まず、ださかつ初代のお話です。なぜ、ださかつ初代が誕生したのかということについて話します。 僕の友人の中に2名ほど「献血の鬼」がいます。彼らは成分献血しかしません。 献血には、色々と種類があるのですが、彼らは「成分献血」しかしません。理由は簡単です。成分献血についてくる景品が一番豪華だからです。 彼らは、二週間経つと必ず市内の献血センターにいっていました。そんなある日、S君(後にださかつ初代)も、二人に拉致られ、 献血センターへと行くことになりました。S君には、少なからず「ボランティア精神」というものもあったと思います。 献血センターでは、いろいろなサービスがあります。といっても、彼らは、一番サービスのよい献血センターを選んでいっていました。 まず、ジュースとお菓子がただです。雑誌も置いてあります。実に居心地のいいところです。 献血をする前に簡単な検査を行います。この検査である程度の健康状態を見るの です。献血の鬼の一人、Z君は徹夜でカラオケに行き、その後で献血センターに行ったのですが、無事に献血することができました。彼がすごいんでしょうか?検査が失敗したのでしょうか? それはさておき、ここでS君も初めての検査を行います。 検査の結果が出るまでに多少、時間がかかります。その間、お菓子を食べたりジュ ースを飲んだりできます。がやがやと献血センターはにぎやかなものです。 名前を呼ばれたら次の検査という具合で、最後にOKサインがでて、はれて、奥の献血ルームで献血ができるという仕組みです。 「T.Sさん」 ついに初体験のS君の名前が呼ばれました。 係員にある程度説明を受けていたようです。彼は緊張していたのかもしれません。 しかし、様子が変なのです。 帰ってきた彼の顔は、よい表情ではありませんでした。 「献血できない」 それが、献血センターが断腸の思い出した決断でした。せっかく来てくれた 「二十歳の献血」というキャッチフレーズのCMの意味すらありません。 なんのためにCMを行っていたのでしょう。金も馬鹿にならないはずです。 しかし、断ったのです。 そう、断ったのです なぜならば、S君は風邪気味だったのです。S君の体調を優先させた結果でした。 この献血センターには、S君一人で来たわけではありません。ましてや、S君が一人献血するわけではありません。 他の友人達は全員無事に献血ルームで献血を行うことになりました。その間、S君は一人、待合室でジュースをすすり、たそがれていたそうです。 帰り道、友人に「ださかつ」と連発されたそうです。これが「ださかつ」の 幕開けになろうとは予想していませんでした。彼は二代目ができるまで「ださかつ」 としてがんばることになります。 |
くだかれたボランティア精神 | 善意に反比例した常識 |
「がちゃ!」緊張の面接 | 忘れ去られた御神体 |
横断歩道の魔物 |
紅帯(あかおび)誕生物語−前編− |