卒乳までの遠い道

 

一才を過ぎてもかなりの頻度で飲んでいたその太。

眠い時はもちろん、転んだ時やかなしい時、不安な時によくのんだ。

「卒乳」をめざす私だったが、1才半を越える頃には飲まれるのがやや苦痛になってきた。

特に外出時。電車の中や親子リズムの会場でみんなが楽しそうに遊んでいる時なんかに

飲まれるとイライラしてしまう自分がいた。

 

なんとか少しづつでも飲む回数を減らせないか、、、。

 

そうしてまずターゲットになったのが、つまらないから飲む「ひま飲み」。

ひまな時に「ぱいぱい」とすり寄ってくる時はとにかくなんでもいいから遊ぶように

心がけた。それでも、こちらがねむーーい時なんかは楽な方に流されて

あげてしまうのだが、、、。

そうこうしているうちに「ひま飲み」はあまりしなくなった。

 

次のターゲットは「外出飲み」。

これは対処が難しい。電車をはじめとする一般の外出先はとにかくお茶と食べ物。

おもちゃや絵本でごまかすごまかす。それでも眠くなったら飲ませざるをえないので

(泣きわめいて暴れる)ここの見極めが難しかった。

食べ物作戦はかなり効果が見られたが、どうしてもそれが出来ない場所があった。

「親子リズム/font>

10組以上の親子がリズム体操や手遊び工作などをするのだが、ここで勝手に食べ物を

与えるのは問題がある。

しばらくの間、ここでの授乳は大目に見る以外なかった。

しかし、ある日、、、。

リズムのある日の朝。その太は突然「ぱいぱい、、、」とやって来た。

(ひま飲み?)え〜〜〜っ!?と思って拒否したかったが

「今は飲んでもいいけど、そのかわりリズムに行ったら飲まないでいようね。

絵本を読んでもらう時、お友達と一緒にいた方がきっと楽しいよ」と言って

飲ませた。

この日、いつもはまとわりついて離れない時間に自分から友達の

中に入っていった。絵本を読んでもらっている時私の方を振りかえり

ニコっと笑った。

それからだった。リズムでもほとんど飲みたがらなくなったのだ。

 

それでもあいかわらず飲まないと寝られないし夜中も起きて飲んだ。

実家などでは何かあると飲みたがった。

さらに「ねみーよ〜(眠いよー)」と嘘をついて飲み、元気に遊びまわることも、、、。

 

2才を目前に控えた頃、さすがに飲まれるのが苦痛になってきた。

月経が再開したころからそうだったが、定期的に体が拒否するような感じ。

寝る時も、意味もなくただくわえている状態が続きイライラして

こちらからはずしてしまうことも度々、、、。

 

その頃には時々飲まなくても寝る日があった。

絵本を見ながらだったり、なかなか乳を放さないのに

イライラして無理矢理放し、泣きながら寝入ってしまったり、、、。

多分、その太には「母乳」が必要なのではなく「安心」が必要

だったのでは、ないかと思う。飲まないのにくわえているというのが

それを象徴しているように思えた。