世界貿易センター崩壊と世界のニューヨーク その12

     五日目〜雨とタダのメトロポリタン〜
最終更新日
2003/9/24
 今日は、明日行くはずだったメトロポリタン美術館(※1)に行く事になる。なぜなったかというと、天気が悪く、雨が降っているからである。天気の悪い日に無理して街をぶらついても仕方がないという賢明な判断だ。

 朝の内に、ネットにつながった事を教えて、みんなメールチェックしたりする。しかし、受話器外して外線番号を押してダイヤルアップ接続するというのは実に面倒だな。仕方ないとは思うのだが。電話機にモジュラーがさせるだけ良しとするか。

 そんなわけで、メトロポリタン美術館へ行くわけだが、Yuriは気分がすぐれないので行かない、ということだったので、暇つぶし用にネットの繋げ方を教えて、宿を出る。


 メトロポリタン美術館(以下メトロポリタン)は、セントラルパークの向こう側になるが、宿からそう遠いわけではなく、歩いても行く事が出来る距離である。が、雨も降っているということでセントラルパーク突き抜けても大して面白くもなく、濡れるのでバスに乗る事に。バスでもメトロカードが使えるため気楽に乗れる、というのもあるしね。



 バスなので遠回りしてメトロポリタンに着く。おお、デケー。神殿スタイルだが、こんなにでかいとは思わなかったよ。
 これは・・・・世界三大美術館(※2)と言われているだけあるな。デカすぎる。まぁ故宮(※3)みたいなだだっ広さ、と言う感じではないが、博物館専用の作りとしてはかなり大きい物と勝手に推測する。

※1:所蔵数およそ330万点を誇る世界最大級の博物館。英語名がMetropolitan Museum of Art だから美術館というようだが、展示物を見ると美術品?と言うようなものもあるので博物館のような感じもする。通称MET。












※2:ルーブル美術館、大英博物館、メトロポリタン美術館を言うようだが、エルミタージュ美術館とプラド美術館が入る場合もあって、世界三大美術館には五つある(笑)という話も。他にも世界四大とか色々と・・・他人の評価は無視しましょうってことかね。

※3:中国は北京にある故宮博物院に行った事がある為。所蔵数と(城なので)広さはあるが、珍しい物などは戦争時に台湾の故宮博物院に持って行かれてしまった。中国旅日記その28参照
下の方に見える斜め線は手すり

 入口に入るとロビーがあり、ここで受付を済ませる。
 受付を済ます、と言う表現は、「タダでも入れる」からである。いや、正確に言うと、「入場料」とか「拝観料」ではなく、ここで支払うのは「寄付金」らしいのである。

 大人、12ドルと書いてあるので、日本人はそれ通り一人一人忠実に払っているが、KeikoがNYに在住していたYumiに聞いたところ、「それは英語が読めない日本人が払っているだけ」とのことらしいので、別にそれ以下の金額(1ドル以下)でも問題なく入れるらしい。それこそタダでも入れるとか入れないとか。まぁ、タダで入る人はいないだろうけど、他の国(日本じゃない)ではタダの博物館も結構あるらしい(※4)。


 まぁ、博物館のためにはその目安通り払ってもいいんだろうけどね。

 何回も行けば行くほどその事実に慣れて、安く博物館周りが出来ることになって、結局寄付金が足らなくなるような気がするが、世の中どっかからお金が来るものなのだろう。・・・・なんて事言ってその内完全有料になったりしてね。ま、何回も行くぐらいならメンバーになってしまえばいいワケですがね。




ブリキ製。上の部分を
曲げ、服に挟んで使用
 そんなわけで4人で10ドル出すと、4人分のバッチ(右写真)をくれる。おお、いいね、これなら一度昼ご飯に食べに出てもまた入れるわけだ(出ないけど)。どうも、バッチ回収ボックスがあるので、そこに入れておけばいいらしいが、日付によって色が違うのかたくさんの種類のバッチが回収ボックスに入っていた(というかいつ回収してるんだ?)。
 逆にこれがないと、タダでも(たぶん)入れるわけなのに、入り口で止められる。ヘンな感じだ。

 また、荷物は持ち込めないようなので、クロークで無料で預かってもらう(傘も)。



 館内は広い。しかも作りが複雑。一応エリアごとになっていて、ガイドブックにもマップと見所が載っている。美術品という物はそういったものではないはずなのに、そうでもしなければとても回れない、という言い分もわからないでもない(もちろん、ガイドブックは効率的に見て回れるというお決まりのニーズに応えてるだけだが)。

 すると、色々と見て回るならば、(ここの展示品の数は多いから)必然的に何回も来なくてはいけなくなり、そうなると入場料など正規で払っていては厳しいと言うのもわかる。まぁ、メンバーになれば40ドルぐらいでいいんだから払ってしまえばいいと思うが。








※4:大英博物館などタダである。アメリカでもワシントンD.C.のスミソニアン博物館とかはタダである。もちろん、タダとはいえ経営に余裕があるわけではない。その為有料のものが増えているとか。もちろん、学生に優しかったりとか色々な工夫はされているが。
博物館の中の庭園。ガラス張りの屋
根があるので、外が雨でもこの通り。
非常に休む所が多く、そこに合う作
品が置かれているのが素晴らしい。
美術館には椅子が付き物だが、一つ
だけというのは珍しい。「思う存分
堪能してください」という所だろうか。
空間自体も作品の様にも見える。
かなり珍しいツルツルの熊の像。
プーさんもびっくりの怖さのない3匹。
でもガイドブックにも載っているのね
色々な武器があるけど、全部絵。
木の板だけ本物です。こんなのある
と、逆に銃を構えてしまいそう。
実は50cmほどしかない彫像。
後ろはガラス張りの屋根。彫像は
自然光を取り入れてる所が多いか。
館内は一部を除き写真撮影可。
ただ、フラッシュは禁止なので注意。
ま、当たり前と言えば当たり前。
同じフロアからではなく、一つ上の
フロアから作品を3次元的に見られ
るようになっている場所が多い。
車イス用エレベーター内に中国製
の陶器が展示されてる!誰も見ない
けど、車イスの人は嬉しいだろうね
シャンデリア交換用テラス?
この椅子の並びも変じゃないか?
何か落ち着かなさそう・・・。
2階の吹き抜け。下は入口ホール。
ここはカフェみたいけど、まだ営業中
じゃないみたいで、ピアノ調整中

 いやー、まぁー広いよね。広すぎて困るぐらいだ。
 造りも複雑で巨大だが、その建物自体も楽しめるので、美術品に興味のない人でも楽しめると思う。展示品も世界各地の物がやたらと集められているしね。とにかく、普通の建物の中に展示物を並べたというのとは違う、博物館の楽しみ方があるってことやね。


 外に出るのもおっくうなので、一階のセルフのカフェ(?)で昼食を済ます。Yuriに早く帰るような事を言った割には、想像以上の広さにもっと時間を掛けることになってしまうとは・・・。
 まぁ、ショップ(※5)に面白い土産が売ってるので、これで勘弁してもらおう・・・っていいのかそれで。
 

※5:博物館内のショップと、博物館に入場しなくても入れるショップがある。かなりの規模なので、NY土産自体をここで買う事も出来る。博物館オリジナルの商品も個性的。
《参考》今回使用したお金($1=120円で計算)
 寄付金:2.5ドル(300円)
 昼:7ドル(840円)ぐらい?
 みやげ:30ドル(3600円)ぐらい?

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