11月16日 日曜日 マルちゃんワンタンに一万円かける馬鹿さ加減。
今日は来週の南アルプス登山遠征に向けた準備のため、新宿のスポーツ用品店に買い出しに出かけた。10月19日に登った長野県、雨飾山の頂上で見た、マルちゃんワンタンを作る男を見て以来、次に購入すべき新兵器は決まっていた。ガスバーナーだ。2000m近い雨飾山の頂上はとても寒く、そこで僕らはコンビニおにぎりをほおばっていたのだけど、そんな僕らの目の前に現れたその男は、おもむろにガスバーナーを取り出して、ペットボトルの水を鍋に入れて湧かしはじめた。水が沸騰するまでに、彼は紅茶のティーパックと、マルちゃんワンタンを取り出し、両方の封を切り、慣れた手つきでゴミをバックパックにしまった。そのころにちょうど湧いたお湯をそそぎ、彼はあたたかい紅茶を飲む。その紅茶が無くなって来た頃に、3分の時間が経ち、マルちゃんワンタンが出来上がるという段取りである。完璧に計算され尽くしたその一連の動作に感心しながらも、寒いこの頂上で、冷たくなった「サントリー天然水 南アルプス」を飲むしかない僕らは、悔しい思いをするしかなかった。 来週末に挑戦する南アルプス地区は日本で2番目に高い北岳を初め、甲斐駒ヶ岳や仙丈ガ岳など3000m級の尾根が立ち並んでいる。時期も11月下旬となれば、どの山に登ったとしても、そこは冬山の様相であることは必至である。そもそも、僕らのような初心者がそんな危険なところに立ち入っていいのかどうかも分からないのだけど、それなりの装備はしてゆき、それでも駄目だったら引き返してくるつもりだ。そんな僕らの極寒の地への挑戦に必要なのが、このガスバーナーである。こいつで、極寒の南アルプスで暖をとるのだ。とかいってるけど、単純に前回の経験で羨ましさいっぱいだったので、僕も欲しくなっただけなのだけどね。
で、買ってきましたよ。バーナーが7,000円。これが思いのほか優秀で、ガスボンベを外して畳むと携帯電話くらいの大きさしかない。荷物になるかと覚悟していたが、そんな心配は全然いらなかった。わずかでも軽量に、かさを小さくするために作られている登山用具はさすがであった。あわせて、湯を沸かすためのミニやかんと、ミニカップ、ガスボンベを購入。しめて10,000円ほどだった。これで、僕は好きな時にマルちゃんワンタンを食べられるようになったわけだ。でも10,000万円かけて、結局カップラーメンかよと、ぼーぼー燃え盛るガスバーナーを見ながら思ったりもした。でも、こういうのが男のロマンですよねぇ。そんな男のロマンなんてちっちゃいか。いや、大事、大事。とにかく、新兵器をゲットしてご機嫌な日曜日の夜なのであった。