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どラリもん —3rd mix—
名取芳明

 (前回のあらすじ)
 平凡な日常、それは時として一瞬で目の前から消え去るもの。そしてそれは簡単には戻らない。コロニーに住む平凡な少年のび犬は突然の爆音に目が覚める。何の事か解らず窓の外を見ると、謎の巨大な人型の機械が都市を荒らしまわっていた・・・。町の人々と共に逃げ惑うのび犬、そして迷い込んだ倉庫で、軍の開発した秘密兵器「ひげガ○ダム」とそのナビゲートシステム「どラリもん」との運命的な出会いが待っていた。  今、のび犬は戦場にはばたく翼を手に入れた・・。

 (本編)
 と、なるかどうかは千年後の0.0・・1%の可能性のお話なので今回は関係無いのだ。ふうー、あらすじ考えんのも楽じゃないね。(何か違うような・・)
 ガチャッ! と勢い良くドアを開ける音がした。
 「どラリもーーーん、どラリもーーーん」
と、聞いただけで裏拳2発かました後コンボで(コソボじゃないよ)バックブリーカーにつなげたくなる声は、そう King of ダメ人間ことのび犬その人だ。すぐにドタドタと階段を昇る音。
(チッ、一度階段ニとらっぷデモ仕掛ケテオクカ)
どラリもんがそんな事を考えていると、タメを作って絶妙のタイミングでのび犬登場。
 「どラリもーん、ジャイアントがー」
と言い掛けた途端、どラリもんの、
 「アアー? テメー少シモ進歩ガネエナ! ダカラ人生ノ敗北者的ナ一生ヲ送ル事ニナンダヨ! イクラ足掻イテモ無駄ナンダカライイカゲンソノ運命ヲ受ケ止メヤガレ!」
 ひとしきり一発一発がスマッシュブロー並みの悪口雑言のジャブを浴びせられた後、のび犬は何事も無かったように続きを話し始める・・・人間堕ちるとこまで堕ちるとこうなるのだろうが、恐ろしい話だ。
 「実はー、ジャイアントが月曜日までに十万揃えろってー」
 「フーン、ジャ頑張レヨ」
 「何か道具出してよーーー」
 「ウルセエ! 俺様ハ今イラツイテンダ! ゴチャゴチャ言ッテットブッ殺スゾ!」
 「どラリもん、何でそんなに怒ってんの? って、あれ?」
よく見るとどラリもんの手にはコントローラーが握られていた。
 「ど、どラリもん、それ、何?」
 「見テ解ンネエノカヨ、64ニ決マッテンダロ」
 「い、いや、そうじゃなくて・・・」
 「ンッ? アア、そふとノ事カ? ぱわ○ろ6ダ」
 「もしかしてどラリもん、機嫌が悪い理由って・・・」
 「アアソウダヨ、セッカク4年ノ10月マデ育テタノニ何デ肩ノ爆弾ガ爆発スンダヨーー! アア、俺の山崎・・・(涙)」
と、居酒屋でくだをまくおやぢの様になってしまったどラリもん。
 はたしてどラリもんは元に戻る事が出来るだろうか?
 TO
    BE
       CONTINUED

 どラリもんは立ち直った。
 「そういえば64のお金はどうしたの?」
 「ンッ? 何寝ボケタ事イッテヤガンダ、今マデ色々使ッテキタ道具ガタダトデモ思ッテタノカヨ」
 「えっ! お金取ったの?」
 「テメエ、慈善事業ジャネエンダゾ、タダデヤルヤツガドコニインダヨ」
 「・・・」
 「マア商売ダカラシャアネエナ。ア、料金ハ1回十万ダ」
 「それって意味な・」
 「マア聞ケ。テットリ早ク金ヲ稼グ方法ヲ教エテヤルヨ! マズ・・・」

—それは要約するとこう。
  時は1999年世紀末、この世は終末思想で溢れかえっている。そこで、ここで一発振興宗教でも建てて集まった信者でパソコン会社を造って人件費も無料と言う何処かで聞いたような作戦、その名も作戦名「九官鳥真理(まり)教」である。—

 さくせん
 それは面白い様にうまくいった。
 玉座に座ったのび犬が言う。
 「どラリもん! 僕は気付いたんだ、自分こそが世界を救える唯一の人間だって事に! とりあえずヘリコプターを買うぞ」
 すっかり目がイってるのび犬。
 「ハマリヤガッタ・・・」

 —数ヶ月後—
 「どラリもーーーん、人がゴミのようだ!」
 「ソンナ事言ッテル場合カヨ」
 今、真理(まり)教本部はポリスメーンが十重二十重に包囲している・・・。こいつら一体何したんだ?
 「突入ー!」
 ・・・・・・・・・・・・・・・。

 こうしてのび犬の野望は潰えた。警察の強制捜査の後、何故か教団の金庫には一銭も残ってはいなかった。
 この「小学生による今世紀最大最後の大犯罪」と各新聞が報じたこの事件は一応の解決を見たが、消えた財宝をめぐって糸井○里が不穏な動きをみせている・・・。

Fin



(後書き)
 返事が無い、ただの屍の様だ・・・。





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