古雑誌『季刊 月下の一群』 創刊号 初版(1976.6(S51) 海潮社 B5版) 特集;人形 魔性の肌 渋澤龍彦・唐十郎「巻頭往復書簡 下降の水路をたどるゴンドラ」 ▲偉大なる先行者、絶対の定点観察者として澁澤龍彦を得ていたことは当時の唐たちの世代にとっては、かなり心強いことであったと思う。今なら、誰だろうか?
種村季弘「『妖精の書』について」山口昌男?大江健三郎?吉本隆明?う〜む。決定打がいないねぇ。 この書簡の中でも澁澤は唐を「水の詩人」と喝破しており、知性を持った大不良の魅力が丁々発止で繰り広げられている。 ▲確かに衒学的なんだけれどそこはかとなくユーモアが基礎にあって、しかも何の役にも立ちそうにも無いカッコヨサ。 松山俊太郎「「女主人公(ナーイカー)」の分類」 ▲「インド人は分類好き」というのは面白い。さすがゼロを必要としたお国柄か?
松田修「日本人形史論のこころみ」赤瀬川原平「肉天体の原理」 日影丈吉「人形つかい」 立川昭二「からくり幻想考」 巌谷國士「夢見る自動人形」 平岡正明「体力論丹田編」 四谷シモン「つつしみぶかさのないことについて」 篠原勝之「ズボン」 吉増剛造「若菜よ」 嵐山光三郎「蛇姫様参り」 若松孝二「パレスチナ報告」 唐十郎「下町ホフマン」 津島佑子「人形か人間か」 池内紀「詐欺師の変身」 山下洋輔「ベーゼン・スティング・トリップ」 高橋康雄「伯爵の柩」 脇明子「怪しき人形使い」 装幀;合田佐和子 編集長;唐十郎 編集制作;カマル社 桑原茂夫、岩淵和恵、関根新子、原梢 定価\980→古本\2000 ▲定価より高い古本を買うことは、私の信条(笑)に反するが、種村季弘への香典である(?)。 第二号で早くも廃刊しちまった「3号雑誌」にすらなれなかった紙つぶてではあるが、豪華執筆陣などを見ると時代の熱さが感じられる。 何をしてもカラマワリになったり、程度の低い1960年代のパロディ以下になってしまう1976年という時代の悪アガキを感じてしまい、思わず好感を持ってしまう。 これはパンクが世間や文化をリセットする前夜のミニコミ・ブームの偉大なる財産であるとも言える。澁澤龍彦の雑誌『血と薔薇』へのオマージュもあったことだろう。 残念ながらそれに比べると紙質も写真製版もゼイタク度は低い。 しかし現代思潮社から独立してきた桑原茂夫の編集ならではの文章へのこだわりには充実以上の奇蹟を感じさせる。 |
ジミ・ヘンドリュックス(ギター、歌) | ミッチ・ミッチェル(ドラムス) | ノエル・レディング(ベース・ギター) | |
趣味 | SF小説を読むこと、音楽 | モーター・レース、音楽 | 旅行、女の子、音響機械、車 |
好きな食べ物 | イチゴ、スパゲッティ | ステーキ | カレー |
好きな歌手 |
ボブ・ディラン、マディ・ウォータース B・B・キング、レイ・チャールズ |
ジミ・ヘンドリュックス、 グラハム・ナッシュ |
スティーヴ・マリオット、ディレク・ナイト レイ・チャールズ |
好きなグループ | ビートルズ、クリーム |
ビートルズ、クリーム ホリーズ、ザ・フー |
ブッカーT&MG's、ビーチ・ボーイズ パイレーツ |
好きな音楽 | サイケデリック、クラシック、ブルース | フリー・ジャズ | ロックン・ロール、モダン・ジャズ、ブッカーTスタイル |
06/27札幌 紀伊国屋 書店 札幌 ロフト店 |
パンタ+椎野礼仁 『パンタとレイニンの 反戦放浪記』 初版 (2003.9.30 彩流社) ブックデザイン;山田英春 新刊本\1575 ▲元・赤軍派議長の塩見孝也、右翼の一水会元代表の鈴木邦男、ロック・シンガーのパンタの3人がアラブの民族衣装のコスプレ(?) で並ぶ写真があるだけで、嫌な目眩を感じる(笑)。しかし、「現場」に行くという基本的な作業の必要さを問うことすら、今までのロックには無かったのだから、 自らを自嘲しつつも戦争直前のイラクへ行った行為自体に意味はある。ただし、本当の「戦争」は帰国後の創作なのだ。 |
子母澤寛は昭和16年から21年にかけて、氏の最大の長編小説といえる『勝海舟』を『日本経済新聞』紙上に連載した。それはまさに太平洋戦争から敗戦の翌年にかけてのことであった。敗戦の20年8月は、ちょうど、小説が江戸開城にさしかかるところであったと記憶している。子母澤寛は、敗戦という未曾有の事態を、「勝海舟」を書きつづけることによって、その精神の挫折なしに乗り越え得た数少ない存在であった。 〜粕谷一希『戦後思潮 知識人たちの肖像』(1981年3月24日発行、日本経済新聞社)より |
