読書日記 

 2002年7月

暑い・・・暑さは読書の妨げです。
ただ今マイブームは麻雀マンガ。燃えるぜぃ!(ゴォッ)




 「エレベーターの闇」他〜新耳袋より〜 永久保貴一他 メディアファクトリー  
 ISBN 4-8401-0592-8 本体価格590円


 皆さん、「新耳袋」という本をご存知でしょうか。
 現代版百物語として実話の怖い話を蒐集している本なのですが
 (今現在7冊刊行されています)、これはその中から原作を取ってきて、
 オムニバス形式でコミック化された物です。

 ・・・原作の新耳袋、いかにも実話っぽい話が満載で非常に面白い本なのですが、
 必ず1冊に2,3話くらいは本当にしゃれにならんほど恐ろしい話が入ってます。
 ですので、絶対に電車の中でしか読めないんですよ。うう。
 それはおいといて本書でのオススメは

 ①「エレベーターの闇」永久保貴一
 ②「弟」犬木加奈子
 ③「妙見山にて」片山さおこ
 ④「草音」片山さおこ
 ⑤「現場調書」大槻保彦
 です。

 ①は私が日記で書いてたネタですね。やはり有名なんですね・・
 しかしこの人の絵は怖い。「カルラ舞う!」の作者です。あれもおもしろかったなぁ。
 ②出ました犬木加奈子!「名前からして怖い」っていったのは
 いしかわじゅんさんだったでしょうか・・(うろ覚え)
 やっぱりさすがにうまい!です。この話、原作でも異様に印象に残ってました。
 ③④こわー!絵のインパクトやな。こわいっ。大阪の山には結構怖い話多いです。
 ⑤これはもう画力が素晴らしい!トリを飾るのにふさわしい作品でした。

 最近暑くてたまらんので、涼をとる意味でも御一読、如何でしょうか。

 2002.07.04
 


 「新耳袋 第7夜」〜現代百物語〜 木原浩勝・中山市朗 メディアファクトリー  
 ISBN 4-8401-0588-X  本体価格1,200円 

  上記でご案内した本の原作の最新刊です。

 ・・・・怖い。あのね、あのね、「赤い人」の話読んでみてーー!
 私もう怖くって最近台所の方の小窓を開けとくことが出来ない。
 廊下に面してるからさ・・!(ぶるぶる) ああコワ。
 あと歯磨いたら歯ブラシから一本づつ人形の髪の毛が出てくる話が・・(ぎゃーー!)
 ああ、もう書評でもなんでもねえさ!単に怖がってるだけさ!

  そしてカバー。外してみるとそこには・・・ぎゃああーーー!!

 ・・・是非読んで下さいよ・・ふふ・・特に1人暮らしの人。団地に住んでる人・・とか・・。
 あなたのことですよ・・あなたの・・・。

 2002.07.09 



 ※さて、この書評はちょっと特殊な本を扱っております。ちょっとみてみるか、
  という方だけどうぞ。

   ←コチラ
 
 2002.07.09



 「ONE PIECE」 24 ジャンプコミックス/集英社  尾田栄一郎      
 ISBN 4-08-873282-0 本体価格390円


  ああー・・やっとアラバスタ編も終わって。新章突入でごわす。
 いやーここまで長くなると今までの俺的慣例から言って、もう買えなくなるのよねぇ・・
 あんま長いのダメなんだ。いやでもしかし面白い。だってこれは多分私が自分で
 お金出して買った初のジャンプコミックなんですもの。
  思い起こすこと1年前、会社の先輩の弟君に借りたのが切欠だったのですが。
 借りた当初は、絵があまりにも子供向け(に見えた)だったので、1巻の10pより先に
 なかなか進まなくって苦労してたのだが、それでも読み進めて行ったらなんと!!
 超絶おもろい!!やんか!と思いソッコー古本屋に走って、
 またそこにグッドタイミングで、18巻まで売りに来てた中学生からその場で
 譲り受けるようなかたちでご購入。
 一気読みーーで各箇所で号泣。(例:ベルメールさぁん!チョッパー!ドクターぁ!)
 いやもーその時の一気読みの快感といったら。たまりませんでした。
 なるほど「ダ・ヴィンチ」で「大人も読める少年漫画」と太鼓判を押されていただけの
 ことはある・・。と大満足だったのでした。いや、これほんと周囲の年配の方も
 同年代も驚くほど読んでるんですよ。男女問わず。これって近年なかったことでは?

  ジャンプの黄金時代も今はなく、それでもこの作品を擁していることによって
 ジャンプはやっぱり正統派の少年漫画誌の地位を保ってるような。(いや、他にも
 人気作品はあるのでしょうが)それほどに純粋にまっすぐな冒険「マンガ」です。
 月並みだが、やっぱ子供には、子供時代に一本はこういうマンガ読んで欲しいな。
 そう思わせてくれるところがそのままこのマンガの稀有な魅力となってる気がします。
 てか、まじでおもろいんすよ、信じて。そして読んでー!
 (っていまさら私が絶叫せんでもばりばり売れとるんやけどね・・)
 追記ですが、この人の絵ってなんか、特殊な「うまさ」ですよね・・。
 最初は特にそう思わなかったんですけど・・。
 
 
 2002.07.15



 「アフリカの蹄」 講談社文庫  帚木蓬生 ISBN 4-06-263587-9 本体価格619円  

 絶滅したはずの天然痘を使って黒人社会を滅亡させようとする非人間的な
 白人支配層に立ち向かう若き日本人医師。
 留学先の南アフリカで直面した驚くべき黒人差別に怒り、
 貧しき人々を救うため正義の戦いに命をかける。
 証拠品の国外持ち出しは成功するか!?
 〜文庫版あらすじより〜 


