明日へ… 第二部2

到着したのは、四年前にタイムマシンが派遣された同じ場所の約一時間後の時点。その時と唯一、違うことといえば、例の生存者の姿がどこにも見当たらないことだった。

もはや何もすることはない。街は未だにまぶたに焼きついたままの、以前見た廃墟と寸分変わらない。通信にも一切反応がない。
「帰還せよ」
未来へ帰還命令が下された。
再びタイムマシンはむなしく帰る。

これほどの虚脱感を感じたことはかつてなかった。未来は変えられないのか。運命からは逃れられないのか。今までの四年間は一体何だったのだろう。
様々な思いが脳裏をよぎる。
何かの間違いじゃないのか。一体これからの一年間に何が起きるというのだ。人類は最善を尽くした。あらゆる事態に対応できるはずだった。それでも、今見たものが本当に未来の姿だとしたら、我々は今まで一体何をしてきたのだ。何が足りなかったんだ。
一年後の人々はタイムマシンの到着する日時や場所は知っているはずだ。なのに、何の反応もないということは、何かが起きたとしか思えない。それは一体何なのだろう。

僕はそんなことを考えながらしばらくぼんやりテレビを眺めていた。画面は現在に切り替わり、アナウンサーは今僕が考えていたようなことを興奮気味に喋っていた。

BACK | 明日へ…index | Novels index | TopPage | NEXT