■Ⅴ、まとめ


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 今回の調査記録や分析の結果を見ると、テレビ番組の視聴によって起こりうる私たちの日常生活においての影響というのは、明確には判断することは出来なかったが、いくつかの要因は分かった。

 大半の小学生は、家庭や学校でも楽しく過ごしている元気な姿が把握された。しかし、該当数は少ないものの、学校が楽しくなかったり(7%)、性格のこと(17%)や友達のこと(14%)で悩む小学生がいる。また、テレビの長時間視聴(5時間以上が13%)や、ほとんど毎日11時過ぎまで起きている(14%)、イライラすることがよくある(19%)など、何らかの問題状況を抱えている可能性のある小学五年生もいる。それら個々の事象を取り上げただけでは問題の有無は分からないが、複数重なることで、問題が生じる場合も考えられる。

 またこの調査で要因間の関連をとらえることは出来るが、因果の方向性を見出すことは出来ない。社会的ルール違反を容認する子供や不安な気持ちの現われの高い子供が多く示している回答を、彼らの特性として位置づけてはいるが、それらの要因間の関連の仕方、つまり、どの要因が直接要因、あるいは間接要因、周辺要因となるのかについての検討は、今後の課題である。