Webゼフェ温22
「あら、ちょっといいかしら(本を奪う)・・・この上なく美しい夜だ・・・。まさに我が思慕する天使にふさわしい・・・」
「その思慕する天使ってもしかしてこいつの結婚相手のことか!?」
「だがもう天使に触れることすらできぬ。彼女のいない守護聖の生活は私には長く、つらいものになるだろう。・・・あら?この方は振られたみたいですわね?どういうことかしら」
「先を読んでみようぜ(パラパラ)とうとう天使の女王戴冠式が明日に迫った。私の許を離れ全ての者の天使となってしまう・・・。ということはこの天使とやらは恋人を振って女王になったわけか」
「あら?まだ続きがありますわ。戴冠式も終了間近に迫った頃、天使は大粒の涙を流した。私は耐え切れず懇願をしたのだ。自分の傍に居てほしいと。そして天使は戻ってきた。この先どんな困難が待ち受けようと私は命をかけて天使を守ろう」
「女王の戴冠式の途中で女王になるのを止めたんですね・・・」
「肝心なのはそっから先だな。その後二人はどうなったんだ?」
「もう一人の女王候補は?」
「結論から申しますともう一人の候補が女王に。そして女王を放棄した候補は補佐官に落ち着いたようですわね。これはこの宇宙ですからそれですみましたけど今回は遠く離れた新宇宙ですから・・・」
「何とかなんねぇのかよ!?」
「せっかく日記が見つかったのに問題解決ならないな・・・」
「やっぱりゼフェル様と離れ離れに・・・(じわっ)」
「アンジェ・・・・。オレはぜってぇやだぜ!何か方法はねぇのかよ・・・・!」
「ああもう!考えるの疲れたよ!アンジェが女王になっちゃうのは仕方ないならゼフェル様が新宇宙に引っ越してくればいいんですよ!仕事の日だけこの宇宙に帰ってくればいいじゃないですか!(キレたらしい)」
「レイチェル、それは厳しいわ。守護聖がその宇宙に存在していないというだけで宇宙のバランスは崩れてしまうのよ。学習館で習ったでしょう?」
「ぐぐっ(言い返せない)この宇宙ばっかイイ男がそろってて新宇宙には誰もいないなんてズルーイ!(論点ずれてます)」
「あら?そんなことないわよ。新宇宙なんだから最初は若年層の守護聖がそろうと思うけど・・・。それに実は守護聖は顔も選抜の対称なのよ」
「・・・・・・へ?か、顔?」
「・・・あ?ちょっと待てここ・・・『しかし女王になるはずだった候補が女王にならなかったため、宇宙のバランスが崩れてしまう心配があるということだった。そのため、宇宙にサクリアを置き、補佐をしていくことで、それを逃れた・・・』だってよ」
「サクリアを置く・・・ねぇ。サクリアは電気と同じで形のないものだから貯めることはできないはずだけど・・・。一体どうやったのかしら??」
「そうですわね。・・・そういえば陛下、昔地上界の女神像を媒介に力を送ったことがありましたわね?それを応用してサクリアを形あるものに宿すことはできないかしら?」
「・・・そうね、波動が近いものになら宿すことができるかもしれないわね。・・・そうだ!!公園の先代の女王陛下の像ならもしかしたら・・・!」
「その像に鋼のサクリアを貯めておけばオレはいなくてもいいのか!?」
「・・やってみないと分からないわね。それにこの日記の場合は女王のサクリアを残したみたいだから。それに守護聖と女王のサクリアは別の性質も持っているから合うかどうかは保障できないわ」
「まあともかく試してみる価値はありますわね。さあ皆さん、庭園へ参りましょう」
ナレーション「そして一同は庭園に移動した」
「そんじゃオレの鋼のサクリアを女王像にぶつけるぜ!」
ナレーション「そして、聖地に鋼のサクリアが満ちていった」
「ふぅ、・・・こんなもんでどうだ?」
「・・・確かに鋼のサクリアを強く感じるけど、この像からというより聖地全体から感じるわ。星を育成したときと同じね」
「じ、じゃあだめなんですか??」
「・・・アンジェリーク、ちょっとこの像にサクリアを送ってみて」
「え?え?私のサクリアですか?でもサクリアの出し方分かりません・・・」
