『都市育成シュミレーションとしてのSIMCITY』研究レポート
レポート6〜NIMBY考察〜


 NIMBY(ニンビィ)=NOT IN MY BACKYARDの略である。
 単純な意味は「俺の裏庭には関係ない」となり、「必要性は認めるが、俺の家のそばに作るのは勘弁してくれ」という意味が本意だ。
 某攻略本にものっているのでご存じの方もいるかもしれないが、れっきとした(?)専門用語(新しいけどね)。必要性は認めるが近くにはいらない、そんなものとは・・・主にあげられるのが原発ゴミ処理場などがあげられる。当然、SIMCITYにも出てくる、発電所、水処理施設、刑務所もそれにあたる。SIMCITYに登場する建物はすべてNIMBYかYIMBY(NIMBYの逆、NOTじゃなくてYES)を持っており(併せ持つケースが多い)、地価に多大な影響を及ぼすような仕組みとなっている。

 NIMBYについてイマイチわかりづらいので簡単な説明を。たとえば
  原発に反対するのに電気をやたら無駄遣いする人
  ゴミの分別もしないし、買ってはすぐにゴミとして捨てる人
  無駄な水を使っておいて節水反対という人
  環境を大事にしようといっておきながら、節電、省ゴミしない人
 これがNIMBY(症候群)である。実際のまちづくりでは「我が村になぜ大都市のための原発を?」とか、「ゴミ処理は必要だけど、うちの近所に作ってもらっては困る」、というものがあるが、市民の言い分としてはもっともな部分(なぜ大都市のツケを農村が払わなければならないのか)と、単なるわがまま(そんなもん俺の知ったことか、他へ行け)な部分があり、後者をNIMBYとさすことが正当といえる。前者をNIMBYとして処理してしまうのは行政のわがまま(能なしともいう)である。現実の世界ではお金をもらって賛成する市民などもいるが、その点シム人は善良なので、市長に直接文句を訴えます(もしくは町を去る)。NIMBY論は語ると長くなるのでここでは詳しく述べません。オススメの本は「NIMBYシンドローム考/清水修二(東京新聞出版局)」です、こちらを読んでもらうとわかっていただけると思います。とりあえず、あとになって関わってくることもあるので、NIMBYというものは大体こんなもんだ。とわかっていただければ幸いです(手抜きだなぁ)。


 前述したようにSIMCITYでは全ての建物がNIMBYかYIMBYをもっており(もしくは両方)、それが地価に影響を及ぼすことが多いようです。NIMBYと汚染が重なると、その地区の地価を暴落させ、廃墟ビルが建ち並ぶようになる。
 NIMBY−−誰も近所にほしがらないけど、必要だからどこかに置かなければならない。それをSIMCITYでは建物にNIMBY効果と呼ばれる数値を与えて表現しています。NIMBYの数値が大きければ大きいほど市民がいやがる存在(土地)となり、地価が下落。誰も近所に住みたくないので住宅などは発展しずらくなる。例をとって説明しましょう。

 原子力発電所が住宅街に設置されたとき、地価に及ぼす効果は -110、商業地区には -80、工業地区には -30となる。マイナスはNIMBY効果、プラスがYIMBY効果となるので、住宅街が一番NIMBYが強いことになります(ちなみにSIMCITYでは原発が一番NIMBYが高い)。
 住宅地区が原発をおもいっきり歓迎してないのはわかりますが、ではなぜ、住宅地区と工業地区の間が80もあるか考えてみましょう。住宅地区が原発を嫌うのは生活の基盤である住居の近くに、死ぬ可能性もある恐ろしいもん建てるなよという非常に簡単な理由です。工業地区が住宅地区ほどNIMBY効果を気にしないのは、工業地区というものが元々NIMBYであるとともに、生産活動を支えることが第一条件なので、住宅地区ほど気にしないというのがあります。それでも原発は工業地区が感じるNIMBYとしては最大です。商業地区が高い理由は、商業は多くの従業員を抱えると共に、お客さんを集めることが大前提の地区なのでお客さんが来たくない=住みたくないのと同じ現象が働きます。しかし、住宅ほど人間活動の根幹をなしていないので住宅地区ほど敏感ではない、というわけです(もちろんこれもNIMBY最大)。

 冷静に考えるとどんなのがNIMBYかというのはわかってくると思う。誰も発電所の近くには住みたくないし、騒音や消毒の臭いを出すポンプ場なんかにも近寄りたくないし、モクモクと煤煙を出す工場には近づきたくはない。そう、市長も自分の立場になればわかるってなことだ(そればっかやな)。でも、NIMBYは地価に大きな影響を及ぼすので、効率的な都市開発(大都市にするにしろ、農村にするにしろ)をする上では覚えておくべき効果でもある。

次回はSIMCITYのNIMBYリストをのせましょうか


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