レポート26〜日本の用途地区〜 |
我が国の地域制は、用途地域を地域制の基本とおいているのはアメリカと同じである。ここでは日本の用途規制について少しだけ紹介しよう。 【用途地域制】 土地利用の現況とその推移動向を分析し、それと基本方針(マスタープラン)に盛られた長期の土地利用計画を対応させて以下のように分類される。色は住居系:緑〜黄、商業系:赤、工業系:青となっている。
この種類分けがその土地に何が建つか、を決めるものとなります。住宅しか作っていけないところや、商店の上に住宅を作ってもいいところなど、決まっているのはその為です。これはどうやって確認するか?これは自分の町の自治体の役所にいって、「都市計画図」をもらってくればわかると思います、何が建てられるかっていうのもね(こんないい加減でいいのかな)。そうすれば「何でここは工場ばっかりなんだろう?」という疑問が解決されます。そうです、用途規制とはそんなものなのです。あまりにも無責任すぎるぞ、とブーイング受けそうなので都市計画図をWebに載っけてる所を紹介しましょう→こちら。ホントは私の住む名古屋のでも載っけようかと思いましたが、まだ手に入れてないので・・・。 【特別用途地区】 全国一律の用途地域の指定では、その都市や地区の特性や個性(古い町並みとか、文芸地区とか)が維持できないところや積極的に地区特性を創出していく地区に指定される。これは自治体側が条例によって定める物なので、地元の意見を反映させて町並みを作ることが可能となる。大学のまわりにいかがわしい(笑)建物を建てないように、と規制することも出来る。文教地区、厚生地区、観光地区、娯楽・レクリエーション地区、特別工業地区、中高層階住居専用地区、事務所地区、商業専用、小売店舗地区、特別業務地区などの指定が出来る。特別用途地区は用途地域に付加して行うものなので、以下にあげる物と共に用途規制だけではコントロールできないものを補う形となっている。 【容積地域制】 用途地域の種別ごとに容積率が決められる。高度地区、高度利用地域、特定街区がある。新宿副都心などは特定街区指定されており、容積率の高い建物が集まることが出来た。 【構造地域制】 建築物の構造を決める。防火地域、準防火地域などがある。 【景観地域制】 土地や景観の保全に美観地区、風致地区、伝統的建造物群保存地区、歴史的風土特別保存地区などがある。 【その他の地域地区制】 駐車場整備地区、流通業務、生産緑地地区、航空機騒音障害防止地区などがある。 SIMCITYをやっていてもわかると思うが、容積率(建物の大きさ)は都市の交通量や住民の数をも決める可能性のあるものである。大きなビルが建てば建つほどそこに人々が移動(働くため、生活するため)する。そして渋滞が起きる。そんなことが起きないようにするのもまた用途の仕事である。 大きな工場が建てば汚染がひどくなる可能性が高くなるが、経済発展のためには必要不可欠だ、というときにも的確な用途を当てる必要がある(これはマスタープランの範疇かも知れない)。そう何でもかんでも高密度にすればよい、というわけでないのだ。高密度にすればゴミ・汚染は出るし、水や電気を大量に必要とする、渋滞も起きれば犯罪も増える(特にアメリカ)。高密度というのは生産性という立場から見れば非常に効率的だが、全てを兼ね備えた素晴らしいものではないのだ。 そう、結局はどちらをとるかなのです。だから市民のニーズにあった都市を造っていかなければならないのです。うまい具合に必要とされる密度や地区を配分することがそれに当たります。再開発なども時代の変化に合わせて都市を作り替えることともいえますね。 ぎゅうぎゅう詰めの都市では息苦しくて暮らしにくいではないですか。行政ががんじがらめにする用途規制も息苦しいかもしれませんけどね・・・そこがゾーニング紛争の難しいところです(アメリカの話)。 なんか今回はおまけチックになってしまった。SIMCITY入ってないし、ほとんど。 |
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参考文献:「中津川市都市計画マスタープラン」 「都市計画概論」 「都市計画法を読みこなすコツ」 |
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