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 2001/09/27

 明らかに向こうが悪いのにこちらが謝らなくちゃならないという社会のルール。言ってみれば怒ったもん勝ちの世界。今日も一つ、あまりにも理不尽な怒りを私にぶつけてきた人がいました。受話器からは耳をつくような怒鳴り声。電話の向こうの彼の顔はきっと紅潮しているに違いありません。とりあえず謝っとけ。この状態じゃ何を言っても無駄だよ。落ち着いた頃にもう一度話をしよう。相手は基本的に悪い人じゃないし、きっと分かってくれるさ。そう自分に言い聞かせて「申し訳ございません」「ごめんなさい」を繰り返す私。


 本当はこちらこそ感情的になりたいのに。一人の人間として彼にぶつかっていきたいのに。それでダメならダメでいいじゃないと本心では思っていたりするんですけどね。でもそれによっていろんな人に迷惑がかかる。失うものが大きすぎる。自分の成し遂げたいことがパーになる。だから理不尽だと分かっていても我慢するしかない。もっとも、話があまりに理不尽過ぎるからこそ、こんなに冷静になれるんだと思うのですが。


 でもなー、「こっちは知り合いに弁護士がいるんだよ!!」とか彼が言ったのには正直参りました。いや別に、訴えられたら困るとかそういうのじゃないですよ。そんなこと言われて怯むような人間だと私は思われていたのかなぁと思ってね。少し寂しかったです。

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 上司から来年度の転勤を匂わせるようなことを言われました。それも小声で、さらに真顔で。うーなんだヨー、なんでそんなコソコソと話すんだヨー、やめてくれヨー(泣)。


 まぁ私の場合、転勤て言ったって動くところは数限られているので、行き先はだいたい見当がついているんですけど。でもなぁ、まだ半年先の話ですよ。今そんなこと直接言われたら、進めている仕事もやる気もなくってくるっつーの。まったくぅ、何のために上のようなこと我慢していると思ってんの!?

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 以上、愚痴日記はおしまい。

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 久下惠生 『KUGE. a very-disco golden greats of Kuge Yoshio』、大熊亘 『豚の報い』、ya-to-i 『The Essence Of Pop-Self』。今週はこの3枚を取っ替え引っ替え。


 久下惠生はドラム・ソロ・アルバム。マヘルとかPUNGOとかシェシズとかで叩いていた人らしいです。のっけからいわゆるドラムソロらしい曲で始まったので「どうかなー最後まで聴けるかなー」とちょっと心配になりましたが、中盤以降は曲ごとに変化があり、最後まで意外と飽きることなく聴ける作品になってます。エフェクトとかもかなりキモチイイし。どうなんだろ、ここら辺はプロデューサー向島ゆり子とエンジニア内田直之によるところが大きいのかな。よく分かんないけど。


 大熊亘は同名映画(崔洋一監督作品)のサントラ。ココで試聴してみたら凄く気に入っちゃって。クラリネットとかサックスとかがもの悲しくて、なんかとてもリリカルな曲が多いです。ロードムーヴィーのような乾いた感じもあり。全体的には佐々木彩子 『あおいとこ』と雰囲気がちょっと似てるナーと思いました(いや違うか)。シカラムータの新作がこの秋にリリースされるそうですが、そちらも是非聴いてみたいです。


 ya-to-iは山本精一+岡田徹+伊藤俊治の3人によるユニット。地に足着いたpal@popてな感じでとてもキモチイイ曲ばかりです。3枚の中で最も愛聴してます。もっとも、3人それぞれの個性よりも女性ヴォーカルに耳が行ってしまうんですけど、それは私の悪い癖でしょうか?