 冒険サスペンス、と銘打ってはいるが、本作の核となっているのは言うまでもなく
 人種差別問題だ。解説でも長谷部史親氏がこう触れている。

 「ひとつの差別の超克が、付随的に別の差別を生み出さないともかぎらない。
 差別とは、かくも厄介で深刻なのである」〜解説424Pより〜


 この文章はまさしく的を射ていて、人間は他者との差別化を図らずにはいられない
 生き物である以上、差別というものの根本的な撤廃は不可能であると(個人的には)
 思われる。
 それは政治レベルの話だろうが、ひとつの国の小さな地域での話だろうが、
 個人間の話だろうが一様にいえることだ。
 だが、その状況で自分の存在価値を確立するためにおこる差別是正の動きも
 またけして絶えることはない。現代の日本で、「日本人」として生活していると
 差別について考える機会はあまりない中で、(本当は国内の多数のマイノリティが
 存在する中で常にこの問題は介在しているのだが・・)
 こうしたエンターテイメントの書としての形を借りて発表されたこの本は、
 物語を楽しみつつもこうした問題に触れられる好書といえるのではないか。

 著者の帚木蓬生氏は東大仏文科を卒業後TBSに勤務、その3年後に
 九州大学医学部に入学し、その後精神科医になったという異色の履歴の
 持ち主だそう。なるほど著者の作品には医師ならではの観点が随所に見られる
 ようだ。主人公はもともと心臓移植の勉強のために留学してきたわけだが、
 文中で心臓移植のドナーがもっぱら黒人であり、レシピエントは白人ばかり・・
 と疑問に悩むシーンが見られる。
 南アフリカが、心臓移植の先進国であったことは本当らしいが、その理由が
 本書がフィクションの中で触れたこの理由〜黒人の脳死患者が容易に調達できる
 状況があるため〜にあるなんてことが本当だったとしたら・・・とぞっとするものを
 感じさせる。あながちありえないことでもない・・と思うと共に、
 こういう切り口は医者ならではのものだな、と思わされる。
 そういえば著者の「臓器農場」という作品は、無脳症児をテーマにした作品で、
 この題材はまさに医者である著者ならではの選択だなーと唸ったものだった。
 (同じく医学博士だった手塚治虫氏がブラックジャックの中で取り上げていた
 こともあった)

 純粋に冒険サスペンスものと捉えると、先が読めすぎる嫌いもあるし、
 主人公が渦中に飛び込む時の迷いがなさ過ぎるのが引っかかる箇所もあるが、
 全体的には楽しめた。なにより前述の要素において、読んで損はない1冊かと。

 2002.07.20



 「水蜜桃の夜」ジョージ朝倉  講談社コミックスフレンド ISBN 4-06-341285-7   
 本体価格390円


  ・・よもや今になって講談社KCを購入することになるとは・・・。
 松本美緒以来だな。(中学のころ「RISING SUN」とか読んでたなぁ・・好きやった。
 ていうか、今そのころのこの人の作品って殆ど絶版なのね。びっくり。)
 いや、思いっきり話がそれたが、ジョージ朝倉だ。この人、書店で
 「ハッピーエンド」の装丁見ただけでお、面白そう・・と思ってしまったのだが、
 全然知らないしなぁ・・どうしよ−と悩んでとりあえず様子見に本書を購入。
 結果発表。
 ↓ 

 あら、面白いじゃないの・・!なんていうか、この人の場合KCで出てるのがなんとなく
 ピンとこない。祥伝社辺りから出て南Q太の横に並んでそう。絵柄的にも。
 表題作は義理のお兄ちゃんを好きになった妹の話。掲載誌・作品にもよるんだろうが、
 昔は少女誌ではたとえ渦中の2人がくっついても性描写はそれとなーくぼかしてた。
 でも本書ではふつーに気合いれてやってます。まー今はこれが普通なんですが、
 「失踪日和」のなかでおっと思ったのが、男が女の子の内股に刺青を彫る描写。
 こういうエロ描写・・・ありがちだが好きよ結構。なんつうか、表情の描き方がよい。
 目線が印象的なのね・・・・。
 初期の作品もはいっているこの短編集、たしかにまだそこかしこに
 いろんなとこからの影響が見うけられるようなかんじですが、
 自分の作風を確立(既刊でもうしてるのかもしらんが)したら、
 すごく面白いもんを書いてくれそうです。
 おっちゃんはかなりキミに期待してるよ。つうわけで他の本も買うよ。
 「少年少女ロマンス」も立ち読みしてくっかな。

 追記・作中で歌ってるベラの歌・・・気になる・・・妖怪人間・・?

 2002.07.26



 「サユリ1号」2巻 村上かつら ビッグコミックス 小学館 ISBN 4-09-186442-2  
 本体価格505円 


 捨てきれないがらくたを火にくべて、
 なけなしの燃料ではしってる、
 それが、

 「片思い」
         110P

 ・・・はい・・そのとーり!その通りで御座います。
 どうとでも取れるエピソードを延々と頭の中で反芻する・・で、それを
 自分の都合のいい解釈にもっていく。・・そういうもんよね。
 あうち。
 今回はこのくだりに(単純明快ではあるが)ガツーンとやられたね。

 2巻目になってまた面白くなってきたなー。
 ふつーの大学生の恋愛ものなんだけどね。なんかおもろいねん。
 過分に男子の妄想ものだからか?

 2002.07.31


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