さて、下流部へ向かったのだが、一向に出ない。「バルサクリンカー」と 「スレッジ6」のローテーションで目ぼしいポイントを打っていったのだが、 最下流部で「バルサクリンカー」に1匹出ただけで、これも寄せの途中でバレてしまった。 お松は、得意の「デメタシャロー」で1匹獲っていた。しかし、最下流部で合流するまで、ついに 「もう1匹」が出ることはなかった。 エントリーポイントへ戻っていたのだが、意外にこのポイントにバスが付いているので、注意しながら接近していたら、 風で落ちた木の実にバスがアタックしているのを発見!ここはプラグサイズを落とすべきだと判断し、 「コアユ」を結んで、可能な限り遠くからアプローチをかけた。まだ、もう1匹は出せるはずだ! 「ポチュ…」何度目かのトライの際、首振りアクション中の「コアユ」が水中に没した! かなり控えめなアタックであるが、リアルなボディが水中にゆっくりと消えていくのが見える。 エントリーポイントに上陸し、少し休憩を取った後、お松と手持ちのプラグを取っ替え引っ換えしながら、アクションを 試していたが、途中で無性に眠くなってきたので、その場で大の字になり、寝てしまった。 (最近、何処ででも寝ることができるようになった) 「なんか…今、音せんかったか?」とお松に聞かれ、目が覚めた。 30分くらい寝ていたのだろうか?周囲を見渡したが、2人のフローターが置かれている以外は特に何も見当たらない。 「さあ、何も聞こえんかったで」と返事した後、もう一眠りしていた。 「来たっ!」とお松の声で目が覚めた。 見ると、私の「コアユ」をキャストし、釣っていた。 何匹も追いかけてきていたので、粘っていたら、我慢できなくなったのか、アタックしてきたそうだ。 コラコラ、人のプラグで何をする! その後、2人でプラグのスイムチェックを再開していたら、突然背後で と、轟音が鳴り響いた!ぎょっとして振り返ったら、お松のフローターがビクビク振動している。 良く見ると、アウターカバーが喫水線の個所で裂けて、そこからインナーチューブがはみ出している。 なおもアウターカバーの縫い目を裂きながらはみ出そうとして、振動しているのであった。 「うわーっ、どうしよう!」と駆け寄って、 バルブを外すお松。なんとか、それ以上の破損は防げたのだが、かなりのダメージのようだ。 どうやら、フローターを乾かそうと日にあてた結果、熱による空気膨張が生じてしまったことが原因であったようだ。 なんとも恐ろしい一件であった。もっとも、空気を抜いた後、お松と腹をかかえ、涙を流しながら大笑いした。 徹夜明けは少々の刺激でも可笑しく感じるのに、この一件は強烈過ぎた。 10時頃、「菅生ダム」を後にし、最後にGWでホゲった野池に寄ってから12時に解散となった。 (ここでは私のギル1匹のみ) 帰りの車中で、来る時感じていた倦怠感がかなり軽くなっているのに気が付いた。屋外で大いに運動し、 笑い、恐怖し、喜んでいるうちに、心身のバランスが元に戻ったようである。たまには感情の振り幅を 一杯まで刺激してやらなければいかんのだな…と痛感した次第であった。
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