時代は 8bit のパソコン華やかなりし頃。
この本は「1983年5月25日 初版発行」と奥付に書いてあります。
l16bit PC は、かろうじて PC-9801 が出ているくらいで、
マイコンという呼び名が死語になる直前、といった感じの時代でした。
今さら紹介する意義などありませんが、見付けたら懐しくなったのでちょっとだけ。
そんな時、ASCII から一冊の本が出版されました。
ぱっと見た感じは非常に軽い本で、内容も気楽な読み物が殆どです。
メインは大学のサークルと研究室への取材による記事で、
こんな事してるんだよ、といった素人さんにでも判る程度の簡単な紹介でした。
当時はそれ程コンピュータに詳しい訳でなく、
大学って面白そうな事して遊んでるんだな、といった感想しか有りませんでした。
しかし、これが結構凄い本だったのです。
まずは「UC バークレーレポート」。
「Bill Joy が SUN に移籍したが、まだまだ UNIX 開発のメッカである。」
などと書かれているのですが、当時は全く何の事か判りませんでした。:-)
また、「RISC という 32bit CPU を設計した」とも書いてありました。
今なら、これが Patterson 教授の SPARC Project だと判るのですが、
当時はこれも全く理解出来てませんでした。:-)
更には「アーパネットで大学外と通信している」との記述も謎でした。
この他、CAD, AI, CG などの簡単な紹介が僅か 5P に収まっており、
最初は「何か凄そう」としか判らなかった訳です。
巻末の図書の紹介も強烈です。
「更に一歩進んでみる気をお持ちの方のために、
参考になりそうな本をご紹介しようと思います。」と書いて、紹介する本が、
なのです。
「バークレーリポート」と合わせて考えればそれ程不思議な選択では無いですが、
あまりにも他の記事との差が凄すぎます。
当時のこの本の平均的な読者が、いきなり Dragon book 読破したり、
Mead-Conway 法で石こさえたりする様になるとは思えません。
あくまで一般向けの企画の単行本の中に、
Deep-world への罠が仕組んであるあたり、かつての ASCII らしさを感じます。
私はかなり後になるまでこの本の意味が判りませんでしたが、 10年にはそういった事柄と無縁ではいられなくなっている訳です。 私の RISC/UNIX 指向というのも、もしかしたらこのあたりの影響があるのかしらん、 とも思わないでもありません。
ところで。 掘り出して確認するまで、GRAPE の記事はこの本で読んだと思っていましたが、 そんな記事は載っていませんでした。 どなたか、GRAPE 関連記事が何時、何処で掲載されたか教えて貰えないでしょうか? 何かの単行本か一般向けの雑誌記事だった様な気がするのですが...
基本的に、趣味でコンピュータ触ってるだけのシロウトのタワゴトです。
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