霞拳志郎もびっくりの魔都上海と北京ダックその35 十一日目〜過酷な観光地、外灘〜 |
最終更新日 2004/1/13 |
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外灘(※)へ行く。豫園から北へ約1kmほど行ったところにある外灘は、上海観光では欠かせないポイント。それをわざわざ最後に持ってきたのは、マハに言わせると「上海最後の夜は外灘で格好良くシメよう」ということらしい。ガイドブックにも「夕日に映える外灘」が美しいとか何とか書いてある。 本当に考えていたかどうかは定かではないが、夜景ポイントでもある外灘を最後に持ってくるというのはなかなか粋なプランニングだ。この気の遣いようをどうして女性に生かせないのかとか思ったりするが、それは言わないでおこう(言ってるも同じだが)。 おお〜、これが外灘か。周辺の建物群からどこか「アジアとは違う」雰囲気を醸し出してきたが、このようなヨーロッパ風建築が立ち並ぶ姿が人々をして「魔都」と呼ばせる歴史を作ったのかもしれない(まぁ単に危なかっただけかもしれないけど※2)。 この周辺はいかにも「高そうな」ホテルやレストランがあり、ホントに上海か?と言うような感じを最も受ける場所だ(新しくて高そうな所は多いけど、歴史があって高そうなのはやはり外灘ならでは)。この差の激しさが日本とは違うところだ。 |
※中国語でワイタン、英語でバンド(築堤)と呼ばれる。いわゆる租界時代と呼ばれる時代に立てられた、ヨーロッパ風建築が並ぶ黄浦江沿いの観光地。1.5kmにも及ぶ緑地帯と建物群を合わせてそういう。 ちなみに漫画「蒼天の拳」の時代であり、よく出てくる場所でもあるので、気が向いたら(ブックオフに山ほどあるので)立ち読みしてみては?。 ※2:魔都、魔都とはいうが、それは昔(終戦までの)の上海。当時の上海は経済・侵略の基盤としてイギリス・フランス・日本などの租界(行政権と警察権を行使することが出来る地域)があった。また、アヘンとかマフィアとか・・・・・話すと長くなるなぁ。マンガ「YELLOW(宮崎信二原作・かわぐちかいじ作画)」なんか読んだ方がわかりやすいかと。「蒼天の拳(原哲夫)」でもいいけど、こっちは原センセのだから例によってかっとんでます。 |
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観光に来ている外国人も多いが、中国人のカップルも多く見られる。やっぱりこういうところにカップルが集うのは共通なのでしょうかねぇ?
とはいえまだ5時。さすがに早すぎるので、レストランを探しがてら、周辺を歩き回ることにする。 外灘の公園の半地下部分にあるお茶屋の前では、バスがずらーっと並び、日本人観光客を待っている。なるほど、中国茶を買ってくれる観光客はやはり、中国茶に親しみを持っている日本人と言うことか。まぁ「お手頃な値段」で「中国らしい」お土産に最適だものな。好みとかは別として(笑) その店に入って冷やかしをしていると、何とあれほど苦労して探していたランバダパンダにそっくりなパンダ人形が売っているではありませんか! などと驚きながらマスターと私がパンダ人形を見ていると、それを見た店員は「かわいいでしょ、一ついかがですか?」などと日本語で話しかけてくる(※4)。ランバダパンダがこんな所にあったのか!と、ややショックを受けながらもよく見ると動かないパンダ人形のようなので、逆に店員に「豫園で買ったこの人形はランバダが流れる」などと説明し、店員を驚かせる。こんなところで勝負してどうなるのかわからないが、双方微妙な笑顔になり事なきを得る。冷やかしも大変だ(違)。 そろそろ夕食時だが、ガイドブックにはこの辺のレストランのことがまったく触れられていなかったり、周辺のレストランの「相場」がわからなかったので、「値段がどれぐらいかわからないから聞いてこいよ」と中国語を結局勉強しなかった3人がマハに詰め寄る。半分イジメに近いが、マハも負けじと反発する。 しばらくケンカするも、「めんどくせーからここでいいか」ということで、外に出ていた立て看板に上海料理が書いてある店に入る。ケンカの原因などどうでもよくなる。というのも入った店が結構いい感じの店(※5)で、お値段もそんなに高くなかったからである。 上海料理・・・・小籠包は食べたので、あとは上海ガニだろ、とかみんな思ったわけだが、店員さんによるとシーズンじゃないからないらしい。なんてこった!(勉強して来いよ、頼むから。という店員叫びが聞こえそうだ※6)。そんなわけで、例によっててきとうに「上海らしい料理」を頼む。もう何を食べたのか忘れてしまったが(だって3年前ですもん)、満足の行く料理だったと思う。店名も忘れてしまったが。 気分をよくしながら、今度は夜の外灘を見に行く。外灘は夜のライトアップも凄いらしいからね。さてさて、どんな感じなのか・・・・・ |
