■英語を使ってみよう

Scotish Parliament (物議をかもしながら建設中)と Palace of Holyroodhouse


略語に関する話題

 一度分かってしまえば何でもない簡単な単語なのに、さっぱり意味が類推できない……。それが略語の困ったところですね。私もよく意味が分からず、適当に意味を想像して、痛い目にあったりします。このコラムが「?」を「!」に変えるお手伝いになれば幸いです。気づいたものを少しずつ追加していきます。(学術論文に用いるラテン語起源の略語は対象外とします。)

2, 4 広告物などに、たまに、「2 LET」とか「4 you」とか書いてあるのは、「to」、「for」の当て字です。
AA その1:単三乾電池。
その2:Automobile Association (日本でいうところのJAF?)。
APR. Annual Percentage Rate の略です。実質年率のことで、日本でも貸金業は表示を義務づけられていますよね。割賦販売商品によく見かける表示です。
ASAP As Soon As Possible
BST British Summer Time
DHT (エディンバラ大学以外の方には無関係でごめんなさい)David Hume Tower のことですね。同様に、例えば AFB は Adam Ferguson Building、KB は Kings Buildings のことを指します。何の断りもなしに書かれているので、最初はちょっととまどいます。
DOB Date of Birth のことです。
EH エディンバラのPost Code (郵便番号)の上二桁です。(Post Codeの例:「EH1 1QB」) あらゆる住所(通りの名前)に、Post Code が割り振られています。(ごくまれに、「Edinburgh 1」などと古い郵便番号をお書きになるお年寄りがいらっしゃいますが、これでは配達が遅くなってしまいます。)
FOC free of charge。例えば、「5歳以下は無料」などの説明書きにたまに使われています。
GP General Practitionerの略で、町医者さんのことです。
L 車に貼り付けてあります。Learning Driver の略です。
MSP Member of Scottish Parliament
O.A.P Old-age pention (pentioner)の略です。パブで、「O.A.P.は割引」とか書いてあったら、高齢者割引のことです。
PAL 一応略語なのですが、通常、日本語でも「パル方式」と呼ばれます。ヨーロッパで普及しているカラーテレビの送受信方式の一種です。日本・アメリカはNTSC方式です(つまり、日本のテレビは使えません。)。ちなみに、「PAL 2」と表示のあるDVDソフト(通常イギリス国内で販売されているもの)は、日本から持ってきたノートパソコンで鑑賞できます。(「2」は、ヨーロッパ・日本共通のDVDのカントリーコードです。)
pcm per calendar month の略です。家賃によく見かける表示です。
p.p per person
pppn per person per night
Q queue のことです。「Please Q here.」
S.A.E. self addressed envelope (自分の宛名を記した返信用封筒)
Sky 衛星放送のSky TV のことです。Flatmate 募集の欄に、「居間でSkyが見られます」と書いてあってもサンルーフのことではないので念のため。
SNP Scottish National Party。
STB Scottish Tourist Board の略です。この政府機関は、現在は「VisitScotland」という名称ですが、一般的には、「Scottish Tourist Board」のほうが通用します。例えば「STB ★★★」と看板に書いてあれば、スコットランド観光局3つ星認定の施設(5つ星満点)という意味です。
vet veterinarianの略で、獣医師、動物病院、獣医学科のことです。

テキストメール(イギリスの携帯電話から打つメール)の略語集

ASAP as soon as possible
cya/cu see you
luv love
oic Oh, I see.
OMG Oh, my God.
lol laugh out loud
gotcha got you
sup what's up.
l8r later
w8 wait
ppl people
jk just kidding
c[T] cup of tea
c[C] cup of coffee
u you
2nite tonight
gr8 great
m8 mate
4ward forward
2 to, two, too

スコットランドならではの単語

 辞書に載っていないことが多いです。気が付き次第拡張していきます。私は実はほとんどイングランドに行ったことがなく、何が方言で、何が標準英語なのかよくわかっていませんので悪しからず。

