現在、宇宙論としてビックバン宇宙論が大きな地位を占めているが、僕にはどうしてもこの宇宙論が信じられない。そして、ビックバン宇宙論にかわる理論をずっと考え続けていたのだが、最近新しい宇宙論を考えついたので、ここで発表しようと思う。
ビックバン宇宙論では、赤方偏移(地球に届く光が遠くにある天体のものほど波長の長いほうにずれる現象)をドップラー効果(解りやすいところでは、救急車が遠ざかる時の音は、実際のものよりも低い音=波長の長い音になる)によるものとして、地球から遠く離れた天体ほど高速に遠ざかっているとしている。しかし、本当にそうだろうか?それに宇宙には大きさがあるとしたら、その外に何があるのかを示さないとあまり意味がないと思う。
僕は、ここで新しい仮説をたてた。とりあえず、光摩擦理論と言っておこう。どういう仮説かというと、光がある光源に向って進むとき、少しずつエネルギーを奪われ、結果として波長の長い(エネルギー的にみて小さい)方にシフトしていってしまうという理論である。そして、この時奪われたエネルギーが宇宙背景輻射(宇宙空間全体で観測される、極低温の物体から放射されるのと同じ電磁波)となると考えている。まるで、光どうしの摩擦によって、エネルギーが奪われるようであるので、光摩擦理論と名付けた。
実は、この他にもう一つの仮説があり、こちらは光減衰理論とでも言っておこう。これは、光摩擦理論のように光がある光源に向って進む場合でなくても、光がとても長い距離を旅する間にだんだんとエネルギーを奪われ、波長の長い光にシフトしていってしまうというものである。これも同様に、奪われたエネルギーが宇宙背景輻射となる。
この2つの仮説ならば、遠い天体からの光ほど波長の長い方にシフトするのが自然であり、僕は現在この2つの理論のうちのどちらかが、正しい宇宙論であると考えている。
2000年01月13日 田部井保