06/29深川 み・らい |
演劇『謎の変奏曲』 原作;エリック=エマニュエル・シュミット 演出;宮田慶子 出演;杉浦直樹、沢田研二 ▲演劇とは物語を楽しむよりも、俳優の「芸」 を味わうジャンルであると思う。その意味では 短調な直情式演技の杉浦よりも、ユーモアを 交えつつ肉体の動きに工夫のあった沢田の 「芸」が上回っていた。又、脚本はフランスの 現役作家であり、翻訳調のセリフは気になる が、知的なゲームを盛り上げる。重くて暗い 物語なのだが、最も暗くなる瞬間をユーモア に転換する演出と「芸」はこの作品の特徴。 どんどん物語が暗くなるので、どんな方法で ハッピー・エンドにするのか心配になったが、 結局、終わりは「幸福」ではなく「希望」であ った。その終り方が現代的であり、感心した。 |
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ミュージシャン | タイトル | 録音年 | 特徴 | 久保の感想 |
トッド・ラングレン | ”ラント”ザ・バラッド | 1971年 | レコード・コレクター必殺の幻の名盤。 | へんたいトッドの前身。今聴くと、キャロル・キングを連想してしまう私はダメ? |
ピンク・フロイド | アニマルズ | 1977年 | 豚が飛んでいる有名なジャケット。 | ライナーノーツは澁谷陽一、横尾忠則、篠山紀信、鰐淵晴子!時代だな。 |
スーパー・トランプ | 蒼い序曲 | 1977年 | メンバー全員、長髪にヒゲ(笑)。 | サンプラザ中野はこんなポップスを聴いていたのか?パンクは必然と確認。 |
レィディオ | ロック・オン | 1979年 | レイ・パーカー・ジュニアのディスコ。 | 私が新宿のツバキハウスで踊っていた時もかかっていたんだろーなぁ(恥)。 |
クラッシュ | サンディニスタ! | 1980年 | ニカラグアの極左政党を歌った3枚組! | 当時は混沌としたアルバムと思ったが、けっこーポップ。歌詞分析が必要。 |
エルヴィス・コステロ | ゲット・ハッピー! | 1980年 | LPなのに20曲も入った気合の1枚。 | モータウンをリスペクトしたベース・ラインが心地よい。楽曲も無駄が無い。 |
今田 勝 | 誘われてシーサイド | 1982年 | ピアノ以外は外人。クロスオーバー。 | 1970年代にロックを聴いた世代はパンクに付いて行けず、ここに着地? |
古澤良治郎 | たまには。 | 1983年 | ベテラン・ジャズドラマーがリーダー。 | 吉田美奈子参加。当時のスタジオ・ミュージシャンのレゲエ・コンプレックス。 |
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『牛若丸なめとったらどついたるぞ!』 THE ORIGINAL INU (LP 廃盤) A面 1:イヌ 2:ラブオーバーボルテージ 3:ガンペキ 4:メシ喰うな!5:フクスケニンギョウ B面 1:ガセネタ 2:西森とオショウ 3:あほのケンカ 4:マリィ 5:カンボジア 6:ALL THE OLD PUNKS 79年渋谷屋根裏で行われたライブを録音した物でオフィシャル音源としては一番古い物だと思われます。(LPの発売は84年) 町蔵以外のメンバーは林直人(g)、オショウ(b)、西森タケシ(ds) おどろおどろしい声で唸るように歌う「メシ喰うな!」では若干のあらあらしさの中にも町蔵の歌い手としての才能が存分に聞けて取れます。 また、曲ごとに声色を変化させている点も注目。 ハードに演奏されているラブオーバーボルテージやALL THE OLD PUNKSはかなりの名曲です。 東京ロッカーズに対して強烈なメッセージを含んでいてよく取り沙汰にされる曲の「ガセネタ」は、ニヤニヤとふくみ笑いをしてしまうような曲です。 |
01/26札幌 TEMPORARY SPACE |
展覧会『「凹みstudy」 Kenichiro Taniguchi Solo Exhibition』 札幌の若手、谷口顕一郎(1976年生)の個展。 |
ミュージシャン | タイトル | 録音年 | 特徴 | 久保の感想 |