, but 「, though」のように語尾に否定接続詞がつくことがあります。(地元の人によると、あまりよい用法ではない方言です。)知らずに、「次に何か逆のことを言うのかな?」と待っていると、意味不明なお互いの沈黙が続くことに……。
Caledonia スコットランドのラテン名です。ホテル名などによく使われます。(ちなみに、フランス語ではスコットランドはなぜかEcosse)
cask strength Malt Whiskyの大分類の一。原酒のまま、アルコール濃度を調整せずに50%程度のまま瓶詰めされているウィスキー。わざわざこのように売られているということは、薄めずに飲むためでしょうか?体をこわしそうです。なお、なぜか水をかなり足して飲んでも、なお度数が強いような気がするのですが、気のせい??
clan スコットランドの氏族制度のことです。「派閥」を表す言葉に転用されて一般英語化していますよね。
craig 山です。crag(岩山)からの派生。苗字にも多いです。
Holyrood Scottish Parliament の所在地から転じて、スコットランド議会のことを指します。(Westminsterと同じ用法)
gardyloo フランス語語源。昔、Old Town で汚水を路地に捨てたときの注意喚起のかけ声。
glen 谷のことです。(例えば、「Glen Coe」)。ウィスキーの銘柄でもよく見ますよね。
Highland スコットランド北部の大部分を指し示す雄大なイメージを帯びた地名です。私見ですが、以下のように非常に多義です。
  • Highland Malt Whisky の産地としての Highland……これは、「ローランドモルトではない」というぐらいの意味なので、非常に広い地域が含まれます。
  • 地理学的見地からのHighland……Perthshireを越えたあたりから地形がみるみる急峻になってきます。このあたりから北の地域のことを指すようです。
  • イングランドに反旗を翻し続けたHighlanderのふるさととしてのHighland……この場合、Sutherland東部などの、北の地域でありながら土壌の肥えた比較的平坦な地域をも包含するのかどうか若干疑問です。
  • スコットランドの一行政区域としてのHighland……とあるlocal authority(一市町村)の名称です。最も狭義ですが、それでも日本一広い奈良県十津川村よりさらにずっと広い!「Higjlandにようこそ」という看板は、地理的観点からのHighlandと、行政区画としてのHighlandの2種類があり、ドライブしていると、何度も同じような看板に出くわして不思議に感じることがあります。