「うーん・・・・陛下、方法知っていらっしゃるんですか?」
「当然知ってるわよ。うーん・・・でも口で説明するのは難しいわね。像に向かって自分の気を送るように念じればいい・・・と言えば分かるかしら?」
「よく分かりませんけど・・・やってみます!」
「1」
「2の3〜!」
「え〜い」
ナレーション「女王のサクリアが出た」
「やったわね!アンジェリーク・コレット」
「できた・・・。ゼフェル様、できました!(無邪気に喜ぶアンジェ)」
「良かったな(アンジェの頭をなでなで)」
「にゃ〜ん(猫化)」
「アンゼェが猫になった〜」
「さすがは初代女王ですわね。宇宙が覚醒する前から力を使うことができるなんて」
「初代女王の器ってだけでまだ女王じゃねーよ!!勝手に決めんな!」
「まあそれはおいといて、後はその力を像に宿すことができるかどうかだわ。アンジェ、女王像から出ている気に同調させてみて」
「う〜・・・えいっ!!」
「・・・っ!!力みすぎよアンジェ!!サクリアが暴走するわ!!」
「え?きゃああああ!!」
効果音「がしゃーん!!(像が割れた音)」
「ああ!像に閉じ込めたサクリアが暴走してしまうわ!」
「ど、どうしよう私のせいで(オロオロ)」
「おめーのせいじゃねぇよ」
「・・・水晶球よ。かの力を取り込め(水晶球を高く掲げる)」
ナレーション「水晶球が怪しげな光を放ちながらサクリアを吸収していった・・・」
「クラヴィス!!いつからそこに!?それより今あなた何をしたの??」
「水晶球が気まぐれに庭園の光景を映したのでな・・・。見てのとおり、サクリアを吸収しただけだ」
「そなたの水晶球は呪いができるだけではなかったのだな」
「ふっ・・・。なにこれくらいのこと。一生の恩にきる必要はない(にやり)」
「誰がそのようなこと言った!?うぬぼれるでない!!」
「(ジュリアスを無視)・・・女王よ、我が水晶球に女王候補のサクリアを閉じ込めることができたが?」
「クリスタルなんて思いつかなかったわね。ゼフェルのサクリアもこのクリスタルに宿せるかしら??」
「さあな。だがやるなら今のうちだぞ。こやつは気まぐれだからな」
「おっしゃあ!!いくぜ!準備はいいか?」
「ふっ。準備などさっきからこうやって水晶を持っているではないか。さっさとやれ」
「ゼフェル、慎重にやれよ。勢いあまって水晶壊すなよ。水晶爆発させるなよ」
「だーうるせぇ!黙って見てろ!」
ナレーション「そして・・・??」
「・・・どうだ??球の中にしっかり入ったか??」
「ふむ・・・。どうやらサクリアを無事水晶球に閉じ込めることができたようだな」
「大成功だわ♪水晶球からゼフェルが日常生活時に放っているサクリアと同等のものを感じるもの。これならこまめに補充すればいけるかもしれないわ」
「そうですわね。後は育成の時だけいらしていただければ大きな影響はなさそうですし・・・。それにしてもこれはどれくらいもつのかしら??」
「そうねえ・・・。正確なデータが採れるまではゼフェルには聖地にいてもらわなきゃならないわね。もしもの時のために」
「・・・じ、じゃあ結局しばらくは離れ離れなんですか?」
「つらいと思うけど、少し我慢して頂戴。でないと私はこの宇宙の女王としてこの計画を認めることはできないわ」
「・・・。わーったよ。はっきりしたことが分かりさえすりゃあオレは新宇宙に行ってもかまわねえんだろ?エルンストとオレの秀才コンビならそんなもん三日もかかんねえぜ」
「頼もしいことですわね。ではアンジェリーク、あなたはとりあえずもう新宇宙に行って頂戴。もう時間がないわ。覚醒したときにあなたがいないとアルフォンシアが可哀想だもの。必要な物はまた後で取りにくればいいわ」
「何か慌しいね。しばらく寂しいかもしんないけどワタシが一緒だからね!ワタシもランディ様に会うのガマンするよ」
「・・・レイチェル。ごめんねあなたまで・・・」
