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Greenwich Villege

グリニッチ・ヴィレッヂ


■トム・ウエイツ
最高傑作?『レイン・ドッグ』("RAIN DOGS"
1985年)のライナーノーツより。
ユニオン・スクウェアー/Union Square

Well time is always money
まぁ、言ってみりゃぁ「時は金なり」ってーのは、

For the boys at Union Square
ユニオン・スクウェアで、
たむろってるボーイズのためにあるコトバ。

Well they spill out of the Cinema 14
そんで、シネマ14がはけて、
ゲロみたいに吐き出されてきたヤツらは、

to that drag bar there on the block
おんなじブロックの、
だらだら深夜までやってるゲイ・バーへと、ゲロゲロ。

Best live show by far in the whole east coast
そこじゃぁ、
東海岸中で、ピカイチの生本番をやってるぜ。(笑)

With a bank rolled up in your sock
全財産は、しっかりと
テメェの靴下に巻き込んで、隠しときな!(笑)

She stand night there for your pleasure
オカマが、あんたの快楽のために、
一晩中、おっ立ち状態だぜ。(笑)

Half Pueruto Rican Chinese
プエルトリコと中国人のハーフ、ときたもんだ。
あ〜あ・・・。

TOM
WAITS

By.Tom Waits
訳:久保AB−ST元宏

……60年代の生き残りのトムは、
ビレッジの中央にあるユニオン・スクウェアで、
かつての自分と同じカネの無い若者を目にする。

しかし、そのカネは「カルチャー」に、ではなく、
オカマ・バーに流しこまれる。
まるで、ゲロのように!
ロックは「MTV」に成り下がった。
トムの虚無的なイラダチ。
それを味わうのは、曲を聴いてのお楽しみ。



Is war over? ジョン・レノン『ビートルズ革命』(草思社、片岡義男・訳、1972年)
・・・ロック雑誌『ローリング・ストーン』編集長ヤーン・ウェナーによるインタビュー。
1970年12月、アルバム『ジョンの魂』発売直後。
まだ寝ないの?2008年1月10日 1:19Am
ものごとがおこりつつあるニューヨーク

ヤーン アメリカについては、どう思いますか。

ジョン 愛していますし、同時に嫌悪しています。
ものごとの中心地はアメリカです。
私は、ニューヨークに生まれるべきだったですね。
ニューヨークのグリニジ・ヴィレジに生まれるべきだったのです。
私にふさわしいのは、グリニジ・ヴィレジなのです。私はなぜ、そこで生まれなかったのでしょう。
18世紀には、パリが、すべての中心でした。
ロンドンは、オスカー・ワイルドやバーナード・ショーなどの人たちがいたときの文学的な局面をのぞいては、
なんの中心にもなったことはないと思います。ニューヨークは、いろんなことの中心でした。

 

久保元宏の、この本の読後直後の感想。
えーと、今も同じような汚い字しか書けません。がくっ。
「ビートルズに関する本は星の数と競うほどあるが、
この本はその中で最もヘビーなものだ。」
(1980年7月28日 月曜日 札幌・桑園・上野下宿にて)

▲この130日後、レノンは、ダコタ・アパートで射殺される。



NYニッチ激コラム
              2001-9-15
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◎追悼キャンドル集会◎     黒部エリ

まずお詫びを。
すみません、予告の「ストリップ潜入記」は先送りにします。
いま報告すべきことを優先したいので。

ところで日本のマスコミからの問い合わせで「食料の奪い合いになっていない
か」だの「暴動は起きていないか」だの聞かれて、面食らってしまった。
なぜわしらが暴動を?
どうも地獄絵ばかり期待されているようで、
反対にこちらが「いったい日本での報道ってどうなってんの?」と聞きたいほど。

もちろんテロリストに対する怒りは激しいし、どんな理由にあるにしたって、
一般市民に対するテロは許されるべきじゃない。

だけど、なにもニューヨーカーがみんな「弔い合戦だ!」といきりたっている
わけじゃない。
現場から6キロ圏内に住んでいる私の生活実感からすると、かなり多くの人た
ちはこれ以上の惨事を避けたがっているように感じる。

わが家の前にあるユニオンスクエアではキャンドルや献花が捧げられており、
行方不明者を探すチラシがそこかしこに貼っていて、きりきり胸が痛む。

ここで寄付も受け付けているので、私も物資を寄付しに行った。
これは昼夜なく救援作業にあたっている隊員たちをサポートするためのもので、
ソックスや下着や毛布、あるいはアルコールやバンドエイドなどの医療品を募集している。  
さらに忘れちゃいけないのがドッグフード。
生存者を捜すために警察犬も働いているのです。

