追悼 門馬よ宇子さん text by 久保AB-ST元宏 (2007年6月20日 2:18Am)
■魅力的なギャラリーのオーナーであり、
芸術を愛する全ての者のやさしい母親であり、 そして、なによりも追及を止めない前衛芸術家の、門馬よ宇子さんが亡くなられた。 ■私がそれを知ったのは今から30分ほど前、札幌のアーティスト、渋谷俊彦さんの文章からだった。
■今年の春、私が門馬ギャラリー『本田征爾 展』にお邪魔した時、本田君から体調が悪いということは聞いていた。
しかし、その1年前には、こんなに元気だったのだ。 写真をクリックしてほしい。 ↓ ■上記の文章をホーム・ページにUPした時、門馬さんから私の自宅に電話がありました。 実は、いくつかの文章を直して欲しいということを言われました。 私の冗談のような文章に真剣に「添削」を試みる姿に、なんだか、エリを正した記憶があります。 門馬さんの「添削」の希望は、上記の『FIX・MIX・MAX!』展について、 自分が立派に見えるような書き方は自分の性格にそぐわないので文章の表現方法を変えてくれ、というコトでした。 彼女の作品は、かなりアグレッシヴなのですが、そこからは想像できない、そのあまりにも謙虚な思考に私は驚きました。 私がホーム・ページの文章を修正しながら、数回、そのチェックの電話をいただきました。 おそらく、門馬さんが札幌から沼田町へ電話するなんていうのも、この時ぐらいでしたことでしょう。 ■北海道大学で建築を教えていた教授が門馬さんの夫でした。その夫を先に亡くし、夫が設計した新鮮なデザインの家に一人で住んでいたと記憶しています。 その自宅とギャラリーが併設されている、それ自体が素晴らしい作品である自宅はこれで無人になるのでしょうか。 ■今となっては晩年となってしまった門馬さんの最後の数年に、私が交えたことを感謝いたします。
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And Mr.金星人 lived in an alley under the red sky♪ text by 久保AB-ST元宏 (2007年) >沈着冷静にして大胆奇抜な批評 ↑ ■作品を買うこともできない貧乏ヤミ米屋からは、せめて真摯な言葉の贈り物♪みたいな? で、どーなんでしょ、私のシロート感想文? >変則的な場所 ↑ ■うんにゃ。 変則であれば&あるほど、君も私も、あそこに居た人種なら悦び♪でございます。 ■私は最初、ガキを気にして、中二階の奥に設置されたステージから、はるかにL字型に遠い、リヴィングの低い部分で、音だけをじっと立って聴いていたんですが、 すると、ちょい&ちょい♪と、私を手招くご婦人が・・・。 その品があり、それでいて、少女のような茶目っ気がある(「顔」もそーですが、この場合は、より)「表情」に見覚えがありました。 で、私はその静かながら、草原の上を駆け抜けてゆく風の強さをもったユーモアを含んだ笑顔に、無抵抗になってしまいました。 それからの私は、目隠しをさせられ、ゆっくりと、ひんやりしたコンクリートの階段を130段降りてゆきました。 だん&だん、降りてゆくうちに、磯の香りがツンとし始め、湿り気が自分のわきの下に届いてくるのを感じました。 そこで私は、ゆっくりと高瀬舟に乗せられました。 目隠しをしたままに乗る小船は、目隠しのサイズと同じ広さの恐怖を私にそっと届けてくれたのですが、私はその恐怖がまったく怖くは無く、むしろ、この恐怖はずっと昔から私が待っていたもののような気がしたのです。 そして、私は変則的な場所から、にゅるりと空間をまたぎ、あの門馬邸の玄関にまで連れ出されていたのです。 そこからは、ウッド・ベースだけはヘッドだけがゆら&ゆら出入りするだけで見えにくいものの、かさいあつし選手の細いシルエットにチャップマン・スティックが斜めに突き刺った姿と、ルミ嬢の猫背が観えました! なによりも、ステージの奥の壁の直角の隅に当てられたマッキントッシュの脳味噌を通過したライト・ショーが、まるっと観えました♪ それが、あの写真だったわけです。 ■それにしても、あの私を手招きしたご婦人は誰だったのでしょう。 きっと、私にはそれが誰であったかは分かっているのです。 あの見覚えのある「表情」は、ここ、門馬ギャラリーの亡くなった女主人、門馬よ宇子さんのものだからです。 もちろん、門馬よ宇子さんはもう死んでしまいました。 ですから、「普通」に考えると、私を音楽の広場まで誘い出したのは、門馬さんのお嬢さんなのでしょう。 しかし、私が観たのは間違いなく、門馬よ宇子さんの「表情」でしたから、私は門馬よ宇子さんと再会できたのです。 最初、私は、(たぶん)門馬さんのお嬢さんであられる方に、 1.音楽が「観える」場所を教えてくれた。 2.亡くなった貴女の母にお世話になったことの報告と、お礼。 を、伝えようと思いました。 でも、「表情」が本人なのですから、「本人」に「本人」のことを伝えるのはねじれていると思い、やめちまいました。 これは「普通」の考えではなく、「変則的」な考えです。 なぜならば、私は変則的な場所を歩いてしまったのですから。 >残すところ半分強 ↑ ■ですから、金星人画伯さん、貴方から、上記の私からの「報告と、お礼」を、(たぶん)門馬さんのお嬢さんであられる方に、残すところ半分強の会期中に、お伝えください。 >会場でこっそりとZNR ↑ ■ロックは、バリカードを目指す! |
質・表現で急速に拡張する現代 アート。 動向を全国的・世界的に活躍する 作家たちを通し、ライブ感覚で検証。 2006年 11月10日(金)〜19日(日) 9:30Am〜5Pm *休館日11月13日(月)
北海道立近代美術館札幌市中央区北1条西17丁目
一般\500円 高大生\300円 小中生 無料ギャラリー門馬ANNEX 札幌市中央区旭ヶ丘2丁目3-38
入場無料 |