霞拳志郎もびっくりの魔都上海と北京ダックその26

     八日目〜「広さ」を感じる天安門〜
最終更新日
2003/5/6

 乾燥した中で目が覚める。布団というかシーツしかない中、Tシャツとパンツで寝れる《ら抜き表現※1》部屋だったのはいいのだが、結局いいことばかりじゃないってことやね。


 今日は夜上海行きの列車に乗るまでは北京市内観光をする予定で、イマイチどこ行くのかわかっていないが、私は北京ダックは譲れん、ということで昼だけは北京ダックを食べるスケジュールであるということだけ覚えてホテルを出る。

 マハによると今日は昨日さんざんな目にあった王府井(ワンフーチン)の西隣にある天安門(※2)へ行ってから、昼飯である北京ダックをダック屋でむさぼり食って、その後故宮博物院(※3)で広大な敷地を半日で練り歩く予定だ。

 バスと地下鉄で天安門の方へ行き、あの、天安門広場(※4)につきます。天安門広場は世界最大級の広場とはいうものの、なーんにもない所なので見て終わりです(記念碑やら紀念堂があるけど)。本当に公園と言うより広いだけの場所、広場なのだと言うことがよく分かります。しかし、北京ではまだまだ「広さ」を感じることになるのです。

※1:日本語入力支援ソフトATOKで打っているとこのように赤字で「ら抜き表現(口語だから文に使うな)」だとお節介を焼いてくれる。ただ、名古屋弁では「ら抜き表現」が普通あるという説もあるぐらい、所々の地方では標準語ができる以前から「ら抜き表現」を使っていた。
この地方では進学校以外では特に何も言われない(ハズ)。地域主義が大きくなってきたからかも知れない。

※2:言わずと知れた北京の顔である紫禁城の入り口に相当する巨大な門。毛沢東が中華人民共和国の建国宣言をした場所。

※3:紫禁城。元々が宮殿だったので故宮と言うようだ。世界四大博物館である故宮博物院は台湾にある方である。

※4:パレードや集会・デモなどなにかとよくテレビに映るが、一番有名なのは天安門事件の舞台としてだろう。
総面積40ha以上という巨大な敷地だが、それがどこまでなのか私にはよく分からない。

天安門の上から眺める天安門広場。
まるで巨大な駐車場は、集会に最適なスペースだ。
人口の多い中国ならこれを平気で埋め尽くす事ができるだろう。

 さて、そんな天安門広場を横目に、まずは毛沢東の肖像画が掛かっている事で有名(?)な天安門に登る。中国の門といえば三国志などに登場する門を思い浮かべるが、さすがにこれは明代に建てられた(正確には17世紀の清代に再建された)物なので、ちょっとデザインが異なる(というか都だから三国志でも違うのだが)。特に特徴的なのが、朱塗りであるという点だ。城壁の方は朱塗りではなく赤レンガなのだそうだが、ここまで朱色の建物も北京以外ではそうお目にかかれないようにも思う。旗も赤だし。これがパブロフの犬的に共産主義=赤(※5)をパッと連想させるものになっているのかもしれない。誰もフランス革命の時の何タラなどで色のイメージを覚えるわけではないだろう。


 さて、天安門はいいんだけど、今日はめちゃめちゃ寒い!!昨日より寒いです!(※6)風がものすごく強く、旗がバタバタとなびいています。いつもやる気がないように垂れ下がっている日本の国旗とはエライ違いです。

 天安門はまず、橋を渡って門をくぐってから、天安門に登るためのチケットを買うことになります。そうです、くぐるだけならタダなのです。とはいえせっかく来たし、中国の物価なので気にせず並んでチケットを買います。天安門は何かといわく付きの物のようなので、登るのにも厳重なチェックを受けなければなりません。正直、船で入国したとき以上のチェックを門を登るだけで体験するとは思いませんでした。よほどここは(色んなで)大事な所だと言うのがよく分かります。
 そんな厳重なチェックなので、手荷物も預けないといけないらしく、2元ぐらい払って荷物を預かってもらいます。これは一日有効だというので、夕方までそのまま預けてもらうことにします。


 天安門は観光客でごった返しており、こんな場所の目の前でデモがあるなどあまり想像できません。デモがあるときここは当然封鎖とかするんだろうなぁ。






※5:マルクスが好きな色だったとか、フランス革命で用いられた時から使われ出したとか言われている。最近はこういった表現を聞かないのはソ連が崩壊したからだろうか。

※6:ここだけの話、七日目に出した気温は今日の気温である。筆者が間違えて今日の写真を取り込んでしまった。

瓦は瑠璃瓦という黄色の物

さみーんだよ、ホントに

この橋からは渡れなかったりする

お約束の場所(デカい奴らだ)

猛烈に風にあおられる旗。音も凄い

門からも赤旗たなびく建物が見える

 まぁ、日本ではあまり味わえない光景を味わうにはいいポイントだが、門の上の建物の中はのぞけるが門は門なので、外を見る方がいいだろう。こうしてみると、北京(とこの周辺)はほんとに「広い」。日本の首都東京では味わえない「広さ」を感じる。気のせいかも知れないが、やはり広幅員道路、中層建物が主な構成であるように感じる。

 歴史ある首都はこれぐらい堂々と構えた方がいいのかも知れない。

《参考》今回使用したお金(円換算は14円にしました)
 地下鉄:3元(42円)
 バス:(たぶん)2.5元(35円)
 天安門入場券(学割):5元(70円)
 荷物預かり:2元(28円)
 
 
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