数学とクイズでくつろいでクイズの部屋クイズの話〜読んでも強くはならないクイズの話〜前半

クイズの話〜読んでも強くはならない 〜前半

最終更新日2008年3月15日

 おなじみのクイズ番組やクイズに関する本の内容に関して思ったことを書き綴っていきたいと思います。こちらは2009年1月から6月に掲載したものを載せています。


第1話〜「アタック25」の強かさ

 正統派クイズの代表格「アタック25」ほとんどの方がご存知だと思いますが、クイズの内容を簡単にご説明します。  いくつか細かいルールはありますが、改めて考えるとボリュームのあるクイズの内容です。更に忘れてはならないのは逆転のチャンスがあるアタックチャンス  このアタックチャンスによりさらにボリュームがある内容になります。

 「アタック25」を何気なく見ていますが、これだけの内容がありながら放送時間は30分。クイズ以外にも解答者の紹介や感想もありますし、もちろんCMも入ります。他のクイズ番組を見ると1時間(実際は50分程度)はあります。なぜこれだけの内容を30分で収めることができるのでしょうか。

 一つは「早押しクイズであること」今のクイズ番組は早押しクイズは少なく、あるとしても何回でも答えることができるルールになっています。これは「誤答で楽しむ」という考え方に基づいていると思います。一方アタックは誤答するとその問題は終わる、というルールです。さらに早押しクイズのため問題文の1行程度で答えることもあります。計ったわけではありませんが、平均10秒以下で問題が進んでいると思われます。この問題を早く進めることが30分で収められる理由の一つだと思われます。
 もう一つの理由は「視聴者参加であること」というよりか「無駄なコメントがないこと」クイズ1問ごとにあれこれ話すこともなく、パネルを取るときも無駄な時間を省くことで速さを強調させています。(これについては他のクイズ番組の批判を長々と書きそうなのでこの辺で…)
 忘れてはいけないのが司会の児玉清さんの存在です。常に公平に解答者に気を配りながらも簡潔に状況を伝える。何気なく聞いていますがパネルの変わる際の「3番、4番、9番、13番が変わった」や問題文を再読する際に早口で伝えていくのはにわか仕込みではできないはずです。さらには「慎重かつ大胆」「○○(正解の単語)の5番」など簡潔で分かりやすい単語を生み出す力も児玉さんのなせる技だと思います(…と私が話すのもおこがましいですが)

 これらの理由を見て「当たり前だろ」と思われた方はクイズ通、もしくはある程度の年代以前の方だと思います。以前は「クイズタイムショック」「アップダウンクイズ」など視聴者参加のクイズ番組が多かったです。これらはほとんどが30分でした。しかし時代の流れか、これらのクイズ番組が減っていき、いまでは「視聴者参加の30分クイズ番組」は「アタック25」のみといって過言ではありません。今のテレビの状況でこの手の番組が現れるとすればNHKになると思います。それを考えると「アタック25」の30分の強かさが感じられます。


第2話〜悲しき昭和49年生まれ

 クイズ好きの私が出場したいと憧れていたのはもちろん「アメリカ横断ウルトラクイズ」アメリカを舞台に次々にクイズに挑み、負けると即帰国。ニューヨークでクイズ王が決定する…と、実際には「こんなに簡単な説明でいいの?」といいたくなるほど奥の深いクイズ番組でした。
 物心のついたときからすでに始まっていたこの番組。私も虜になった一人でした。「いつか出たい、いや、いつか優勝したい」という気持ちを持ち、出場資格を持つ18歳まで待ちました。高校生のときには予行練習として(?)「高校生クイズ」に3年連続で出場しました。結果は全て予選落ち。しかし「ウルトラクイズもこのぐらい、いやもっと迫力のある予選なのだろう」とある程度の感覚を掴むことができました。

 高校を卒業して大学に入り、ウルトラクイズの出場者募集の宣伝(?)を待っていました。毎年CMやテレビの巨人戦のときに募集の内容が出ていました。

五月、六月が過ぎても募集が出ず…こんなに遅かったかな?
七月、八月が過ぎても募集が出ず…???もう予選の時期だぞ??

