第10話


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一時帰国から戻った私は、すぐそこに迫った大学への準備を始めました。大学のオリエンテーションに参加して、これから通う大学を下見したり、生徒証を作りに行ったりと、授業が始まる前の色々な手続をこなしていきました。その合間を見ては、今までの学校で知り合った友達と会い、情報交換をしていきました。私と同じ学部に進学する友達は、いなかったのだけど、それでも同じ大学に進学する友達は、かなりたくさんいたので、みんなと一緒に出来る事は、なるべく一緒にしていきました。それというのも、他に友達がいなかったというのが大きいですね。今までの留学生のための学校で知り合った人しか、友達と言える人がおらず、オージーの知り合いも全然いなかったので、結局留学生同士で集まっていました。
実のところ、私の英語のレベルは回りの友達よりもまだ劣る感じでした。母国で、英語での授業を受けていた人が多かったので、みんなかなり英語ができていたので、本当に自分の英語力で大丈夫だろうかという不安はありました。それとやはり、友達ができるのかという不安もありました。私が進むコースは、ほとんどと言っていいほど、留学生がいないコースで、クラスほぼすべてが白人のオージーが占めるというコースだったので。今までオージーと一緒に授業を受けた経験もなかったので、分からないことだらけのスタートでした。
授業が始まる前に、ホームページ上で買わなければならない教科書が発表されていて、そのいくつかを購入したのですが、その本の分厚い事。内容もかなり難しいなと思いましたね。それらを考えて行くと、どんどんと不安になっていきましたね。しかも、回りに自分と同じコースに進む人もいなかったので、相談できる人もいないし。
それでも、時間は経ち大学が始まりました。今でも、一番初めに受けた講義は忘れられないですね。クラスのほぼすべてがオージーであり、先生がコースの概要を説明してくれて、軽く講義をしてくれたのですが、これが今まで自分が求めてきたものであったのだって思いました。今までは、大学に進む為の勉強であって、実際には自分がやりたいと思う勉強ではなかったのです。それが今授業を受けているのが、まさしく自分が勉強したいと思ったことであったのです。まず、なによりもそれが嬉しかったです。コースに対する不安や、回りの人に対する不安、英語に対する不安、色々あったけどそんなことよりも、今自分がここで勉強できているという事が正直嬉しかったですね。
それでも、これからもっとがんばっていかないとっていうのを実感しました。英語にしてもそうだし、自分から話しかけないと友達も出来ていかないだろうし。英語は、特に今まで聞きなれることがなかった、オージーとの会話ですね。話すスピードも速いし、使っている単語も違うし、本当にぼうとしていると、全然聞き取れていなかったですね。留学生だけの学校だと、日本人というだけで、他の国の子達が興味を持って近づいてきてくれたけど、でも、オージーの中に入ってしまうと、日本人だからって特別興味を持たれるわけでもないし、積極的に自分から話しかけないと、誰にも振り向かれないって痛感しましたね。
色々とがんばらないとって思うことはあったけど、自分が憧れであった大学に進学も出来、自分が勉強したいと思った事と出会えたっていう事が、自分に力を与えてくれてましたね。




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