※3:わかる人ならわかると思うが、曲よりその名前がネタに使われることの多いユニット、RO-MことRomantic Modeのこと。(最近停止した)武富士のCMで流れた「シンクロナイズド・ラブ」を作詞作曲、歌まで歌ったジョー・リノイエがプロデュースし、自身も参加したユニット。ヴォーカルは「ベイビーリップス」を歌った麻倉晶(斉藤さおり)・・・解説長ー。 余談だが、ししょうがこの旅行に「シンクロナイズド・ラブ」のCDを持ってきて聞いていた。 さらに余談だが、個人的には結構好き。Resolutionを聴いた時はビビった。 ※4:日本人観光客が多いので、中国人だろうが流ちょうな日本語を話すのはここでも一緒だ。まして、ツアーバスが寄るような所だ、そんな店員がいても不思議ではない。 ※5:綺麗で、店員が横柄ではなく、絨毯が敷いてあるのが一つの目安? ※6:その後、マハと旅行に行くが、料理にはうるさいくせに食材の季節のことはまったく考えていない性格だと気がつかされる。 |
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実は撮影枚数に限りがあったのでロクにとれなかったのだが、ここ外灘はフィルムを売っているところがたくさんあるので心配しなくてもいい(でも買わない)。また、なぜか、外灘の端の方にはフィルムメーカーのネオン看板がいくつかあったけど、狙ってんのかなぁ? この時間になると外灘にたくさん現れるのがボロボロの服を着た物乞いの子供達。とはいえ、彼らをよく見ていると、お金をもらったら親の所へ向かう者も結構いた。上海は今も昔もこのような陰を抱えているとはいうものの、その親子の間に笑みが見えたことが、昔よりははるかにいい環境があるのかも、とちょっと現実逃避的な期待をしてみる。実際の所どうかわからないけど、やっぱりここは魔都上海だった。それを味合わせてくれる外灘、やっぱり最後に来てよかったと言える。 地下鉄でいつものように帰り、寮についてから上海最後の夜を満喫・・・・などでは収まらず、昨日行った裏門の食堂にまたマスターと繰り出す私。バカウマだった宮爆(勝手に命名)をまた頼むが、今日のは辛ーーーーーっ!!「おっちゃん味付けてきとーだろ!」などと叫びながらも、チャーハンを食べながら最後の中国の食堂の味を涙を流しながら味わう(あくまでも辛すぎて)。 帰りにパイナップルをまた買っていきたかったが、甘すぎて最後まで食べるには結構きついことが判明したので、今日はドラゴンフルーツとスターフルーツとかいう普段日本では(※7)お目にかかれない果物を買って食べることに。あと寮の購買でプリングルス(もどき)と青島ビールを買ってこれぞ最後の晩餐をする。 |
※7:沖縄にはある。味がそんなに個性的ではなく、むしろ味が薄いため「マズイ」といわれることが多いようだ。ただ、美容にはいいとか何とか。過剰な味付けに慣れた世代のぜいたくとも言えるけど。 | ||||||
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・・・ちがう意味で思い出に残る、大した特徴もない味のフルーツを食べた最後の夜でした。 いよいよ明日、上海を経つ。お世話になったししょうは蘇州だか杭州だかに行っているのでご馳走するつもりが一回も出来ず、何も言わない上に記念写真も撮らずに帰ることになるとは・・・・・ま、また会う日もあるだろう(※8)。 |
※8:ししょうは2年後の同じ時期の卒業旅行で行ったマレーシアのペナン島でタカちんと偶然出会っている。世界は狭い | ||||||
《参考》今回使用したお金(円換算は14円にしました) 夕食:不明 地下鉄:3元(42円) バス:1元(14円) 夜食:不明・・・12元(168円)ぐらい? フルーツ・菓子・青島ビール:不明 |
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