【台風の後に…(2/3)】


 今回の釣行では、今まで実績の無いプラグを優先的に使いたかったので、メインロッドに 「ラドスケール」を結んだ。去年から期待しながら出撃させているものの、 独自のクセ故に魚を引っ張り出せていないのだ。

 「来たっ!」と背後でお松の声が!見ると、ロッドが曲がっている。 相変わらずの早技だ。と思いながら、「ラドスケール」に連続首振りアクションをさせたら…

 「バジョッ!」とバスが出た。「ラドスケール」が側面からの アタックになぎ倒されるように水中に消えていった。

 「こっちも来たで〜!」とファイト中のお松に声をかける。 「たのっすぅいのう!」とお松。考えてみたら、2人同時にファイト なんて初めてかもしれない。

Get Bass by RADSCALE!
「ラドスケール」で3匹目!

 次のプラグは…とボックスを覗き、ザウルス期待の新作「バルサクリンカー」を選択。 まだ、スイムチェックもしていないので、どんな動きをするのか分からないが、結構釣れそうな雰囲気を持っている。

 「カション…カション…」「ビッグバド」 に比べると少し間が開いたブレード音であるが、これは「アリ」だろう。 しばらく使ってみたが、どうにも反応が無い。ただ巻きではダメなのか?それでは首振りではどうか?と、試しに 「S8ポッパー」を同じポイントにキャストしてみた。

 「ボシュッ!」と数投目にヒット!一箇所で首振りをさせていたらてきめんであった。 この攻め方を「バルサクリンカー」で出来るか?と、岸際にキャスト後、小さく首振りをさせてみた。 ピンポイントで移動距離の少ない首振りができるし、数回に一度の割合で「コロン…」 とボディがひっくり返る。腹部ブレード取り付け位置の副産物であろう。これはこれで面白いイレギュラーアクションだ。

 「ガバッ!」と、そのひっくり返りアクションと同時にアタックがあった。 パロットカラーのボディが水面に消えていく。慌てて糸フケを取り、フッキング!乗っている!やった、 「バルサクリンカー」でバスが獲れた!これは使えそうだ。新戦力の登場に嬉しくなる。

Get Bass by BalsaClinker!
こいつは思った以上に使えそうです!

 そこからしばらく反応が無くなったので、アンダーウォーターをチェックしようと、「スレッジ6」を結んだ。 この季節までくると、もうワームは持っていない。かなり強気である。

 「ギラッ!」ジャークを入れた直後水中で何かが光った。プラグの反射か?と思うや、 ロッドがグイッと絞り込まれた。スレッジにも来たよ…と寄せていたら、手元でバレてしまった。

 ここで上流部から帰ってきたお松と合流。釣果を聞くと、4匹しか獲っていないとのこと。エントリーポイントから出たので、 もっとウハウハな釣果を期待していたのに、少し肩透かしを食らったようであった。

 残されたポイントは下流域だけである。無言でフローターを掻き、下流部へ競うように向かう2人であった…。

【続く】