これは、製作者の1人、みずき名の話です。 不覚にも、書いているのも本人です。 さてみなさん、人生の課程では通勤、通学というものを結構体験するものですね? そのとき、徒歩、バス、チャリ、電車など様々なものを利用していると思います。(徒歩の人は足ね)でもって、僕は電車を使って通学していたのですが、悲劇が起こってしまいました。今回はそのお話です。 私の住んでいる地区は、非常に田舎なので、電車が 一時間に一本の割合でしか出ていません。これは都会人には、考えられないことと思います。このつらさは、体験しないとなかなかわからないかもしれません。 例えば、「さあ、帰ろう!」と思って時計を見たところ、発車時刻を5分過ぎていると、一時間待ち決定です。また、いつもは交通量の少ない道路の向こう側に駅があり、そこに電車は来ているのに、わたれず、目の前で電車がいってしまう、なんて多々あることです。 そんなこんなで、電車人は血ナマコになって、時計と睨めっこしながら生活しているわけです。私も例外ではありません。 そして、事件は起きてしまいました。 私はとても急いでいました。もちろん、電車の時間の関係です。見たところ、あと10分もありません。私の足で歩いて7分ほどなのですが、あいにく、私は帰る準備というものが一切出来ていませんでした。 これは結構焦ります。しかも、私の居場所は校舎の4階でした。 急いで机の上にある体操服をバックにつめこみます。 しかし、私の目の前に居たT君が真実を言い放ったのです。 「それ、おれの体操服」 あうち!……… 急ぐあまり、私は他人の体操服をバックに詰め込んでいたのでした。 のこり8分を切る。 私に考えている暇はありませんでした。 「ごめん!」と誤った後、猛スピードで体操服のかき出し作業を行い始めました。 仮にも他人のものです。結構丁寧に扱っている……暇はありません。 かき出し作業を終え、自分の体操服をバックに詰め込みます。今度は間違いありません。 のこり約6分。 私は半ばパニック状態で部屋を飛び出し、かけだしました。 かなりヤバイ状態です。電車人は分単位で計算して行動しなければなりませんが、 この状態では自分の時計さえもうたがってかからなければなりません。 はたして、本当に約6分なのだろうか? と疑いながら、走っていました。 その甲斐あって、なんとか間に合いました。しかし、悲劇はこれでは終わりません。 「乗車券を拝見しまーす」 と車掌さんがやってきました。 私はいつものようにポケットに手を突っ込んで、財布を取ろうとしました。 しかし、いつもの感触がないのです。 財布がない! そうなのです、財布がないのです。 何処を探してもなく、私は連れのSさんにお金を借りて事無きを得ました。 翌日、学校に行くと、私が「ださかつ」にされていました。 そして、財布は「御神体」と称し、祭られていました。 かくして、四代目は誕生しました。 |
くだかれたボランティア精神 | 善意に反比例した常識 |
「がちゃ!」緊張の面接 | 忘れ去られた御神体 |
横断歩道の魔物 |
紅帯(あかおび)誕生物語−前編− |