 2001/09/24

 沢田太陽インタビューを読んで分かったのは、彼は自分が「良い」と思うものを「良い」と伝えることがもの凄く下手なのだということ。そして彼はそのスキルを補うべく、無意識に(あるいは意識的に)自分の嫌いなものをコケにするという行為をとってしまうということ。「言いたいことがよく分からない」と素人から突っ込まれてもまったくめげない、この強靱な精神の持ち主は、単なる無神経なオッチャンなのだということ。


 ただ、あれだけ批判を受けるような言い方しておきながら、自分の掲示板で「僕の発言とかにいちいち腹立ててここで文句とか書かないでくださいね。」とか書くってのはどうなんでしょ?批判に対抗するのには体力が必要ですから面倒くさがる気持ちも分からないではないけど、音楽の事を書く・話すことによって収入を得ている以上、それは社会的責任として全うしてもらいたいよな。素人じゃないんだから。


 …あ。もしかしたら彼があれだけバッシングを受ける理由は、彼の「プロっぽい態度をとりながらもプロ意識が欠如している」という、その一言に尽きてしまうのかもしれませんね。ミュージックマガジンやクッキーシーンが「音楽雑誌とは」とか「音楽ライターとは」とか書きたくなる理由が少しだけ(ホント少しだけ)分かったような気がしました。

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 生で観た彼女は想像以上に小さく細く、しかしバンドから繰り出されるサウンドは想像以上に大きく太く。イノトモのライヴは良い意味で裏切りに満ちたものでした。ジェイムス・テイラー 「Don't Let Me Be Lonely Tonight」とフェアグランド・アトラクション 「Allelujah」のカバーが彼女のオリジナル曲以上にイノトモらしいとも思ったり、いったい私は彼女にどんなイメージを持っていたんでしょうねまったく(笑)。機会があったら今度はギター(orギタレレ)1本でのライヴを観てみたいです。


 2001/09/20

 CodeRedに続いて今度はNimda…。もー仕事増やさないでくださいよぉ。

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 ADSL開通しました私んち。うん、速い速い。


 今回ADSLを申し込んでみて驚いたのは、プロバイダー(ODN)の対応の迅速さ。8月下旬にオンラインで申し込み、その4日後には申し込みを受け付けた旨の書類が届き、その次の日には利用可否およびNTT工事日が書かれた書類、またその次の日にはモデム、さらにその次の日にはサーヴィス利用案内と、1週間もしないうちに開通を待つだけの状態になってました。ODNがADSLサーヴィスを始めた今年3月頃、対応の悪さを指摘するものがネット上でもチラホラみられましたが、プロバイダーも改善に努力したんでしょう。ODNさん、ホントご苦労様でした。でもオンラインで申し込んだのにオンラインでのレスポンスがないというのも、なんだか変な気がしましたよ(笑)。


 でもって私のところの環境ですが、試しにココで下りを測ってみたら、最高データ転送速度が786.43Kbps(96.00KB/sec)、平均データ転送速度が665.54Kbps(81.24KB/sec)と、ODN公称1.5Mbpsの半分程度でした。でもまぁとりあえず快適だし、まずは良しとしますかね。つーかこれ以上早くなったところで今の私にはあんまり意味がないような気がしますし。

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 ジオグラフィック・レーベルのコンピ 『YOU DON'T NEED DARKNESS TO DO WHAT YOU THINK IS RIGHT』。全体的な雰囲気は『TONE POEM ARCHIVES』に近いような気がしますが、マヘル・シャラル・ハシュ・バズを初めとする良い意味でモサモサと抜けの悪い曲が並ぶところがいかにもパステルズ主宰のレーベルらしく、独りニンマリとして聴いていたりします。ケヴィン・シールズの新曲、そしてインターナショナル・エアポートやアペンディックス・アウトといった名前だけしか知らなかったアーティストの曲が聴けるというのも嬉しかったり。


 中でも個人的なベストトラックは、ビル・ウェルズ・オクテットによる可愛らしいジャズナンバー「Wiltz」です。脱力アーティストに囲まれているからというわけではないと思いますが、のほほんとした中にも凛とした佇まいが感じられる曲になっていて、なぜかこの1曲だけを何度も何度も繰り返して聴いてしまいます。


 結構期待していたケヴィンの新曲は、どこまでもケヴィン、てな感じ(笑)。ライナーにマイブラ新作の話が出てますが、はて、本当なのでしょうか↓。


 At the moment he's rebuilding his studio and planning a Kevin Shields album and a new My Bloody Valentine album ( to be recorded when they're all in thier 40s ).


