『都市育成シュミレーションとしてのSIMCITY』研究レポート
レポート24〜住宅の密度と大きさ〜


 前回の続きだが、ここでは密度と面積もからませてビルなどを考えていこう。

 とりあえず、密度について調べてみよう。SIMCITYクラシックでは3×3マスの住宅地として選べない上に密度の選択もなかったが、SIMCITY2000になって「低密度住宅」「高密度住宅」の2種類が選べるようになった。3000になってその間に「中密度」が入るわけだが、とりあえず昔のSIMCITYの流れから見ていこう。

 SIMCITYクラシックでは前述したように密度の指定は出来ないが、地価などの影響により、密度の高い建物が建つようになった。その種類は全部で17。密度が成長することによって変わる、というプログラムになっておりこちらから密度を指定することが出来なかった

 SIMCITY2000では高密度、低密度の2種類となり、ユーザー(市長)が場所によって密度を指定することが出来るようになり、よりゾーニングらしくなりました。全部低密度で区画してみると、どんなに地価が上がろうと、大きなビルが建つことはない。大きい方がいいって?そうでもないのだ。現実には日照権とかいろいろなことがからまっているから用途指定するわけで、それを2種類の密度で再現するようになったのです。SIMCITYでは高層ビル(高密度住宅・商業地区)を空港の近くに建てると、飛行機の激突事故が起きやすいようになっていたりと、高層建築の立地についてルールがあることをシミュレーション内部でも再現している(これは極端な例だが)。また、地価が上がれば密度が上がるというものでもない象徴の低密度の高級住宅が建つようにもなった。これを郊外などに配置するとアメリカの郊外らしくなる。

 3000になり、中密度が登場。これは普通のアパートや、規模の小さいマンションなどが建つ区画である。実際も密度に関しては低層、中層、高層と分けられることが多く、日本の(法律上の)規制では低層、中高層といった分け方をする。

 このように、密度に関しても「成長していくと勝手に密度が濃くなる」から、「行政が最高密度を指定する」ようになったのがSIMCITYの流れです。これはハードウェア進歩によるものも(かなり)多いのもありますが、90年代に入り、土地利用規制が厳しくなったことも一因だと思われます(日本でも92年に用途規制が変わりました)。基本的に高密度の方が人口が増えて、収入も増えるので「良し」とされますが、実際は災害時にいっきに被害を被ったり、多くの日陰を作って道を凍らせたり(マジですよ)、少ない面積の割に多くのゴミを出したりエネルギーを使ったりするので、必ずしも高密度住宅が優れているわけではありません。それはSIMCITY3000をやればどんどんわかってくる所もある、と思います。低密度住宅に住みたい人も多いでしょうしね。


 などを踏まえて前項の続きをしていきましょう。あと、参考データを続けて載せておきましょう。
  1×1マス・・・18人〜147人
  2×2マス・・・72人〜604人
  3×3マス・・・628人〜1413人
 この人口幅は地価と密度に依存します。
 中密度のアパートを見てみよう。資料の写真によると大体R5までが2〜3階建てのアパートのようであるから、R5を例にとって考えよう。SIMCITYで中密度のアパートが建つのは2×2マスからで、大体のアパートが300人ぐらい。1エーカー当たりに換算すれば75人か。R3の最大が116室だから、ちょっと家族が少ない気もするが、最大まで増やすことをわざわざすることもない気もするので、一家族に3人以上いたりもしくは空き部屋だったりということも考慮すればちょうどいいような感じである。

 高密度のマンションでも同じことが言えるが、果たしてこの大きさのマンションがあるのかどうかは不明です。が、現実に考えて、こんな大きさ(192m四方)の敷地のマンションっていうと・・・あるかもしれないが、すべてこんな感じには思えない。日本のマンションよりも大きくて、多く収容できることはわかるが、ちょいと厳しい(庭園があるとしても)。やはりこれも低密度と同じく2個ぐらいあるものと考えるのがベターだろう。こんないい加減ですみません。


 なんかいかにもしっかりやってそうでやってない結論となったが、自分の疑問を解決するすることを目標としてやったものなのでこんなところでよしとしちゃいます(なんて勝手な)。期待にそぐわなかったかも知れませんが、時間が出来ればもっとまじめにやる時が来るかも知れないので、今回はこれで我慢してくださいな。

 ちなみに商業、工業についても同じ歴史で変わってるが詳細はことなる。これも機会があれば説明することが出来るかも知れない。

参考文献:「都市緑化計画論」
「ゾーニングとマスタープラン」
参考Webページ:「SimCity3000 Maniax」
「SIMCITY3000を楽しむページ 第一シム主義」
ニューヨーク市オフィシャルページ「NYC.GOV」

背景はNYはマンハッタン島のゾーニングマップです


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