世界貿易センター崩壊と世界のニューヨーク その14

     六日目〜その後のロウアーマンハッタン〜
最終更新日
2004/1/11
 おはよ〜
 ・・・・などと言ったらすでに朝からHayatoRieはテロ現場(グラウンド・ゼロ)近くまで行ったそうな。

 KeikoYuriは(色々と思うところがあり)別に見たくないというのもあったので、行かなかったらしい。昼にグランドセントラル駅(後述)に行くため、1時にタイムズスクウェアで待ち合わせということになっているらしいので、それまで一人であの日(9.11)と同じルートをトレースすることにしました。

 ・・・行く所がないってスバラシーね!(T_T)(※)


 そんなこんなで地下鉄乗って同じ道を通ることにしました。
※:もちろん、テロのせいで予定が狂ったからにほかならない。今日の本当の予定は、メトロポリタン美術館(行った)→ソーホー→リバーサイドパーク(その内行くらしい)。もののついでにソーホーは寄れたけど・・・
ガラス張りのバス停には行方不明者
の写真と名前などが書かれた紙が
貼られてます。下にはロウソクや花
この先のロウアーマンハッタン
(マンハッタン島の南先端部)
に繋がる道は車が少ない
不思議なデザインをした建物。
三角形の土地に合わせてるのだけど
中身が空っぽに見えるのが気になる
なんでしょう、これは。
やけにデカいです。湯気出てます。
NYは地下に温水が流れてるらしいが
ニュージャージー(※2)行きの
トンネル、ホーランドトンネルは
四日経った現在も閉鎖中
Canal St.以南はまだ立ち入り禁止。
向こうに見えるのは、まだ立ち上る
WTCの煙です。こりゃ難航するわ
※2:ニュージャージー州。マンハッタン島の川向かい西にある。その名の通り、ニューヨーク州のニューヨークとはまったく違う行政区である。

 むむむ・・・全然変わってないな。むしろ燃えさかるワールドトレードセンタービルをカフェでコーヒーすすりながら見ていたようは人はいなくなり、なんとも奇妙な静けさがあります。


 もっとも、Canal St.周辺は人が多くなりましたが、Canal St.以南、すなわちロウアーマンハッタン(※3)に入ることは出来ません。なんてことでしょう、来た意味があまりありません。まぁいい、様子がわかっただけでも良しとしよう。

 確実にわかったことは、このテロにより引き起こされた影響は、2つの超高層ビルが崩れ落ちただけということではないこと。多くの人々が救出活動と周辺の復旧をし、家族や関係者は行方のわからないことに不安と嘆きが入り交じり、事件を間近で見た人には精神的外傷を与え、周辺地域の都市機能・地域経済は完全に麻痺、市政府(※4)に求められる迅速な対応、など挙げればきりがない。そういう意味で史上に残る大規模のテロだったと断言できる。

 そういった意味ではテロの成功とアメリカ政府の対処ミスというのを完全に露呈したわけだが、テレビで流れる情報にはそのようなことは全然触れない。犯人が誰であるか、生存者は、周辺の状況は、・・・そんなことばかり延々と流す。混乱なのか情報操作なのかわからないが、とにかくメディアも危機的状態に陥ればほとんど役に立たない。
 なぜなら、その時に「事実関係」だけにフォーカスを当てることが第一の仕事だからだ。そうなると現地取材+政府発表を元にするしかなくなり、国家的操作を受けやすくなる。メディア関係者は改めてそれを認識する必要があるだろう。

 もっとも、2,3週間もすれば「冷静な」報道が行われるだろう(案の定したけど)。


 Canal St.を歩きながら、「これがブロードウェイだ」と勝手に思いこんだ道路(※5)を北上する。出発が遅かったので、待ち合わせ時間を考えるとここで時間を潰している暇がないからだ。
 






※3:その名の通り、ロウアー(Lower)なマンハッタン。マンハッタン島最下部(南部)をいう。NYの歴史はここから始まった。そのためCanal St.以南は道路が格子状ではない。

※4:役所と言ってもいいけど、NYは「市消防」だけでなく「市警」を持つので、こういった表現にした。市政府が警察などをコントロール下に置くことが出来るのが日本と違うところ。今後も取り上げる予定。









※5:ウェストブロードウェイだった。ブロード(広い)ウェイとはいうものの、やけに細いなーと思ったんだ(笑)。
ちなみにウェストブロードウェイには隠れた名店が結構あるという噂。

Canal St.にあるスクランブル交差点
テレビ局の衛星中継車がいる

作業目的の車以外こないので車の
数は少ない。公園に人が集まる

やけにしょぼいなブロードウェイ、と
思っていたら、ウェストブロードウェイ

三角部分をスモールパークにして
いるので、後ろの壁絵がよく見える

高層ビル街のNYということで、
このように影がキツいところが多い

でも、たまにこんな風景を見せて
くれることがあるから憎めない?

これがブロードウェイ。
やっぱこうこなくちゃな。

向こうにかすかに見えるのは
エンパイアステートビルディングだ

 いやー、エンパイアステートビルがあんなに遠いのかぁ・・・・待ち合わせ場所のタイムズスクウェアはさらに向こうにあるのになぁ。時間に間に合うかな?

 とか思っても、地下鉄など乗らずに街並みを見ながら歩いてしまうのはナゼでしょう?
 


おお、エンパイアステートビルが大きく見える開けたところに出たぞ、
これがユニオンスクウェア(公園)か。なんか凄い人がいるなぁ・・・・

公園に入ってみると、バス停以上に
多くの人が行方不明者の貼り紙と
キャンドル、花束などを捧げて
冥福を祈っているようだ。

思いっきりゴシック調な教会。
教会は古くなっても味が出るのは
石造りだからでしょうかねぇ?
教会でも葬式をやってるようだ

 ・・・重いなぁ。想像以上に重い。だが、店などはこの辺まで来ると普通にやっているところが多いようだ(現場に近いほど休店しているところが多い)。少しずつ元気を・・・と言うところだろうか?ユニオンスクウェアを見る限りまだまだの気もするが。


 重いロウアーマンハッタンを出て、観光のメッカ(というより買い物か?)であるミッドタウンへ。まだまだ3kmもあるのに、待ち合わせ時間まではあと30分切っている・・・悠長に写真など取っている暇などないはずなのだが、これから待ち受けているのはもっと「絵になる」場所だ。


 大丈夫か、俺!走れ、俺!
《参考》今回使用したお金($1=120円で計算)
 地下鉄:1.5ドル(180円)メトロカード払いね

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