そこでボランティアをしている大学生に話しかけてみると、
テレビで報道を見ているより、有益な時間の過ごし方だと思って」
とスマイルが返ってきた。

そういや寄付する物資を買いにKマートに行ったら、コメディアンのデビッド・クロスも同じことをしていて、
「あれー。芸能人もこんなところで慈善活動を」
とヘンなところで感心。えーと、わかりやすくいうと爆笑問題にイトーヨーカ
ドーで遭遇したようなものです。

そして14日午後7時。
全米で犠牲者をいたむキャンドル集会が行われた。
広場を埋めつくすキャンドルの灯りに、群衆からわきあがったのはジョン・レノンの歌
広場には市民たちが思い思いのメッセージを書き入れている。その生の声をい
くつか紹介しよう。

「目には目を 歯には歯を そうしたら私たちは盲目になって、歯をすべて失ってしまうだろう
「モノは破壊できても、魂は破壊できない」
「神はひとつ 愛はひとつ」
「望むことは正義よりも平和」



  NYニッチ激コラム
              2001-9-19
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◎ニューヨーク市民たちの生の声◎

アメリカは星条旗一色に染まっている。

うちの前にあるユニオンスクエアは花とキャンドルで埋めつくされ、メッセー
ジを書いたアートが飾られ、夜どおし演奏している人たちがいるわ、便乗商法
でTシャツを売る露天商はいるわ、すごい人だかりだ。

広場では、「アラブ人は敵じゃない」というプラカードを掲げた市民グループ
から、星条旗のバンダナをした愛国青年、はたまた広場にたむろっているオヤ
ジ連まで、そこかしこで議論が白熱、もはや朝まで討論会状態である。

先日、反戦グループの女性に、愛国野郎たち(なぜかマッチョ系で、赤く日焼
けしている白人青年たちが多い)が束になって怒鳴りたてているのを見た。
見かねて夫が口をはさむと、さらに大激論に。
あげくのはてに、
「おまえら、コミュニストとは話をしたくないぜ!」
と捨てゼリフ。
ええっ、ブッシュに賛同しなきゃ、即コミュニスト? 
うーむ。そこまで単純なヤツがいるとは、たいした、たまげた、驚いたである。

国内政治がうまくいかない時に、敵をつくって一致団結するほど、いい対策は
ないわけで、結局テロリストがやったことは、ブッシュ政権に得させただけ。
CNNの報道も「America's New War」と煽ってばかりいる。

では、いったい市井のひとはどう感じているのか?
ということで私が聞いた話と寄稿をもとに、さまざまな意見をご紹介します。
(黒部エリ)

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Miwa Mei Akazawa さん(W社音楽ウェブ事業部門勤務)

ほんとにヤバイっす・・・アメリカ人! と実感できたのは昨日の夜。
近所にちっこいイスラム教寺院があるんだけど、数台のパトカーが警戒中。
そこに、いかにもな(若い・白人・おバカ系・マッチョ・きっと南部出身)3
人組 のニーチャン達が、アラビックのオジチャン達にケンカをふっかけてお
りました。
「おまえら、喜んでるんだろぉ」「おまえらなんか殺してやる」とか暴言やり
たい放題。
まわりの人間も煽ってるし、警官達は見て見ぬフリだしさ。
止めに入ったのは、結局はうちら外人チームのみ。
みんな、早く人間に戻ってほしい。カンバック〜、理性!
外じゃ、星条旗片手に「USA! USA!」と国民総出でブルース(スプリングステ
ィーン)化。
音楽業界じゃ、これを見越して「USA United (意訳:戦え〜。飛べ〜。アメリ
カ人)」 ちゅうコンピ・アルバムを緊急発売するらしい。
こんなことも金儲けにするっちゅう業界にいるかと思うと、トホホ・・・。


ブライアンさん(カメラマン、バーテンダー)

うちはWTCから数ブロックのところにあるんだ。ぐっすり寝てたんだけど、
最初の衝撃でハネ起きたよ。窓から見たら、すぐ近くにあるWTCが火を噴い
ている。愕然としたね。
無我夢中でカメラをかまえて撮りだしたら、二度目のクラッシュがあったんだ。
ベランダにいたルームメイトが風圧でよろけたほどの衝撃だった。
さすがに身の危険を感じて、あわててカメラと身の回りのものだけ抱えて避難
したんだ。
いまうちのアパートは危険地域で戻れないから、友達のところに居候している。
家財? ぜんぶ置いたままだよ。
たしかに損害は大きいけど、ぼく自身は戦争には反対だね。
そういや今まで警察官が大嫌いだったんだけど、今度の件で見直したね。
みんなを避難させたあと、ビルをあがっていって崩壊に巻き込まれた消防士た
ちには頭が下がるよ。ほんとに尊敬するね。