なお、Orkney 諸島はバイキング文化に属するため、Highlandに分類されないことが多いようです。

James Thin エディンバラの South Bridge にあった歴史のある書店です。Blackwellsに買収されました。しばらくの間、屋号は James Thin のままだったのですが、現在では、看板もBlackwellsに書き換えられ、内装も近代的に一新され、面影が薄くなってしまいました。
loch 湖のことです。最も有名なスコットランド方言。「ロッホ」と発音します。(例えば、「Loch Ness」)
Mc, Mac 「息子」「末裔」という意味です。McDonald (MacDonaldと綴る姓も)は、Donald族の末裔を名乗る人々です。 macintoshも苗字(McIntoshと綴るバリエーションも)です。
なお、電話帳・辞書その他のIndexには
・綴りにかかわらずMacと書かれているとみなして、配列する。
・Mc の部分を無視して、苗字を構成する次の部分からアルファベット順に配列する。
等の流派もありますので気をつけて下さい。
Midlothian エディンバラ市が属していた県名です。今は廃止され、単なる地理的呼称となりました(日本における「郡」のような意味合い)。この場合、エディンバラ市を除いた周辺地域のことを指すことが多いようです。なお、旧Midlothian県は京都府と姉妹県だったため、現在では、エディンバラ市がその地位を引き継ぎ、府と市という不思議な姉妹都市関係になっています。なお、「123 XXX Street, Edinburgh Midlothian EHX XXX」という宛先でも手紙は届きますが、通常は「Midlothian」の記載は不要です。
O' 「of」を意味します。特にアイルランド方言では苗字を構成します。
outwith 「outside」を意味します。方言と侮るなかれ。百貨店Jennersのパンフレットにも「outwith the UK への配達については……」と書かれています。空間的な意味だけでなく、抽象的な意味にも使えます。例: 'The delay of buses is outwith our control.'
Pans 地名です。例えば、「Joppa Pans」「Preston Pans」。教会の領地だった名残の地名だそうです。(Preston ではなく、Pans のほうに強勢があります。プレストンパーン)
Rector (スコットランドの)大学における名誉学長。公選されます。
Scotsman Scots はスコットランド人を指す一般名詞ですが、Scotsmanは、スコットランド騎士を指します。もしくは、スコットランド人に対する敬意が込められています。地元新聞の名称(The Scotsman)でもあります。
ちなみに、「The Flying Scotsman」は、ロンドン・エディンバラ間を最高時速160kmの速さで結んだ蒸気機関車時代の花形列車の名前です(1963年にディーゼル化しましたが、愛称は今でもそのまま使われています)。
Slainte 「健康を祝して乾杯」(おそらく最も有名なゲール語の語彙の一つです)
southern part of Britain イングランドのことです(文脈によってはWalesも包含する。)Wales を明示的に包含する場合、「the rest part of Britain」とも。ちなみに、スコットランド自身を「northern part of Britain」とは言わないです。
stance バスを待つ場所など。要はstandです。
Still Game BBC Scotland で放映されたローカルコメディです。強いグラスゴー訛りが特徴(こちらの暮らしに慣れてくると理解できます)。'Chewin' the Fat' という前作も好評だったとか。出演: Ford Kierman, Greg, Hemphill, Paul Riley

お薦めの本: Corbett, J., McClure,, J. D. and Stuart-Smith, J. eds. (2003) The Edinburgh Companion to Scots. Edinburgh: Edinburgh University Press. ISBN 0 7486 1596 2

※ちなみに、Scotlandは「」です。スコットランド人は、

 です(Scottish Election Survey (1997))。間違っても、「English」と言ってはいけません。


数字を判読しよう

 文字は文脈や全体の綴り字から判読できることも多いですが、数字はお手上げ。電話番号をせっかく教えてもらったのに、間違い電話なんてことはありませんか?nativeの手書き文字をいくつか収集してみました。

コンピュータ関係の人で、「o」(オー)と間違わぬよう、中に斜線を入れる人がいます。この場合、「Q」と間違わぬよう。

日本風に上端を尖らせて書いて7と間違われぬよう気をつけましょう。

6と間違えかねない悪筆の人も……。縦棒と斜めが上端でつながった書き方はあまり見かけません。

現地の人にさえ「3にしか読めない!」という悪筆も。

「4」である可能性も疑ってみましょう。

1と区別するため、縦棒に斜線を入れる人がいます。


ローマ数字を読みこなそう

こちらの銅像にはよくローマ数字で年号が書かれています。これが少々難解です。でも、基本が分かればカンタン。トライしてみましょう。

基本: I (1), V (5), X (10), L (50), C (100), D (500), M (1,000)
ルール1:大きな数字の後に小さな数字(e.g. VI, XII)→両者を加える
ルール2:大きな数字の前に小さな数字(e.g. IV, CM)→後者から前者を減ずる

つまり、
・ I (1), II (2), III (3)。でも IV (4)。
・ VII (7), VIII (8) 。でも IX (9)。
・ XX (20), XXX (30)。 でも XL (40)。
・ LXX (70), LXXX (80)。 でも XC (90)。

実践編:
MMIII (2003年), MLXVI (1066年), MDCCCXII (1812年), MCMLXXXIV (1984年), MDLVIII (1558年), MDCCIII (1703年), DCCCXIV (814年), MCMXLV (1945年), MCMXIV (1914年), MDCCLXXXIX (1789年), MCMXCIX (1999年), MCDXLIV (1444年)


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