九月、十月が過ぎ、そしてどこからか「ウルトラクイズ、打ち切り」の話を耳にしました。昭和49年に生まれた私が17歳になった平成4年(1992年)を最後にウルトラクイズは16年の歴史に幕を閉じ、私のクイズ王への道は第一歩もないまま終わってしまった…

しかし、私のクイズ王の道は終わっていなかった。 1998年に「ネッツトヨタスペシャル 今世紀最後!! 史上最大! アメリカ横断ウルトラクイズ」というタイトルでウルトラクイズが復活。内容は以前のウルトラクイズと変わらず…というがこの番組だから分からない。しかし出たい!あの雰囲気を味わいたい!!早速参加の申し込みをし、予選の参加通知が届くのを首を長くして待っていました。参加通知が届く…ついに行ける。私は博多駅から夜行列車に乗り東京へ向かいました…

 翌日は朝から豪雨。私が乗っていた夜行列車は静岡のところで止まっていました。時間は9時ごろ…もうウルトラクイズの予選は始まっている…どうにか代わりの電車に乗り換え東京ドームへ。しかし、予選はもう終わりに近づいていました。ドームの周辺もすこし閑散としていました。中の様子をちらりと見えたのはオーロラビジョンに映し出された徳光さんの顔。ショックのためか東京観光も何もしないまま飛行機で福岡にとんぼ返り。私のウルトラクイズはこれだけでした。

 あれから10年が経ちました。『ウルトラクイズ』は復活するのでしょうか。もし復活するならば、私は一参加者かクイズ王か、はたまたやっぱり参加できない運命でしょうか。いずれにせよ万が一の復活を願って日々クイズの勉強に一応励んでいます。


第3話〜サバイバルクイズはいかがなものか

 今では視聴者参加のクイズ番組が減りましたが、やはりクイズを愛する人達がサークルを作ってクイズ大会をしているそうです。クイズの内容も多種多様。シンプルな早押し、選択クイズやテレビ番組より面白そうな形式のクイズも行われているそうです。私は参加したことがあまりないですが、本などでそのようなことが書かれています。

 そんなクイズ形式の一つにサバイバル形式のクイズがあります。ルールは次の通り。

 いたってシンプルなクイズですし、実際に参加すると十分楽しめると思います。しかし、早押しクイズの場合次のようなことが行われる場合もあるそうです。

 「問題つぶし」…早押しクイズで答えて最下位でないとき、残り2,3問となった時点で、早く解答権を得る。正解できるかできないかは分からないが、とにかく最下位の解答者の得点を増やさないために解答権を与えない。

 この説明だけでは分かりにくいと思います。例えば「自分が3点、相手が2点」のとき、もし相手が一問でもクイズに答え正解をすれば同点もしくは逆転されます。もし自分が先に解答権をとれば、うまく正解すれば得点は増える。もし間違えても得点は減らない。これを続ければ絶対に相手の得点より上になる、ということです。テレビなどでは見かけませんが、新紀元社から出ている「TVクイズ番組攻略マニュアル3」のクイズ大会編でこの「問題つぶし」の様子が分かる箇所が書かれています。

 もちろん一つの方法ですからルール違反ではないのですが、個人的な意見としてこの方法は受け入れられない気持ちがあります。たとえて言えばサッカーの試合で勝ちチームがボールを持ったまま攻めもせず相手にボールを渡さないような感じがします。答えられない解答者に対しても失礼ですが、つぶされた問題自体に対しても失礼だと思います。先ほど書いたように私はクイズ大会の経験は少ないですが、調べてみると「問題つぶし」を受けた側は良い気持ちにはなってはいないようです。

 この方法を解消する方法はいたってシンプル「不正解のときはペナルティを与える」ペナルティは得点を減らすことでも次の問題の解答権を無くすなど構いません。最下位の人でもわからなくても解答できる権利を与えることが必要です。またこれらのペナルティを使わない場合は早押しをせずに選択問題や紙に書いて答える形式の答え方をする、という方法でも解消できます。

 おそらくこの形式を考えたときは面白いと感じたと思います。しかしこの「問題つぶし」を多用されると面白さも半減することもあります。結局のところ「個人の判断に任せる」ということになるかもしれませんが、問題つぶしをさせないようにクイズ主催側が事前に対策を考えるのも必要だと思います。


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