ロリー・ギャラガー | イン・ザ・ビギニング | 1967年7月 | ライブ。レコードは1974年にされた。 | ヤード・バーズみたいな典型的ブリティッシュ・ブルース。かっこいい。 |
テイスト | ライブ・テイスト | 1970年 | ロリー・ギャラガーのバンド。 | えらいテンションの高い演奏。ロリー以外は下手だが、かっこいい。 |
ロリー・ギャラガー | ファースト | 1973年 | ソロ1作目。レコード会社も入魂。 | 上記2作と違い、スタジオ盤なのでテンション一発から、深みを増す。 |
ロリー・ギャラガー | アイリッシュ・ツアー’74 | 1974年 | 故郷アイルランドでの2枚組みライブ。 | 初期のライブと違い落ち着きと技術を得た円熟。と言ってもまだ26歳! |
ロリー・ギャラガー | アゲインスト・ザ・グレイン | 1975年 | ポリドールからクリサリスに移籍1作。 | レコード会社移籍のせいかポップ。なんだか、パブ・ロックっぽくもある。 |
ロリー・ギャラガー | コーリング・カード | 1976年 | ロジャー・グローバーがプロデュース。 | 鋭角的なリズム処理、アタックのあるボーカル。パンクの影響かな? |
ロリー・ギャラガー | フォト・フィニッシュ | 1978年 | 74年、75年、77年来日で人気定着。 | 初期のブルース系ロックンロールに回帰。年間9ヶ月のツアーも凄い。 |
ロリー・ギャラガー | トップ・プライオリティ | 1979年 | ニューウェーブ全盛期に時代錯誤? | ワン・パターンと言うよりも、恒例のお手紙のようなアルバム。 |
デレク&ドミノス | いとしのレイラ | 1970年 | エリック・クラプトンの大ヒット作。 | ロリー・ギャラガーをたっぷり聴いた後だと、やはりカンロクが違う感じ。 |
ディヴ・メイソン | アローン・トゥゲザー | 1970年 | 元トラフィックのギタリスト。超レア盤。 | アーシーでヒッピー。スワンプ・ロックですなぁ。参加メンバーも渋い。 |
フリー | ハートブレイカー | 1972年 | ポール・ロジャース、山内テツが参加。 | オールド・ウェイブですなぁ(笑)。 |
トラフィック | オン・ザ・ロード | 1973年 | 西ドイツのライブ。2枚組みだが7曲。 | ギターを弾くウィンウッドは新鮮だが、2枚組みにする必然性が分らん。 |
ルー・リード | ロックン・ロール・ハート | 1976年 | パンクが始動したニューヨークの作。 | 今野雄二のライナーノーツが馬鹿丸出し。 |
ダイアー・ストレイツ | コミュニケ | 1979年 | ボブ・ディランもファンになった2枚目。 | 優れたロックンロールには、ユーモアがあるもんだ。 |
パラシュート | カラーズ | 1982年 | 今剛、井上鑑のフュージョン・バンド。 | かっこいいねぇ。でも、こーゆーテクニシャンがダメにしたものもある。 |
Abnormal Stripperトリビュート・アルバム 『烏合の衆』 (Sony Music Entertainment Inc.)
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Wings『Wings wild life +3』(1971 再1987) Paul MacCartney/ポール(vo,b,g,p) Linda MacCartney/リンダ(cho,key) Denny Seiwell/デニー・シーウェル(ds) Denny Laine/デニー・レーン(g,b) 定価\2800→中古\1100 ▲まるでポールのレア・トラックス集(笑)。 |
Bryan Ferry/ブライアン・フェリー『In Your Mind』(1977 再97) 定価\2800 →中古\1000 ▲この音が ロックに 聴こえるか どーかで、何か が分かれる リトマス紙CD。 |
Paul Weller/ポール・ウェラー 『Illumination/イルミネーション』(02.9.11) 定価\2400→中古\1400 ▲前作『ヒーリオセントリック』に感心した 私であったが、続く本作も脅威の傑作だ。 ロックは青春の音楽であるのに、年齢を重 ねるごとに凄くなってゆくとは恐るべし。 おそらく彼がリスナー(同時に批評家)と しても優れた才能を持っているからだろう。 |