「何言ってんの。ワタシはもともと女王になるつもりだったんだし。気にしない気にしない♪じゃあ行こっか(アンジェと一緒に部屋を出る)」
ナレーション「二人は王立研究院に来た」
「もうすぐ新宇宙が覚醒します。さぁ、アンジェリーク新宇宙へ行ってアルフォンシアと対面してください」
「はい。じゃあ行って来ます(ゲートをくぐる)」
「さあレイチェル、あなたもどうぞ」
「・・・ねえエルンスト、私の聖獣は・・・ルーティスはほんとに消滅しちゃうの?最初から分かってたことだけど何か残酷だよね・・・」
「レイチェル・・・」
「・・・なーんてね!!もともとは一匹の聖獣がワタシとアンジェには別々に見えていただけなんだし。アルフォンシアもルーティスなんだから精一杯可愛がるよ。じゃあ行ってきま〜す!!」
「何だか、寂しくなるわね・・・」
「そうですね・・・」
ナレーション「新宇宙にやってきた二人は・・・?」
「アルフォンシアが荒れている・・」
「どうして?荒れているの?ううん、違う・・・悲しんでいる・・・」
「こんなに不安定なまま覚醒するなんて危険だよ。どうする?アンジェ」
「そうよね。・・・私、アルフォンシアと話してみる。悪いけどレイチェルはひとまず王立研究院に戻っててくれる?」
「うん、分かったよ。気をつけてね。何かあったらすぐ呼ぶんだよ!」
「きゃあ」
ナレーション「アルフォンシアは破滅して闇の中へ・・・・」
「うそ・・・アルフォンシア・・・?どこ行っちゃったの?アルフォンシア?・・・ひっく・・・アルフォンシア・・・嫌ぁーーー!!」
ナレーション「その頃研究院にいたレイチェルは?」
「な・・・何!?これ、ルーティス!?・・・じゃないよね・・・?ピンク色してるし・・・。まさかアルフォンシアだったりして」
効果音「きゅぴ☆(アルフォンシアの鳴き声)」
「いいえ、違うわ。陛下が鳴きまねしてるのよ」
「えっばれちゃった☆うふ」
「(新宇宙から戻ってきた)レイチェル———!アルフォンシアがいなくなっちゃったぁ(レイチェルに抱きつき号泣。陛下達に気付いてない)」
「よーく見てね、アンジェ。アルフォンシアとルーティスはどっちも破滅したの」
「な、何でレイチェルはそんなに落ち着いてるの?・・・ひっく・・・二人(?)ともいなくなっちゃうなんて!う、うぇ〜ん」
「落ち着いてったら。ね?」
「だって・・・。アルフォンシアはまだ覚醒してないから破滅する心配はないって陛下だっておっしゃってたのに・・・。陛下の嘘つき〜!!(号泣)」
「あらら・・・。完璧に錯乱してるわね。どうするロザリア?」
「そうですわね・・・。とりあえずアンジェリークの精神状態が安定しないことには何も始まりませんし。・・・こほん、失礼!!(アンジェの首にチョップ!!)」
「はれ?・・・・・・きゅう(パタッ)」
「ひいぃ!!ロ、ロザリア様!!何てことを・・・!!しっかりしてくださいアンジェリーク!!」
「(エルンスト突き飛ばし)アンジェ———!何か嫌な予感がして来たら・・・アンジェ、大丈夫か!」
「あらゼフェル、さすがね(微笑)心配しなくても大丈夫よ。ロザリアは少林寺拳法の二段を持ってるから♪つぼはわきまえてるわ」
「レディとして」
「コ、コホン。それではとりあえずアンジェリークを寮へ連れていきましょう。詳しい話は彼女が目覚めてからということで・・・」
「そうね。もう急ぐ必要はなくなったわけだし。悪いけどゼフェル、彼女が目覚めるまで付き添ってあげてね。目覚めたら使いのものを寄越して頂戴」
「お、おう。それより何なんだよ?何が起こったんだ?急ぐ必要がないってどういうことだ?」
「アルフォンシアとルーティスが消滅しちゃったんです(落ち着いてるように見えるが落ち込んでいる)」
「レイチェル、ガマンしなくていいんだよ。泣きたいなら泣いてもいいんだ」
「寂しいことだけど落ち込むことじゃないのよ。詳しい話はアンジェが目覚めたらね。レイチェル、あなたも昨日から不眠不休でつかれたでしょう。少し休んでちょうだい」
ナレーション「そしてそれぞれ帰っていった」
〜続く〜