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                          巻頭言


               鐘が鳴る 一日の仕事の終わりを告げる鐘が


               すすり泣く声が、聞こえてくる
                それは夕暮れ、黄昏時、子供達は各々の家に帰る時間
               すすり泣く声が聞こえてくる
                そこは村のはずれ、子供達の秘密の遊び場
               泣いているのは女の子
                青白いほど白い肌、人形のように整った顔立ち
                体が弱いのだろうか? 目深にかぶったフード
                そこから溢れ落ちる髪が太陽を照り返し黄金の煌めきを放つ
               「どうして泣いているの?」一緒に遊んでいた男の子が言う
                突然自分達の遊びの輪の中に入って来た女の子
                どこの子だろう?
                そんな事は誰も思わなかった。何の違和感も感じなかった
                そうまるで、魅入られたように
               「もう遊べないの」消え入りそうな声で女の子が答える
                沈黙が場を支配する
               「明日はもう遊べないの」もう一度
                男の子が笑う
               「どうしてさ、明日もここにくれば遊べるよ」
                言ってから気付く、
                旅の子だろうか?
               女の子が首を振る
               「だめなの、だって・・・、だって食事の時間なんだもの」
               その時、気付く、
                彼女の目が赤く光るのは気のせいだろうか?
                彼女の犬歯が異常に長く見えるのは気のせいだろうか?
                彼女の・・・


               鐘が鳴る 凄惨な宴の始まりを告げる鐘が             





Vol.60 目次

MARIONETTE月夜野 游里
サンキュー!メソトス(爆)2武田 丸八大
ベストセラーの間違いを指摘する空想科学読本七つの大罪?? ?
小咄純紫亭 蒼南
どラリもん —The Revolution—名取芳明
どラリもん —3rd mix—名取芳明


巻頭言:名取芳明
表紙:ねこめおはじき
裏表紙:ねこめおはじき



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