「タイムマシン完成か」 決行当日、世界中の人がテレビの前で緊張していた。祈るような気持ちで、皆が皆、まばたきするのも惜しんで画面を見つめていた。 秒読みが開始され、マシンの影が薄れていく。やがて大音響とともにマシンが消え、映像がマシンに設置されたカメラに切り替わる。 誰もがテレビの前で胸を躍らせていた。我々は未来を変えたはずだ。その結果が今、目の前に現れようとしている。灰色の画面に少しずつ景色が浮かび上がってくる。まるでテレビが意思を持って我々をじらしているかのように、ゆっくりと像が結ばれてゆく。 そして像が鮮明に結ばれた時、世界を絶望が襲った。 何も変わっていないではないか… |
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