 2001/09/15

 TVを横目で見ながら、現実逃避をするかのようにスタイルシートをいじってみたり。空気公団 「夕暮れ電車に飛び乗れ」を聴いたら、突然昨日が懐かしくなって涙がこぼれてきました。

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 怒濤のように感情を言葉で吐き出した先週末。結局それが原因で関係が疎遠になりつつある人が約2名。○なら○、×なら×、私はその答えが欲しかっただけなのですが、ただ少し独り善がりな感情をぶつけてしまっていたのかもしれません。反省猛省。


 今私にできるのは、何もなかったかのように普段通りの生活をすること。今まで通り普通に接すること。だって、これ以上わがままに感情を表に出すことによって2人を不幸にはさせたくありませんから。…てもしかしたらこれだって独り善がりなのかもしれないけれど。

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 定禅寺ストリート・ジャズ・フェスティヴァルのSaturday Night Jamで初めて観ました渋さ知らズ。凄い。ホントに凄かったです。渋さ登場前の2グループの演奏の時は、まわりに並ぶ屋台でビールを飲んだり、串焼きを食したり、煙草をふかしたりとしてたのですが、彼らの演奏が始まった途端、津波のようなグルーヴに私は完全に呑み込まれてしまっていました。CDの10倍どころの話じゃなかったですよMASAさん(笑)。もちろん、程良く、いやかなり酩酊していたからそう感じたのかもしれませんが、たとえ素面であったとしても、あの時は踊ることをやめるなんてできなかったでしょう。こんなにテンションが上がったのは久しぶりだったな。


 14日の未来博ステージもホントは観に行きたかったんですけどね、ちょっと遠いし、それにココ最近いろいろありすぎたし、なんだか腰が重くなっちゃって断念。でもまた機会があれば必ず足を運びたいです。

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 ゴーキーズ・ザイゴティック・マンキ 『How I long to feel that summer in my heart』を購入。今回はインストナンバーなしの全編歌もので勝負をかけてきましたね。あまりにメロウすぎてお腹一杯な感もありますが、ソングライターとしての彼らの資質が完全に花開いた素晴らしい作品だと思います。不満があるとすれば、もうちょっと遊びがあっても良かったかなということと、このジャケのダサさはいかがなものかということ。まぁちょっとわがままな感想ですけどね。


 2001/09/12

 現在、9月12日午前1時40分。なんだか不安で眠れません。


 無性に喉の渇きを覚え、先ほどジュースを買いに近くの自販機まで行ってきました。驚くほど普段と変わらない夜。明かりの点いてる家なんて数えるほどしかありませんでした。もっと多くの人が眠れない夜を過ごしているのかと思ったのに…。


 みんな、ワールドカップは寝ないで見るのにね…。なんだか、哀しいな。


 TVから流れる大惨事の様子。でもこの映像、見続けているとだんだん麻痺してくるような気がします。眠れないとは思うんだけど、とりあえず一度TVを消して冷静になってみようかな。


 2001/09/07

 部屋の模様替えをしているときにフッと目に止まった『建築巨人 伊東忠太』(読売新聞社編・1993)。久しぶりにパラパラとながめていたら、建築評論家・飯島洋一が書いた以下のような文章が目にとまりました。


 「ある意味でいえば、現代は伊東忠太の生きた時代−西欧化のために価値基準の見えなくなった時代−似た様相を呈している時代なのだが、にもかかわらず、現代人はなぜかその問題について無頓着のままでいられる。」


 あーおっしゃるとおりだまったく。でもこのテキストが世に出たのは1993年で今は2001年、8年も経っているのに状況は何も変わっていないような気がするなぁ…。もっともこんなこと書いている私だって、自分のよりどころとなるスタイル/確固としたオリジナリティなんてまだ見出せていないんだけどさ。忠太の生きた時代と現代は違うんだと言ってしまえばそれまでなのかもしれないけれど、うーん、もうちっと何か考えていかなければならない時に差しかかっているのかもしれないな。


 と、こんなことを偉そうに思ったりしたのですが。


 路面電車に慣れてしまうと、ジェットコースターに乗るのが恐くなるように、最近の私は、あと一歩を踏み出すのに躊躇し、結局昨日と変わらない今日を過ごしていたりします。「どうにかしなくちゃ」という焦りと「まぁいいか」という諦めが入り交じり、「それもこれも独りでいるからに違いない」と結論づけたりするのですが、こんな答えにならない答えでどうなるってもんじゃないんですよね。結局このように自らの膿を出すような鬱日記をダラダラと書いて気を紛らわしたりするしかない日々。ったくアホとしか言いようがないっすね、ホント。


