私の哲学キーワード

たとえば「シモーヌ・ヴェーユ」を例にあげてその付近のキーワードとの関連を見てみましょう。

プラトン ← 
『リヤ王』 ←
デュオニソス ←
狂気 ← シモーヌ・ヴェーユ → 宗教 パウロの言語哲学
パルメニデスなどのギリシャ哲学 ←真理の王国 ← → バカヴァット・ギーター→ インド哲学

ここでいう狂気とはいわゆる異常であるという意味を含んだ狂気(ただし、正常と異常のあいだの線引きは本当は難しいのだが)ではありません。ではどんな狂気なのかというとプラトンが『パイドロス』のなかで言及している次の部分を読むとわかるでしょう。

人間のなしうる最大最善の事柄は、神がかり的狂気によって可能になる。
また、プラトン狂気をつぎのようにもいっています。狂気とは、かつて暮らしたイデアの世界に帰ることをめざしている人間の背中に羽が生え出るときのうずきであると。これはわれわれにとっては比喩なのですが、プラトンにとってはおそらく、単なるたとえというわけではないでしょう。多くのひとには不可能であるような直観の能力を本当に持ち得たひとであるならば、そのうずきを体験することができると考えていたはずです。



パルメニデスは真理の王国について述べています。 真理の探究の意味をパルメニデスがホメロス・ヘシオドス的に美しい詩に表現したたとえであります。ここでは「真理」を語るのは人間ではなく女神であり、また単に物語りめいた風にではなく、議論し説明しています。まず、序詩のなかでパルメニデスは<覚者>として馬車に乗って、無知な人間どもの暗い世界から明るい光の真理の世界をめざしています。そして女神テイアから歓迎と真理の啓示をうけます。

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