世界貿易センター崩壊と世界のニューヨーク その8 二日目〜その頃我々は〜 |
最終更新日 2002/11/12 |
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世間は今世紀最初の大事件にほどほどに騒いでいるのだが(特に現場から遠いところほど)、個人的には借り物のニコンの一眼レフカメラが動かない方があせってます。 それでええんか、といわれそうですが、そうなんだから仕方ありません。人の意志なんてそんなに世の中の都合通りに働かせれません。 このカメラ、「借り物だからしかたないやん」とは思いながらも使ってもいないのに動かないというのは実にシャクにさわります。 で、どーも動かないので電池がないのかと疑ってカメラ屋を回ってついに見つけた2CR5(※1)だが、現金の持ち合わせよりも高いお値段を提示されたので初のクレジットカード精算する。いやードキドキ。 このときは買い物らしい買い物を全然していない上にカード初体験なので物価にピンと来ずに$38.43で納得していましたが、日本に帰ってきてレシート見て円換算して驚愕しました。4600円もかかってるではないですか!(日本での定価1800円、普通は1200円だせば買える) こんなバカな話があるか!いくらアメリカでは電池が高いといえど定価の2.5倍はやりすぎだろ。・・・・調べると$10程度で買えるのに・・・消費税が高いってのもあるだろうが、ぼられた・・・奴らは非常時でも平然とヤルな。 いつもは予備電池持っていくのですが、借り物なので持っていかなかったのがあだになりました。あと、勢いで買ってしまったのはそれまで何件も立ち寄り一件も打っていなかったからです。 しかもショックだったのがカメラが動かない原因は電池じゃなかったことです。何か、スイッチとは違うんだけど、安全装置みたいなのがあるのね。ニコンなんて嫌いだー!(我が家はキャノン派※3)やはり一眼レフはEOS(※4)だい。EOSに限らせてくれ(泣)。 なボケた事をしながら周りを見ると、世間は銀行か公衆電話かテレビのある店、スーパーに集まっているようです(非常時だから当然ですが)。Yuriが公衆電話を使おうとするも並んでいるというのもあるけど、なかなか使えるものが少ないというのが困りものです(※5)。 やっとこさ宿の近所に来たのでスーパーへ買いだめに行きます。さすがに人が多いです。歴史の教科書に載るぐらいの光景にも似てますが、まだましかな、というレベルです。戦争・テロへの恐怖というのでしょうか、それよりも今までの平穏な生活が出来なくなる事への不安でしょうか、多くの人が買いだめを行っていました。我々も幸いキッチン付きのコンドミニアム(※6)なので3日分の食料を買いだめすることにします。なぜ3日分なのかは不明ですが(汗) 一応非常事態といえる状況なので必要なものだけ買うことにします。水、フランスパン(長持ちするから)、牛乳、シリアル、チーズ、パスタ、メロン等々・・・・でもメロンはいらんだろとか思いながらもでかいカートに品物が入っていきます。ガス停まったらパスタなんて出来ないので、パンとシリアルさえあればいいでしょ、ということですが、そのわりにはパスタが多いという所を見ると「こんな所まで来て夕食にパンとか喰っとれるか」かという思いがあるのでしょう。「甘いな〜」とは思いますけど、そう考えるのが普通かもしれません。 一番問題だったのは塩とこしょう。プチサイズなんてしゃれたモンが売っている国ではないのです、ここは。 そんなスーパーの状況ですが、他の人は生活しているだけに乱心恐々とまではいかないまでもバーゲン程度に品物を買いあさっております。売れ筋はお水です。虫歯対策でフッ素がぶち込んであるアメリカの水道(※7)で料理が出来ないと言う人もいるのでしょう。いつもは小買いしていても(たぶんしてないだろうが)、スーパーが閉まったら困るので買いだめ、という感じです。なんかスーパーは戒厳令が出てるから5時営業までとかだからというのもあったみたいですが。 やはりパンの売れ行きも好調です。日本では米が売れそうですが、水がないととても食べられないものなのでこういうときに必要になるとは思えません(サトウのご飯ならわかりませんが)。製品化されたパンと原料である米との違いでしょうが、これはきれいな水が大量にある(正確にはあった)日本・アジアならではと言えるのでしょう。たぶんね。 日本人らしき男の人が使い捨てカメラでこの様子を撮っていたので「モラルねーなー」と思ってたけど、こうやって旅日記に使いたいと思ったときは大後悔時代です(寒)。ちなみに世界貿易センターが炎上しているときも、明らかに飛び降りている人がいそうだったり、それを見て泣いている人も想像できたので写真一枚しか撮ってなかったのですが、それも大後悔時代です。世の中の事件写真なんてこんなものばかりですが、私は後悔の航海に出ていました・・・人間、これでいいのさ(笑) 買い物をしたら宿に帰る。状況を確認するためにテレビを付けてみると、ツインタワーが崩壊する映像が流れている。あらまぁ、やっぱり完全に崩壊してしまったのか。あの時おばさんが引き返した方が言ってくれたお陰で見ずに済んだわけですが・・・・・見たかったような気もします、ハイ。まぁ爆煙が来るような所まではいけなかったでしょうが。見てたら人によってはトラウマ抱えていたと思いますが。 ひとまず日本に連絡しておこう、ということで電話をします。向こうは深夜を過ぎていたのですが、ひょっとしたらニュース見て心配しているかもしれないので当然でしょう。 |
※1:カメラ用リチウム電池の名前。ニコン製品はほとんどこれを使うみたい。カメラ用電池には他にCR2、CR−P2、CR132Aなどがある。 ※2:行くんです、半年後。 ※3:一眼レフカメラと言えば、大体キャノンとニコン派でわかれるらしい。ミノルタは? ※4:キャノンの一眼レフEOSシリーズのこと。それまでのキャノンの一眼レフのレンズが使えない。余談ですがフラッグシップモデルのEOS-1は湾岸戦争の砂の中で唯一故障しなかったカメラらしい。さらに余談だが同時期にEOSという地球観測衛星が・・・ ※5:かなり雑に扱ったりするのもあるのですが、中のお金を盗もうとして壊すことも多いようです。盗まれてしまっているのも結構みます。 ※6:日本語でのコンドミニアムは別荘みたいな感覚ですが、本来はマンションのことをいいます。ここでは前者として使ってます。 ※7:普通はそのまま飲まないらしい。ただし私は平気で飲んでいた。Rieさんに「死ぬよ」と言われたが、聞く耳持たず。いつか私は無計画さで死ぬかもしれません。 |
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《参考》今回使用したお金($1=120円で計算) カメラ電池:$38.43(4611円!) スーパーで買い物:一人$16(1920円)ぐらい? |
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