 考えるよりまず行動。たぶんコレが答えなのでしょう。でもなぁ、それができたらこんな苦労しないんだよなぁ。

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 伊東忠太。慶応3(1867)年山形県米沢市生まれ。明治から昭和初期にかけて東京帝国大学教授をつとめた日本で最初の建築史学者。法隆寺に魅せられ、そのルーツを探しに中国→ビルマ→インド→トルコ→ギリシャと留学、パルテノン神殿にその起源を見つけようとした。建築作品も多く、代表作として築地本願寺・大倉集古館・明治神宮などがある。また「architecture」の訳語として「建築」という言葉をあてようと主張したことでも有名(一部で、だけど(笑))。建築作品をみると「なんでこんな建物がここに?」と思うようなものも多く、マッド・アーキテクト的な印象も多々あり。しかし西欧化の進む近代文化の中で日本人としてのアイデンティティを探求したそんな彼の姿に、私は「憧れ」を抱き「希望」を求めてしまう。しかし深く深く彼の生き様に接するにつれ、毎度毎度私の「希望」は最終的に「諦念」へと変わったりもするのである。

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 こんなことを書いてしまうのは、今の私に考える余裕があるからだと思うのです。情報の波に呑まれ、物欲におぼれてしまうと、考えるという行為さえ忘れてしまうから注意が必要なのですね。今週はそれに気づいただけでもまぁ良しとしましょう(←今さら?・笑)。


 2001/09/02

 勢いでADSLを申し込んでみたら、5日も経たずにモデムがやってきました。ひー早いー。わたくし的に「常時接続」てのはライフスタイルを変えかねないオオゴトなのに…。あまりにもお手軽なのでちょっと拍子抜け。もっとも開通は2週間先だからなぁ、このモデムもしばらくはただながめるだけの箱でしかないんですが(笑)。


 ちなみに私が申し込んだのはODNのサービス。Yahoo!BBとかにもちょっと惹かれましたが、プロバイダー変えるの面倒だしね、まぁこれで別にイイかなと。

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 9月の気になるライヴとか(行くかどうかはまだ検討中)。


 9月05日 bird@ヴァージンメガストア仙台店
 9月08日 渋さ知らズ@定禅寺ストリートジャズフェスティヴァル・Sturday Night Jam
 9月14日 吉村華洲&風煉ダンス&大豆鼓ファーム&渋さ知らズ@うつくしま未来博
 9月21日 I..M.O.@L'enfer
 9月22日 友部正人@塩竈ふれあいエスプ
 9月23日 イノトモ@げら家
 9月25日 ソウル・フラワー・ユニオン@仙台 CLUB JUNK BOX


 ラインナップをみればお分かりの通り、ココ最近の私は渋さ知らズで頭はいっぱい(聴いたことないのに・笑)。もうここまできたらライヴを観るまで音源は買わずにいよう、と思っていたのですが、いい加減どうにもこうにも我慢できず、結局渋さ知らズ 『BE COOL』と佐々木彩子 『あおいとこ』を本日手に入れてしまいました。うーん意志弱いなぁ私。


 渋さはもちろんのこと、同じく地底レコードの佐々木彩子。コレ、なかなか良いですね。収録されている曲は大豆鼓ファームとイヌイットイヌークという2つの舞踏グループに公演のために作られたものなのですが、なんつーか、チンドンというか、戯曲というか、プログレというか、ジャズというか、うまく形容できないんですけど、映画のサウンドトラックのようなドラマティックな曲が多くて、聴いているとその世界にどんどん引き込まれていってしまうものばかりです。うち2曲で聴ける彼女のヴォーカルもなかなか表現力豊か。今月は渋さのメンバーとしての彼女を観ることができそうですが、はて、渋さの中でどんな役回りなのか、ちょっと、いやかなり楽しみになってきました。

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 ろったさん、MDありがとう。今さらこんなこと言うのも何なんですが、GREAT 3、なかなかイイじゃないですかぁ(笑)。あ、それとお風呂、これまた楽しませていただきましたヨ。


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