西洋では、科学が発達しましたが、学問全般で西洋のものが優れていると言えるでしょうか?僕は、哲学、歴史といった分野では、西洋は東洋(東アジア、主に中国の古典)の足元にも及ばないと考えています。西洋では確かに、科学技術が進歩しましたが、哲学、歴史といった分野はあまり進歩しておらず、そのためものすごく偏っている国々になってしまっていると思います。
はっきり言って、司馬遷の史記に対抗できるような西洋の古典があるでしょうか?また哲学について僕は、孔子とソクラテスが同じような感じで、墨子とは西洋ではやっとマルクスで追いつくといったところで、西洋には荘子に対抗できるような人物がまだ現われていないと考えています。中国の古典がとても練られているのに対して、西洋のものはあまりにも未熟だと考えています。
科学技術は、哲学のようなものをしっかりと修めたうえで、扱っていくべきもので、現在非常に危険な状態なのではないかと考えています。日本は本来、そういった良いものをもっていながら、現在西洋的なものに偏りすぎていると思います。
僕は、ソフトウェアの開発にかかわる仕事をしておりますが、こういった最先端を扱う仕事には、確かに技術的には優れたものを持っているんだけど、人間的に問題あるなと思われる人が多いように思います。最先端の技術と人間性を両立させるのは非常に難しいことなのかもしれません。こういった技術者は特に、中国の古典、史記、三国志、荘子といったものを読むべきなのかもしれません。
2000年01月17日 田部井保