Moon Over Greene County Dan Zanes 
4 Rock'N' Roll Nigger Patti Smith 
5 Sweet Jane Cowboy Junkies 
6 You Belong To Me Bob Dylan 
7 The Trembler - Duane Eddy 
8 Burn  Nine Inch Nails 
9 Route 666  Robert Downey, Jr./Brian Berdan 
10 Totally Hot   
11 Back In Baby's Arms Patsy Cline 
12 Taboo Peter Gabriel/Nusrat Fateh Ali Khan 
13 Sex Is Violent  
14 History (Repeats Itself)  A.O.S.  
15 Something I Can Never Have  Nine Inch Nails 
16 I Will Take You Home  Russel Means 
17 Drums A Go-Go  Hollywood Persuaders 
18 Hungry Ants  
19 The Day The Niggaz Took Over  Dr. Dre  
20 Born Bad  Juliette Lewis 
21 Fall Of The Rebel Angels  Sergio Cervetti  
22 Forkboy Lard  
23 Batonga In Batongaville   
24 A Warm Place  Nine Inch Nails 
25 Allah, Mohammed, Char, Yaar  
26 The Future  Leonard Cohen  
27 What Would U Do?  Tha Dogg Pound  


「すばる文学カフェ」●★『羊をめぐる冒険』?本の坩堝さ。古井由吉氏 vs 島田雅彦氏
★『羊をめぐる冒険』?本の坩堝さ。朝に思ふ 本を片手に 『杳子・妻隠』(古井由吉)を読みながら

杳子
製作=ゾディアック・コーポレーション 
1977.10.22 科学技術会館サイエンスホール
80分 カラー 16ミリ
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製作 ................  日比野幸子 村上賢治
監督 ................  伴睦人
助監督 ................  林千樹 菊地善幸
脚本 ................  伴睦人
原作 ................  古井由吉
撮影 ................  渡部眞 栗田豊通 東条利治 吉田清継 篠田昇
音楽 ................  畑野享
音構成 ................  菊地進平 伴睦人
録音 ................  菊地進平 浦田知治
効果 ................  大野義伸
編集 ................  阿部啓一
ネガ編集 ................  前田伸子
タイトル ................  司修
配役    
杳子 ................  山口小夜子
杳子の妹 ................  石原初音
S ................  後藤和夫
杳子の恋人 ................  真家宏満





古井由吉(ふるい・よしきち)
1977年
「女人」《プレイボーイ 1977年5月号》
1982年
「F.Fさま」《ショートショートランド 1982年冬号》
2000年
「初時雨」《群像 2000年2月号》(連作8)
「年末」《群像 2000年3月号》(連作9)
「火の手」《群像 2000年4月号》(連作10)
「知らぬ唄」《群像 2000年6月号》(連作11)
「聖耳」《群像 2000年7月号》(連作完結)
2001年
「八人目の老人」《新潮 2001年1月号》(連作1)
「槌の音」《新潮 2001年2月号》(連作2)
「白湯」《新潮 2001年3月号》(連作3)
「巫女さん」《新潮 2001年4月号》(連作4)
「枯れし林に」《新潮 2001年5月号》
「春の日」《新潮 2001年6月号》(連作6)
「或る朝」《新潮 2001年7月号》(連載7)
「天躁」《新潮 2001年9月号》(連作8)
「峯の嵐か」《新潮 2001年10月号》(連作9)
「この日警報を聞かず」《新潮 2001年11月号》(連作10)
「坂の子」《新潮 2001年12月号》(連作11)
2002年
「忿翁」《新潮 2002年1月号》(連作完結)
「青い眼薬 第一回」《群像 2002年6月号》
「青い眼薬 第二回」《群像 2002年7月号》
「青い眼薬 第三回」《群像 2002年8月号》
「青い眼薬 第四回」《群像 2002年9月号》
「青い眼薬 第五回」《群像 2002年10月号》

Makes Ms.minkichi feel you're going nowhere♪
Baby can dance♪ Baby can dance♪ Baby can walk around the town♪
>何はともあれ、夏休みじゃ〜。

■私の好きな小説家の古井由吉が毎週日曜日に日本経済新聞に連載している「東京の声 東京の音」は、回によって、いい文章の時と、がくっ☆の時があるケド、2003年7月27日の回はサスガの名文だったなぁ。
出だしはこんな感じだったよ。

★おお古井由吉!Yoshikichi Hurui(1937.11.19〜)★本の坩堝。 蝉の声の、まだジージーと稚(いとけな)いのが聞こえて来ると、夏休みになる。夏になればなにかいままでできなかったことをやれそうな気がするのは、生徒の頃からの習性である。かなりの高年までこの習性は持ち越されるようだ。結局は大したこともできずにいるうちに夏も終わることになるのは、子供の時と同様なのだが。


>しっかり呑んで遊んで、来るべき収穫の時に備えてくださいね♪