アリクの瞳をプレイするときの注意点

導入部

オフィシャルワールドを使っているのなら,B1-9 を参考にするとよいでしょう。そうでないのなら,夢の内容をもう少しドラマチックにしてみるのも手でしょう。「守護者」が語る話が映像として現れるとか…(どちらにしても DM は口で説明するわけですが)。

ワンダリング・モンスター

全体的に出現数が多めに設定されているため,狭い通路で戦うには無理があります。出現数決定のダイスを 1 つ小さくしましょう。また宮殿内は暗いため,赤外線視覚を備えていないモンスターは何かしら光源を持っています。このため,パーティの正面から近づいてきた場合不意打ちは不可能です。知性のあるモンスターについては,キャラクターに尋問されたときに備えて宮殿内での居室などを決定しておいたほうがよいでしょう。宮殿の 1 階なら「さっき入ってきたばかりだ」という言い訳も可能です。

2 階で出現するハーピィとメデューサはあまりにも剣呑です。1 回でも出現させるとプレイバランスが崩れてしまいます。ジャイアント・リザード,ジャイアント・スパイダーあたりに変更しておきましょう。

宮殿 1 階

壁が異様に厚かったり,不思議な場所に風呂があったりと,いまいちリアリティに欠ける宮殿です。時間があればもう少しコンパクトに設計し直したほうがよいでしょう。その際,王女の隠し部屋をもう少し見つけやすくするのをお忘れなく。入り口にあるレバーについている毒針の罠にひっかかるといきなり死んでしまいますが,これは麻痺程度にとどめておくべきでしょう。侵入者対策としてはそれで十分です。

このアドベンチャーでも D&D のご多分にもれず「PC にはぜったいわかりっこない背景」が数多く存在します。ゴブリンに殺された近衛兵はなぜ石化していないのか? 銀のペンダントの正体は? エリスとは何者か? 竜の像はいったい何なのか? “DB”と彫ってある指輪の由来は? などなど…。これらの謎については,近衛隊長の日誌や王女の日記に書いておいたり,ロウェナに語らせたりするとよいでしょう。

宮殿 2 階

パーティがキャンデラとダッチェスに遭遇するころには,パーティが宮殿に入ってから 1 週間以上が経過していることでしょう。そのあいだ 2 人が何もしなかったというのは変なので,どちらかが怪我をしていて動けなかったということにしておきましょう。

ミラビリスに化けたドッペルゲンガーですが,こんなところにまともな人間がいるわけがないというのはいくら血の巡りが悪いキャラクターでも分かります。あまり活躍の機会はないでしょう。彼?を活躍させたいのなら,すでにキャンデラもしくはダッチェスと入れ替わっていることにするとよいでしょう。ベッドの下から本物の死体が出てきたりすれば,いやがおうにも話は盛り上がります。

エンディング

パーティが宮殿内の調度品を略奪していた場合は,王女に冷たい目で見られるわけですが,これは王女の育ちがよすぎるためだということを執事か宰相あたりに説明させて,追加報酬をこっそり渡しておくと,キャラクターの溜飲も下がることでしょう。


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