山本晶子さん(日系出版社勤務)

オフィスは42丁目とマディソン街の角にあり、9時少し前、出勤してきた同僚
が「ワールドトレードセンターが大変なことになっている」っていうんで、あ
わてて五番街まで出てみると、タワーの上の方から火と煙がはっきり確認でき
ました。
つぎの日に、ツインタワーがなくなった空を見たときは、言葉にできない思い
で胸がザワザワしました。
翌々日には仕事中に爆弾予告でビルからの避難命令があったりして、緊張を強
いられる毎日です。誰もが疲れていると思います。


バーバラ・ドーンさん(IT業界リクルーター)

ニュージャージーからフェリーで通勤しているんだけど、WTCの地下道に着
いたときに最初の衝撃があったの。
だれかが「爆弾だ」と叫んで、とたんにパニックよ。われさきに地上の出口に
殺到したら、なんと割れた窓ガラスがバラバラ降ってきているの。
あわてて反対側の出口に出て、走り逃げたわ。
それでナッソー通りにいたときに、ビルの崩壊があったの。
真っ黒な砂塵がブワーッと押しよせてきて、一寸先も見えなくなった。
あのままだったら窒息していたと思うわ。
でもすぐ近くにあったピザ屋の店員さんが手をひっぱって、ドアの中に引き入
れてくれたの。
そのあと避難してから、消防隊員がホースで水をかけて、頭からかぶっている
粉塵を洗い流してくれたのよ。
ミッドタウンまで歩いていったんだけど、いつの間にかパンプスが片方なくな
っていて、足がすりむけていたわ。
うちにたどり着いたのは夜の11時よ。あんな恐ろしい思いは、もうたくさん。


レオナードさん(キューバ系二世 カフェバー勤務)

二度目に飛行機がクラッシュする光景は、うちの屋上から見たよ。
すぐにテロだとわかった。
ぼくはアメリカで生まれたけど、子供の頃から、アメリカ人たちの一方的なモ
ノの見方には違和感を覚えていたんだ。
自分たちの価値観とちがうものは、すぐに否定するだろう?
アメリカはあまりに一方的な価値観を他国に押しつけて、敵を増やしているの
がわかっていないんだ。
今度の件でアメリカは、今までアメリカが他国にやってきたことを振り返って
みるべきだよ。


ユニオンスクエアで話した男性 30代くらい 職業不明 

ビルから落ちた人たちを見たかい?
あの人たちに「複雑な政治状況」だとか「時間をかけた解決」なんて言葉が助
けになったと思うかい?
テロリストを捕まえなきゃ、また同じことが起きるだけだ。
彼らは平和的な話し合いなんて望んでないし、テロリストと抗戦せずに解決で
きると思うのはリアリスティックじゃない。
地上戦で部隊を送りこんで包囲するべきだ。
もし我々がテロリストと同じレベルだったら、WTC崩壊の一時間あとには、
アフガニスタンを空爆していたよ。


笹野リサさん(通訳/学生)

パートナーがWTC近くのビルで働いているのですが、最初のアタックですぐ
に非常ベルがなって外に出たところ、飛行機が突っ込んだまま、ぽっかり穴の
開いたビルが、目の前にあったそうです。
しかも燃え盛る火の上の方から、15人くらいの人々が次々と飛び降りていく
のが見えたそうです。
彼は2度目のビル崩壊の時に、まるで火山の噴火から逃れるように走って、命
からがら助かりました。
私も27丁目にあるFITから見た時には、タワーから灰色の煙がもくもく出て
いて、あっという間に崩れてしまいました。
同じクラスの友達で、お父様がWTCの82階で働いている人がいます。彼は
朝から泣いていました。皆で無事を祈っています。あまりにも多くの人が犠牲
になり、胸がつぶれる思いです。
ブルックリンにまで灰が飛んできていて、車の上にはうっすらと灰が積もって
いて、爆発の凄さが伝わってきます。
市民は皆怒りと悲しみでいっぱいです。


マーサ・グレアーさん(IT業界リクルーター)

イトコが消防隊員で、はじめの崩壊の時に巻き込まれてしまって、行方不明の
ままなの・・・・。
ショックと悲しみでいまはなにも考えられないわ・・・。