悠人はすでに達してしまったとはいえ、優作はまだ挿入もしていないのだ。
 優作自身、悠人の中に入りたくてうずうずしてたが、悠人の体調を考えると無理も言えない。
 今回は諦めるつもりで優作はスラックスのファスナーを閉めようとすると、悠人の手がそれを止めた。
「待ってよ、優作。もう終わるの?」
「ああ。おまえだって、さすがに辛いだろう」
「でも、優作まだ……」
「オレのことは気にするな。それに、無理すんなって言っただろう?」
「でも……」
 悠人は何か言いたそうに不満げに言葉を濁す。
 優作が服を着ないうちに何とかと思案にくれていると、ふと妙案が浮かんだ。
「じゃあ優作。オレが続きをしたいって言ったら、してくれるの?」
「あ? でも、悠人。おまえ……」
「オレはまだ、優作のこといっぱい感じていないよ」
 真剣な面持ちで見つめてくる悠人に、今度は優作がためらいがちになってきた。
 腰の引けている優作に、悠人はさらに詰め寄る。
「もっともっと感じたいんだ、優作のこと……」
 そこまで言うと、悠人は優作の背中に抱きつき、腰に手を回した。
「オレ、優作と一緒にイキたい。体の中に優作をいっぱいに感じて……。だから……」
 あまりの恥ずかしさに赤面しながらも、どうしてもそれだけは優作に伝えたくて、悠人は思いの馳せを思い切って伝える。
 一所懸命に思いを伝える悠人に、これ以上何か言わせるのは酷だと思った優作は、後ろを振り返ると、正面から悠人を抱き締めキスで続きの言葉を奪う。
「そこまで言われて止めたんじゃあ、オレの男がすたるな」
 苦笑いのような笑みを浮かべて見つめる優作に、悠人は小さく微笑んで頷く。
 優作は再び悠人にキスをすると、そのまま悠人の身体を押し倒した。
「ここまで挑発されたんだ。いやだって言っても、もう後戻りはきかないからな」
「うん……、いいよ」
 達してまだそれほど時間が経っていないのに、悠人の身体はまだ優作を欲して熱くなっていった。
 優作の指や舌が悠人の身体を這い回るたび、悠人は絶頂の淵に追いやられる。
 息も絶え絶えに悠人がヒクついていると、いきり立った悠人のペニスに優作が口づけようとしていた。
「あ……ま、まって……」
「どうした?」
「また……ひとりでイカされるのイヤだから……今度はオレがやるよ……」
「……よし。じゃあ、やってもらおうか」
 少しの間思案していた優作だったが、せっかく悠人から奉仕してくれるというのだからと思い、腰を下ろすと悠人の前に堂々とした自分のモノを広げて見せた。
 そそり立つ人並み以上には大きい優作のイチモツを手に取ると、悠人は恐る恐る先端に舌をあてる。
 悠人の小さな口が、大きな優作のモノを飲み込むと、悠人は舌と唇を使って一所懸命に扱き始めた。
 それでも大きな優作のペニスを全部口に含むことはできず、先端が喉の奥にあたるとどうしても息苦しい。
 むせて涙目になる悠人に、優作は心配になって声をかける。
「大丈夫か? 本当に無理しなくていいんだぞ」
「れ、れも……」
 そう言いつつも、苦しくなってむせている悠人の頭を、優作はそっと抱えて離した。
「無理にくわえ込むことはない。握って舐めてくれるだけでも充分だから。な?」
「ん……」
 優作の言うとおり、今度は両手で優作の竿部分を擦りあげながら、先端や裏側を舌で舐める。
 奉仕するたびに、優作の身体が震えるのがわかり、悠人はそこはかとなく嬉しい。
 感じているのは、自分だけじゃないとわかったからだ。
「いいぞ……悠人。うまいな……」
 悠人の頭を抱える手に力を込めて、優作が褒める。
 自分のイチモツを奉仕してもらいながらも、優作は悠人の頭から手を離すと、突き出された悠人の尻を撫で回し、双丘の谷間にごつい指を滑らせる。
「んんっ……!」
 いきなり進入してきた優作の中指の感覚に、悠人は優作の先端を口にしながら呻いた。
 もう片方の手が、悠人の乳首を軽くつねると、悠人の身体がぴくりとはねた。
 悠人の入り口をほぐすようにゆっくりとかき回す指の感覚に、悠人はさらに身を強ばらせのけぞってしまう。
 その拍子に、思わず優作のペニスから口を離してしまい、慌てて奉仕を再開しようと口を付けるが、優作に止められてしまった。
「悠人……、もういい……。さすがにこっちがイキそうになる……」
 そう言いつつ苦笑を浮かべる優作に、思わず悠人も顔をほころばせる。
 優作は悠人の身体を仰向けに押し倒すと、片手と舌で乳首や脇腹を責めながら、中指でゆっくりと後孔をこねくりまわす。
「あっ……あくっ! んくう! はうっ!」
 節くれ立った太い優作の指は、次第に悠人の奥深くに入っていく。
 たった一本指を入れられただけなのに、それだけでもうきつく感じてしまう。
「すげ……。全部飲み込んだぞ」
 指を根本までねじ込んだ優作は、全部入ったご褒美にと言わんばかりに、悠人の中に入った指で中を撫で回す。
「ああうっ!」
 前立腺を刺激された悠人は、思わず大声をあげてのけぞった。
 必死で身悶えする悠人の姿が愛らしく、優作はすぐにでも繋がりたい衝動に駆られたが、ぐっと我慢する。
 優しくゆっくりと悠人の肉襞を解きほぐし、柔らかくなったのを確認すると、今度は薬指を挿入した。
「んぐっ……くあっ……」
 たたでさえ太くてきつい優作の指が、今度は二本入ってきたのだ。
 いくら悠人でも、最初はさすがに辛い。
「腹の奥からゆっくり息を吐いて……そう、力を抜いて」
 ともすれば止まりそうになる呼吸だったが、優作の言うとおりに呼吸をすることで、強ばっていた悠人の身体から徐々に無理な力が抜けてきた。
 悠人の力が抜けてきたところで、優作は挿入した二本の指を悠人の中でこねくりまわした。
「あっ? くうっ……あっ、あふっ、ふあンっ!」
「こら。また力入ってるぞ」
「だ、だって……ああっ!」
 悠人の一番感じるところを刺激され続けては、力を入れるなという方が無理だ。
 だが、優作はその無理を承知でちょっと意地悪を言っただけなのだが、冗談を言い合う余裕は今の悠人にはない。
 後孔を弄っていると、ヒクついている悠人のペニスから先走りが止めどなくあふれ出る。
 物欲しげにピクピクと動く悠人のペニスを、優作の手が包み込むと、先端に指を充て擦り始めた。
「やっ、そこ……っ、だ、め……っ! ああっ!」
 前後を責められ激しく悶える悠人に、優作は更に刺激を与える。
 悠人の蕾に三本目の指を挿入すると、悠人は絶叫のような悲鳴を上げた。


探偵物語

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