霞拳志郎もびっくりの魔都上海と北京ダックその31

     十日目〜あなたは変質者ですか?〜
最終更新日
2003/9/17

 朝、というかすでに昼に近いが、普通の旅行者ではない、ゲストらしく(そうなの?)いつものようにたらたらと起きる。貧乏旅行者は朝から色々なところに行くのが基本のようだが、特に勉強していないので、どこに行けばいいかわからないのである(いいからガイドブック見ろよ)


 いつものようにブランチがてら裏門へ行き、そろそろ、ということでおみやげ用にスーパーでお菓子を買う。私はホワイトデーのお返しに、是非「珍棒(※1)」でお返ししたいとセクハラ度100%の行動を目指すため、なかなかコンビニなどには売っていない珍棒を探した。



 そんな朝ももうそろそろ終わり。いよいよ明後日には中国とおさらばすることになる。そこで、上海の観光スポットであり夜景スポットである外灘(※2)にいよいよ行くのかぁ?とか思ったりするのだが、なにやらマハししょうたちと共に今日はドラ吉の家に行く予定らしく、今日はダメ、とのことだ。

 「どうせなら行きたいところに今日の内に行っとけば?」

 とマハ。外灘が行きたいところなのだが・・・・まぁそれならそれで、てきとうにプラプラと上海を回るか、とドキドキ探検モードで旅立つことに。



 で、すぐに飛びでないのが我々。洗濯していると、マハししょうが、「真面目という名の写真屋に写真出しに行くついでに、両替してくるけど、フィルムある?」などというので、なんだそれは、と聞いたところ、名前は『真面目』という写真屋なのだが、裏で(店の裏という意味ではない)闇両替もしているらしく、レートがかなり高い、とのこと。そこでマハは現像を頼んで、ししょうは両替をしてくるとのこと。

 名前は真面目なのにやっていることはちっとも真面目じゃないという、そんな怪しげなところがあるとはさすがに上海。

 しかし、私は両替する日本円すらない(笑)。しかも、そんな怪しいところはさすがに遠慮する。とはいえ、これまで撮ってきた写真は見てみたい気もするので、写真の現像だけは依頼する。なんか、現像が下手らしいが、それは日本のレベルで見てはいけないだろう(※3)。
 いつも撮った写真(フィルム)はCD-Rにもする、というタカちんは、そんな胡散臭いところで現像は出来ないから日本でやる、と言っていた。









※1:チェンバー、と発音するからセクハラでも何でもない。しかし、そんなこと知らない人にとってはセクハラ以外の何者でもない。ちなみにこれは「プリッツ」のパクリ商品。味はかなりイマイチ。

※2:中国語ではワイタン、英語ではバンドと読む。いわゆるいわゆる租界時代のヨーロッパ風建築が並ぶ場所で、上海屈指の名所。黄浦江を挟んで向かいが浦東地区となり、それぞれの対岸柄まったく違う風景を望めるという一度で二度おいしい観光ポイント。















※3:現像というのは、薬品を使うものなので、かなり高い技術が要求される作業なのである。もちろん、薬品の質も影響する。
私は(写真屋の息子の割に)とにかく見たい一心なので、そんなところでも現像する。レベルの確認も兼ねて、だが。
「真面目」で現像するともらえるミニアルバム。
左とじのL版サイズ(普通の写真)の見開きアルバムで、
一枚一枚めくるタイプだが、小さくて以外と使いやすい。

 とはいえ、まだ私のカメラの中にはフィルムの枚数が2,3枚ほど残っている。
 そんなわけで、「よし、せっかくだから記念にこの寮の一番高いところから写した風景を撮ってこよう」、といちばん上の階にエレベーターで移動する。その際、ししょうから昨日話されていた「開かずの部屋」も見てきてね、と軽く送り出される。



 開かずの部屋どころか、思いっきり扉が開いていたぞとか思いながら、うろちょろベストポイントを探して撮影し終わった時に、掃除係のおばちゃんと、東アジアから来たと思われる留学生(これまた菓子を食っている)に囲まれなにやら話しかけられる。・・・・わからん。

 思えば困った時は愛想笑いか、マハタカちんに助けを求めればなんとかなっていたのだが、今回は一人。愛想笑いも通じるような雰囲気ではなく、いかにも顔が私を不審者と思っている目だ。まぁいい、フィルムを出せば理解してくれるだろう、とジェスチャーで表現しようとして私のカメラのフィルム巻き戻し(※4)を待っていると、なんと電池切れのため巻き戻しストップ。こんな複雑な状況をジェスチャーで表現出来るほど私はパントマイムの練習をしていない。彼女たちの視線がどんどん疑惑感に満ちあふれてくるのがわかる。かなりピンチだ。

 言葉は通じないのに、なぜこういった表情だけ万国共通なのだ?


 留学生がなにやら言って私に通じないのを見て、「Are you Chinese ?」と聞いて、私は「No, I'm Japanese.」と答えると、びっくりして

Japanese!?」と叫び放つ

 ・・・・またしても中国人に見られたのか。それにしても外国人のくせにそんなに驚くことないじゃないか。そして彼女は頭を切り換え「Can you speak English?」というので、「Yes, a little.」とお馴染みの応対をすると、「Ha〜han」となにやら納得して「Just a minutes.」と菓子を食いながら日本人の留学生を呼んできて、状況を中国語で説明して私に職務質問をさせる。「a little」はまったくだめってことかよ。

 「あの、日本人の方ですよね?」
 「はい。」
 「ここで何をやっているんですか?」
 「(悪気はないので堂々と)いや、フィルムを現像に出すから、高いところからの風景を撮って残りを減らしているんです。」
 「あ、そうですか。で、終わったんですよね。」
 「ええ、電池切れになったのでフィルムが取り出せないですけど。」

 という会話のやりとりが行われ、彼女が説明して、解散、と言うことになったが、なぜ職務質問されなければならないのか納得がいかないので、部屋に戻ってカメラに電池を入れて巻き戻しをしながらマハししょうにその状況を説明すると、「えっ、マジでいったの?」と驚かれ、その階は女子専用フロアであることを始めて聞かされる(※5)。


 先に言えよ、オイ!なに笑顔で送り出してんだよ!

 
 そうか、あの目は「変質者」を見る目だったのか。だからあんなに疑惑の眼差しだったのね。納得。・・・・なにやら怒りがこみ上げてくるな。


 珍棒をホワイトデーのお返しにしようというセクハラ行動がこんな変質者扱いのハプニングを生んだのか?

















※4:私のは始めのうちにフィルムを全部出しておいて、写した分だけフィルムケースにしまわれるプリロールタイプ(使い捨てカメラがそれ)じゃないため、すべて写し終わるとフィルムへしまうための巻き戻しが自動的に始まる。そこで電池切れが発生したからといって蓋を開けるわけにはいかない、ということである。




















※5:どうも、この留学生寮では男、女、と交互にフロアが分けられるらしい。我々のフロアは女もOKというところなので、洗濯所にブラジャーがぶら下がっていたりしたから、全部のフロアがてっきりそうかと思っていた。
女子専用階である15階から撮った写真 この写真を撮った後に捕まる
《参考》今回使用したお金(円換算は14円にしました)
 ブランチ:6元(84円)ぐらい?
 おみやげ(珍棒などの菓子):50元(700円)ぐらい?
 現像代:15元×3=45元(630円)ぐらい?
 
 
 
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